平成26年度アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアにおける青少年のインターネット環境整備状況等調査
平成27年3月 内閣府

第2部 調査の結果

第2章 イギリス

3 青少年のインターネット利用環境に関する公的機関及び民間企業の取組み

(3) インターネット上の情報の分類(レイティング・ゾーニング等)

■ 国際レイティング機関:汎欧州ゲーム情報(Pan European Games Information:PEGI http://www.pegi.info/en/index/)

PEGIは、ゲーム及びアプリケーションにおいて年齢別レイティングを行なっている国際団体で、欧州を中心に30カ国以上がメンバーとなっている。ビデオゲームのパッケージに年齢制限、内容の表示を行っている。2012年7月30日から2012年ビデオ記録(ラベリング)規制(The Video Recordings 【Labelling】 Regulations 2012)によりPEGIの制度を取り入れることになった。ラベルは年齢別及びコンテンツ別に色・絵で明確に制限される年齢・内容がわかる様になっている。

図 145 PEGI年齢別アイコン

図 146 コンテンツの内容を表示するPECIアイコン

(出典:JETRO)

また、PEGIは未成年者のオンラインゲームでの保護を目的に、2009年9月からオンラインゲームウェブサイト用にアイコンを作成した。

図 147 ゲーム用のPEGIアイコン(PEGI Online Safety Code)

(出典:JETRO)

■ 映像・広告のレイティング機関:全英映像等級審査機構(British Board of Film Classification:BBFC)

映画館及びビデオのレイティングは、従来BBFCが行なっていたが、BBFCは、それに加えて、IMCBに代わり携帯電話のコンテンツ及びオンライン上のビデオ、ビデオオンデマンドのレイティング審査も行なっている。

図 148 BBFC ラベルと規制内容

(出典:BBFC)

■ オンデマンドのレイティング機関: オンデマンドテレビ規制局(ATVOD)

ATVODにより自己申告制とガイダンスによる年齢制限のコントロールが行われている。動画をダウンロードしてインターネットで閲覧できるビデオ・オンデマンド(Video-on-Demand)においてはATVODの自主規制によるフィルタリングの方法が取られている。例えば国営放送局のBBCが提供しているBBCiPlayerにおいては、16歳未満のコンテンツを保護者によって制限することができる。また、他のサービス事業者においては利用者の年齢を自主申請によるフィルタリングを行なっている532。通信法により監督機関としてOfcomに任命されているATVODによりオンデマンド番組サービス(On-Demand Programme Services:ODPS)は登録を義務付けされている533

■ ビデオゲームのレイティング機関: ビデオ規格委員会・ゲームレイティング局(GRA)

図 149 アプリ用コンテンツラベル

(出典:VSC 年間報告書534

表 70 レイティングの実施団体と詳細535
目的 団体名 詳細
レイティングの国際団体 汎欧州ゲーム情報(Pan European Games Information :PEGI 536 ビデオ記録(ラベリング)規制2012年(The Video Recordings (Labelling) Regulations 2012)によりイギリスのビデオはPEGIラベルにより規制されている537
映画・テレビのレイティング機関 全英映像等級審査機構(British Board of Film Classification:BBFC 538 1984年ビデオ記録法(Video Recording Act)により1985年よりイギリスの公式なレイティング機関に指定された。映画、ビデオ、DVD、ビデオゲーム、広告、映画広告の審査格付けを行っている539
また、格付ガイドを発行している540
映画/広告の規制は映画館の特許を管轄する地方自治体に代わり規制する。 ビデオは1984年ビデオ記録法によって規制
インターネット上でのビデオ配布及び携帯電話網での商業・インターネットコンテンツは自主規制による。
ゲームのレイティング機関 ゲームレイティング局(Games Ratings Authority:GRA) 2012年に「2012年ビデオ記録(ラベリング)規制(The Video Recordings (Labelling) Regulations 2012)」により設立した。これによりGRAはPEGIのレイティング制度を用いてゲームのレイティング業務を行う義務が定義された。GRAは必要に応じてゲームを禁止する権限を行使できる。特定のゲームが適正年齢に合わないと指摘することもある。GRAは ビデオ規格委員会(VSC)のブランドである。VSCはビデオゲームの年齢レイティングに関する業務については、GRAとして活動を行う541
ビデオゲームの自主規制機関 イギリスインタラクティブ・エンターテイメント協会 (The association for UK Interactive Entertainment :UKIE 542 ビデオゲームとインタラクティブ・エンターテイメント業界の団体組織。大手ゲーム機メーカー、任天堂、Microsoft、SONYがメンバーであり、UKIEはイギリスのゲーム業界の97%を占める。現在全てのゲーム機には自主規制によるペアレンタル・コントロールの義務付けがなされている543
ビデオ及びダウンロードできる放送番組における監督機関 オンデマンドテレビ規制局 (ATVOD 544 通信法によりオンデマンド番組サービス(On-Demand Programme Services:ODPS)と呼ばれるインターネットで視聴するテレビ番組サービスの監督を行う機関としてOfcomにより任命されている。
配信会社はATVODにODPS登録を義務付けられている。ATVODによりビデオ・オン・ディマンサービスにおいて障害や青少年の育成に有害な内容については年齢等の規制がある。例えば、R18と同等な性的コンテンツの番組は視聴者が18歳以上である証明を求められる場合がある。イギリス内で配信されるビデオオンデマンドは事前登録によりどのプラットフォームでの制作も可能であるが、ODPSはAVMS指令に基づく最低基準を満たさなければならない。ATVODは承認されたODPS(例えば成人向けコンテンツや障害差別等のコンテンツでない)においては暴力的コンテンツを規制する規則はない545
ミュージックビデオのレイティング制度 イギリス録音音楽業界(British Phonographic Industry:BPI) ペアレンタル・アドバイザリー制度(Parental Advisory Scheme:PAS)
BPIにより運営されている自主規制制度で1995年から適用されている。BPIはイギリスの録音業界を代表する業界団体で1971年に、ワーナー・ミュージック、ソニー・ミュージックエンタテイメント、ユニバーサル・ミュージックグループ等大手3社を含む300以上の音楽会社がメンバーとなっており、イギリスでの音楽業界の85%を占める546
広告監督機関 広告基準局(Advertising Standards Authority) イギリス広告行動規範(UK Advertising Codes)に基づいて国内の全ての広告内容を審査する。行動規範は2種類あり、販売促進・ダイレクトマーケティング・広告実践放送委員会(Sales Promotion and Direct Marketing and Broadcast Committee of Advertising Practice:BCAP)と広告実践委員会(Committee of Advertising Practic)により作成されている。放送以外の広告の自主規制と放送される広告の自主及びOfcomの監督下で法に基づく規制を行なっている547
表 71 レイティング・ゾーニングの団体名と運用状況
団体名 運用状況
汎欧州ゲーム情報
(PEGI)

2013年年間報告548によると年齢、内容及びレイティング別の統計件数は以下となる。また、オンライン・ホットラインによる質問・苦情件数も報告されている。

ゲームのレイティングにおいては2009年から件数が年々減少している。

表 72 ゲームのレイティング分類件数(2009年~2013年)
2009 2010 2011 2012 2013
件数 2,750 2,538 2,214 1,813 1,542

適正年齢別においては年齢が上がるごとに分類件数が減る傾向がある。

表 73 適正年齢別レイティング分類統計(2013年)
年齢 3 7 12 16 18 合計
件数 471 371 326 225 149 1,542

内容別でもっとも多い件数は「暴力」。また、7歳未満においては「恐怖」の項目が入る。

表 74 内容別年齢別分類統計(件数)(2013年)
内容 3歳 7歳 12歳 16歳 18歳 合計
暴力 294 262 211 149 916
オンライン 110 58 111 94 85 458
暴言 / / 171 59 110 340
恐怖 / 159 / / / 159
性行為 / / 41 11 3 55
ギャンブル / / 7 3 13 23
薬物 / / 11 0 11
差別 / / / / 0 0

注)361ゲームはPEGI3として内容描写なく分類されている。

オンライン・ホットラインによる質問・苦情件数は、レイティングへの質問・苦情も合わせて約200件となる。

表 75 オンライン/ホットラインによる質問/苦情件数(2013年)
レイティングの苦情 74
広告の苦情 4
PEGIの情報を求める 479
PEGIシステムのコメント 26
レイティングの質問/苦情 132
pegionline.euによる苦情 89
その他 155
技術的な問題 192
合計 1,151

(出典:PEGI)

全英映像等級審査機構
(BBFC)
BBFC 2013年年間報告書によるとBBFCが2013年に行なった児童保護におけるオンラインビデオの分類件数は歴史的に最大という。オンライン配給による映画・ビデオの自主規制に基づく分類件数は前年の3倍となった。2013年にはNetfl ix、Disney、Playboy 、Universal Musicを含める.新しい34社がコンテンツのレイティングを自主的に求めた。
プラットフォームでのBBFC レイティングの適応にiTunes, Samsung, FindAnyFilm.com, Kaleidescape, ionsgate, Thehorrorshow.tv, VD.IO, Wuaki, Film 4OD, EE store, Virgin Media, BFI,Ultravioletが加わった上、2013年にはBBFCレイティングの最初の成人コンテンツの配給会社としてJoybearが参加した。
イタリア、オランダ、アイルランドのレイティング会社と連携してアップロードされたビデオあるいはクラウドを使用している利用者制作コンテンツ(User Generated Contents)の適正年齢レイティングを行い始めた。
2013年9月から携帯電話でのオンラインコンテンツのレイティング機関に指定された549
ゲームレイティング局
(GRA)
GRAの運用状況は、PEGIの統計に含まれる550
オンデマンドテレビ規制局(ATVOD) ATVODの2012・13年での運用状況は以下のとおりである551
2012-13年での登録数:206件
違反捜査数;1,095件
ODPS捜査件数:492件
結果:閉鎖件数:354件
コンテンツ通報件数:690件(ODPS登録者:17件、未登録者:85件)
解決結果:30日以内の閉鎖(軽度なケース)610/610件(Ofcomターゲット達成率:100%)60日以内の閉鎖(複雑なケース)50/80件(Ofcomターゲット達成率:62.5%)
サービス事業者への通報:343件
閉鎖:248件
年度末に捜査中/未解決件数:59件/99件
2011年~2012年からの繰越件数:6件、2012年~2013年の新規申請件数:3件
*Ofcomターゲット達成率とはATVODが捜査解決において30日ないし60日以内に解決を求められているケース数と実際にその期間内に解決した件数となる。
広告基準局 2012年に18,990の広告について31,298件の苦情を処理した。苦情処理のみならず自主的に広告の審査を行い1年に3,700件の変更あるいは撤去となった552

(出典:NSPCC, IWF, CEOP等から作成)

2014年8月14日、BBFCのレイティング制度を導入したオンライン上の音楽ビデオのレイティング制度が、2014年10月から3ヶ月間パイロットとして行うことが発表された。このパイロットは、ソニー、ワーナー・ミュージック、ユニバーサルの音楽業界大手三社によって行われる。この三社の配信する音楽ビデオは、映像・ビデオのレイティングと同じ審査階級により分類される。適正年齢ラベルによって分類されるコンテンツは「ペアレンタル・アドバイザリー」通報システムを伴い、保護者及び利用者がコンテンツ閲覧の選択をできるようなシステムが導入される553

(4) ウェブサイト運営者に対するガイドライン
ア ウェブサイト運営者に対するガイドラインの有無
表 76 インターネットに関する事業者及び運営者のガイドライン
項目 ガイドライン 内容 策定機関
ISPのガイドライン SP協会の行動規範(ISPA Code of Practice 554 ISP協会(Internet Service Providers’ Association:ISPA)は行動規範を1999年より発行しており、ISPAのメンバーはこれに準拠することが求められる。この行動規範は定期的に更新されて現在の規範は2007年に更新されている。
「児童虐待画像や暴力、残虐行為、人種差別を助長するコンテンツをサービスや販促物に含めないこと」等の1978年児童保護法第1条の規制に基づいた青少年の保護項目が含まれる。
ISPA
チャット、インスタントメッセージ、インターネット接続コンテンツ&ホスティングのガイドライン 青少年のインタラクティブサービスのモデレーションのためのガイドライン(Good practice guidance for the moderation of interactive services for children 555 サービスプロバイダーに最善実施例の枠組みを示し、ユーザーにより良いより安全なサービスが提供できるようにすること、子供やその他のユーザーが、より確かな情報に基づいた決定ができるようにすること、情報を明確で分かりやすいものとすること、提供されているサービスに一般市民が信頼を置けるようにすることが含まれる。このガイドラインは2010年に更新された。 UKCCIS
検索サービス事業者のガイドライン 検索サービス事業者の事例集(Good practice guidance for the providers of search556 IWFを含める内務省児童保護作業部会により2005年12月に発行された。検索エンジンの技術及び検索エンジンの子供の利用による危険性の理解共有を目的として作成された。また、検索エンジン事業者のために児童保護においてのガイダンス及びユーザーへの安全な検索方法のアドバイスを行なっている。2010年に更新された。 UKCCIS
インターネットに関する事業者のガイドライン 子供のインターネット安全利用アドバイス1.0 提供者のガイドライン(Advice on child internet safety 1.0 Universal guidelines for providers557 ISP、コンテンツ提供者、アプリ提供者、SNS事業者、機器製造業者、販売店に対するガイドライン UKCCIS
ペアレンタル・コントロールにおけるガイドライン ペアレンタル・コントロールにおける行動規範(Code of Practice on Parental Controls 558 2011年10月に発行された。ISPのBT, TalkTalk, Virgin Media , Skyと交わされた行動規範。ペアレンタル・コントロールのアクティブ選択の普及及び子供のインターネット安全利用おける保護者の教育、UKCCISへの新技術の情報提供等が含まれている。 UKCCIS
携帯電話でのインターネットのガイドライン 携帯電話業界の行動規範 (UK code of practice for self-regulation of new forms of controls by mobile 559 2004年に発行された。EE(Orang、 T-Mobile)、O2、Three、 Vodafone の大手4社により形成されている(Mobile Broadband Group:以下「MBG」)による自主規制の行動規範。携帯電話の有害コンテンツに対する青少年保護の責任を含んでいる。独立モバイル格付け団体(Independent Mobile Classification Body: 以下「IMCB」)を指定して18歳未満にふさわしいくない商業コンテンツのフレームワークの作成を要求している。また、携帯電話においてフィルタリングの自動設定を規定している。2009年6月に更新されて、上記4社以外にVirgin Mediaも加わった 。 MBG
携帯電話で視聴されるコンテンツのレイティングガイドライン MCB Guide and Classification Framework 561 IMCBにより作成されたが、現在はBBFCがIMCBに代わり見直し、更新を行なっている。商業的目的のコンテンツの適正年齢分類の定義の設定及び18歳未満に有害なコンテンツを規定している。適正年齢分類の定義においてはBBFCの規格と同様になっている。 IMCB
ビデオゲーム及びインタラクティブ・エンターテイメント業界のガイドライン ビデオゲーム業界:親と子供に対する責任ある規範(The Video games industry - A responsible attitude towards parents and children) 2011年発行。Microsoft等ゲーム機メーカーがメンバーになっているイギリスインタラクティブ・エンタテイメント協会 (Association for UK Interactive Entertainment:以下「UKIE」)の自主規制の行動指針。ゲーム機におけるペアレンタル・コントロールの搭載が義務付けされている。 UKIE
イ ウェブサイト運営者とコンテンツ掲載者、フィルタリング提供事業者等に対する係争処理方法(民事紛争事例の有無、紛争の場合の係争処理の担当官庁)

(a) フィルタリング提供事業者に対する係争処理方法

通信法により、インターネット、携帯電話を含む通信事業者との係争処理は、監督機関であるOfcomが行っており、Ofcomは、係争処理ガイドラインを2011年に発行している562。Ofcomは利用者の苦情受付窓口として、まず、通信事業者へ対応を求めることを最初に行うことを消費者に対してアドバイスしている。また、事業者がISP協会のメンバーの場合は協会に問い合わせをおこなうことができる。あるいは裁判外紛争解決(Alternative Dispute Resolution:ADR)のしくみによって認定係争処理機関に申し立てをすることも可能である。Ofcomは監督機関であるが、実際の係争処理は、これら事業者・協会・認定機関によって行われる563

(b) 裁判外紛争解決(ADR)による係争処理

直接ISPでの係争処理がうまく行かなかった場合は、Ofcomは消費者に無料で利用できるADRを活用した苦情の申し立てを行うようにアドバイスしている。Ofcomの認定しているADRの機関は、以下の2つで、ISPはこのどちらかのADRのメンバーであることを義務付けられている。

1オンブズマンサービスコミュニケーション(www.ombudsman-services.org/communications.html)
2通信インターネット・サービス(CISAS: www.cisas.org.uk/)

フィルタリング提供事業者に対する係争処理方法は以下の手順で行われる。

図 150 フィルタリング提供事業者に関する係争処理手順564

(c) オーバーブロッキングによるISPへの紛争事例

オーバーブロッキングによるISPへの民事紛争事例として、Sky社に対するオーバーブロッキングがある。

Sky社は、ペアレンタル・コントロールによるポルノのコンテンツをブロッキングするフィルタリングのサービスを提供しているが、これによりトレント・フリーク(TorrentFreak)等のニュースウェブサイトや、規制対象外のコンテンツもブロッキングされているとトレント・フリーク社から苦情が申し立てられた。 トレント・フリーク等ファイルシェアウェブサイトは、Sky社の「スカイ・ブロードバンド・シールド(Sky Broadband Shield)」でブロッキングされるよう設定されていたが、このオーバーブロッキングに対し、Sky社は、このニュースウェブサイトをフィルタリングの対象外に設定しなおしたと発表した565

コンテンツ掲載者からISPへのカテゴリーに対する苦情の処理方法として、四大ISP(BT社、Sky社、Talktalk社、Virgin Media社)の対応方法及び取扱件数は以下のとおりである。

表 77 ブロッキング及びカテゴリーの分類に関する苦情566
ISP BT Sky TalkTalk Virgin Media
苦情申し立ての方法 e-mailによる
categorisation@bt.com
e-mail によるcrsupport@bskyb.com 又はブロッキングページからのリンクボタン e-mailによる Homesafe.classification@talktakplc.com あるいはマイ・アカウント(My Account) のブロッキングページからのリンクボタンを利用 オンラインウェッブページから
処理時間の目安 72時間 24-48時間 5日
実際は48時間以内に処理される。
1週間
処理方法 BTの第3者事業者によってカテゴリーの見直しが行われる。再分類が必要な場合は第3者事業者が行い、BTはその旨を申し立てた者に返答する。 第3者事業者によってカテゴリーの見直しが行われる。 社内のインターネットセキュリティチームによって見直しされウェッブ安全機能フォーラムへ送られる。フォーラムは週ベースで行われ、これにより判断が決定して、ブラックリストあるいはホワイトリストに加えられる。

(Ofcom報告書から作成)

(d) コンテンツ掲載者に対する係争処理方法

コンテンツ掲載者に対する苦情の担当はIWFであるが、個人情報に関しては、ICO(情報コミッショナー事務局)が対応する。

民事紛争事例: リベンジポルノのキャンペーン団体「End Revenge Porn」は、被害者の写真を掲載していたウェブサイト(myex.com)に対してコンテンツの削除の要求を行なった。

(e) ICOによる係争処理方法567

個人情報保護の監督機関であるICOは、メール、携帯メールのメッセージ、電話における広告等の迷惑コールやスパム等の苦情並びにインターネットブラウザー上で利用される利用者の情報が保持されるCookies等の苦情を取り扱っている。

図 151 ICOによる係争処理手順

(f) 携帯電話でのフィルタリング提供事業者に対する係争処理方法

民事紛争事例:O2社のペアレンタル・コントロールのオーバーブロッキングに対して、オープン・ライツ・グループ(Open Rights Group)から苦情が申し立てられた 。Open Rights Groupは、BBFCとミーティングを行い、携帯電話でのオーバーブロッキングにおいて、携帯電話事業者への申し立てで解決できない場合は、BBFCの係争処理方法にて対応がされることとなっている。ただし、BBFCは、これら携帯電話事業者のフィルタリングの監督機関ではないため、オーバーブロッキングの係争解決おいては各事業者の対応次第となる。

図 152 携帯電話でのフィルタリング提供事業者に対する係争処理方法

(g) オンラインビデオレイティング機関BBFCによる係争事例

2013年9月に携帯電話上のオンラインコンテンツの自主規制レイティング機関に指名されたBBFCは、同年9月から12月までの間に6件のオーバーブロッキングの苦情を受けた。BBFCは、6件中5件がオーバーブロッキングであったと認めた。ブロッキングの必要性を審査されたコンテンツは、ビン・ラディン一家(Bin Laden family)の性的要素を含んだコンテンツで、そのほとんどが青少年を対象としたジョークで、BBFCレイティングの15歳未満の分類に入ることから、成人コンテンツの規制を必要としないとBBFCは判断した。しかし、「レイプ・ギャラリー(Rape Gallery)」というタイトルで閲覧者にレイプのターゲットにしたい人物の画像及びコメントを求めるコンテンツでは、女性のレイプを提案する深刻な問題につながるとして、これを18歳以上の分類あるいは、分類そのものを拒否するケースと判断した。その後、コンテンツ所有者はこのコンテンツをインターネットから削除した569

(5) 青少年に対して危険性があるインターネット上の情報についての相談や苦情受付(窓口)等
ア 関連するニュース、トピック

(a) ISPの係争処理期間

2011年よりOfcomは、ISPへの係争処理の取り決めを厳しくした。ISPは、係争処理の手順について請求書に記載することと、8週間以内に処理ができない場合は、他の機関への苦情の申し立て権利があることを紙面にて消費者に通知の必要がある。ADRへの申込みは、ISPへ苦情申し立て後、8週間以上経過してからでないと申し立てはできないが、事業者から「Deadlock letter 570」を受け取った場合は8週間以内でも申請できる。ISPAはメンバーに苦情処理を10日以内に行うことを勧めている571

(b) ISPとの係争処理の動向

消費者からADRへの苦情申し立ては無料であるが、ISPはADRに一定額の拠出金及び紛争処理費用を支払わなければならい。また、消費者によるADRシステムの乱雑な使用を懸念して、ISPはOfcomに対して、ADRのしくみの有料化を訴えている572

苦情処理の情報について、BT社及びTalktalk社は、情報の公開及び共有の予定はないとするが、これらISPは、携帯電話網事業のような共通した行動規範を求める動きと共に、苦情情報の共有・発表を求めるUKCCISのオーバーブロッキングに関するワーキンググループのメンバーである。コンテンツのカテゴリーについて、Sky社はコンテンツ見直しについての他者との協力予定はないが、Virgin Media社はこの方針に協力的である573

(c) SNSサイトの係争問題

Facebookに対して、個人情報の扱いにおいてヨーロッパ指令に反しているという反対団体による抗議が行われ、2011年にはアイルランドのデータ保護コミッショナーによりFacebookの個人情報における企業指針の報告書を発表すると共に、2012年に公的見直しを行うと発表した574。反対団体によるFacebookによる個人情報の違反とした項目は以下のとおりである。

  • グラフ検察:利用者にSNS上の他のメンバーの活動を検索させる機能
  • 外部ウェブサイトトラッキング:「いいね(Like)ボタン」を押したメンバーを第三者のウェブサイトがモニターすること
  • ビッグデータ分析:ウェブサイト内の利用者によるインターラクションをデータ所持できる能力
イ 相談、苦情の傾向

(a) 有害コンテンツに関する相談・苦情の傾向

青少年に有害とされるウェブサイトに関して警察への相談の傾向は大幅に増えている。CEOPによると、通報された性的児童虐待の画像数は、2012年には前年の2倍の70,000件となった575

(b) ISPへの苦情の傾向

ISPは、消費者からの苦情窓口及び苦情処理について、明確にすることを政府及び監督機関から求められている。また、Facebook、Twitter等のコンテンツ掲載者も消費者が苦情を直接申し立てらるようなシステムを導入している。2010年から2013年の間に、ISPのBT社、Sky社、Talktalk社、Virgin Media社の四社に対しての苦情数の推移をみると、2013年には34%と2012年の29%から増加している。

図 153 4大ISPへの3ヶ月間における苦情数の推移(2010年~2013年)(単位:%)576

(出典:Ofcom)

(c)オーバーブロッキングに対するISPへの苦情

Sky社は、ペアレンタル・コントロールによるポルノのコンテンツをブロッキングするフィルタリングのサービスを提供しているが、これによりトレント・フリーク(TorrentFreak)等のニュースウェブサイトや規制対象外のコンテンツもブロッキングされているとトレント・フリーク社による苦情が申し立てられた。ISPによるフィルタリングは、性教育及び性犯罪被害者の支援ウェブサイト等もブロッキングされてしまう。Sky社は、2013年11月から新しい契約者は成人向けコンテンツをを見たい場合はブロードバンドフィルターの設定を解除しないといけないように設定している。このオーバーブロッキングの苦情にに対し、Sky社はこのニュースウェブサイトをフィルタリングの対象外に設定しなおしたと発表した。

ウ 行政による受付窓口
表 78 行政関係のインターネット安全利用の受付窓口

CEOPセーフティーセンター
グルーミングや性犯罪等インターネット上の違法行為の通報先
http://ceop.police.uk/
相談者別にホームページ上ワンボタンで通報できるクリックCEOPウェブサイトを開設

(CEOPホームページ)

「Thinkuknow」ブログラム 児童及び保護者等へのインターネット安全利用についての情報ウェブサイトを運営している。

http://www.thinkuknow.co.uk/

不正報告センター(Action Fraud)
http://www.actionfraud.police.uk/
インターネット詐欺の通知機構
イギリス詐欺情報局 (National Fraud Intelligence Bureau)とロンドン市警察(City of London Police)により運営されている。
24時間体制のヘルプライン・チャットラインを設置している。

市民助言局(Citizens Advice Bureau )
http://www.adviceguide.org.uk/england/consumer_e/phones_tv_internet_and_computers_index_e.htm
地方自治体の全国ネットワークによる消費者アドバイスセンターでインターネット・テレビの苦情受付の情報を与えている。

(出典:UK Safer Internet Centre, チャンネル4)

エ 民間、団体による受付窓口
表 79 独立機関・民間団体による受付窓口
苦情通報

インターネット監視財団
有害・違法コンテンツの通報先として政府/警察/その他のチャリティー団体によって奨励されている。
www.iwf.org.uk/report

トゥルー・ビジョン
人種・宗教・障害等を含む差別や憎悪を表現するコンテンツの通報先
www.report-it.org.uk

ペアレンツ・ポート
印刷物、映画、広告、テレビ番組、ビデオゲーム等における青少年に不適切なメディアコンテンツの通報先
www.parentport.org.uk.
ホームページから苦情の通報・情報・意見・関係機関の情報検索ができる。

インホープ
http://www.inhope.org/gns/home.aspx
EC Safer Internet プログラムにより設立されたインターネット犯罪のホットラインをサポートする国際ネットワークの通報ウェブサイト
通報者の住む国を選択するとその国のINHOPEウェブサイトから通報できる。
児童の相談

チャイルドライン
NSPCCが開設した児童の問題に対する情報ウェブサイト
24時間体制のフリーヘルプラインを設けている。
オンライン上で相談できるチャットラインもある。
www.childline.org.uk
Zipitapp(ChilLineのアプリ) セックスティング防止のアプリも提供している。

ビート・ブリー カウンセラーとして訓練を受けた同年代の青少年及びボランティアがサイバーメンターズ(Cybermentors)となり11歳から17歳の青少年のいじめの相談を受けるオンラインシステム
www.beatbullying.org

ゲット・コネクティッド
25歳以下の青少年の相談を受けるヘルプライン及びチャットライン
www.getconnected.org.uk.

ゲット・セーフ・オンライン  https://www.getsafeonline.org/ 安全なインターネットの利用方法のアドバイス 詐欺等の対策方法等の情報を提供する。
Get Safe Online week:学校・政府機関と一緒に行う安全なオンライン利用法の全国キャンペーンを毎年開催している。

ガムケア
オンラインギャンブルについての相談
www.gamcare.org.uk
ヘルプライン・チャットラインを設けている。
保護者の相談

ファミリーライブス
家族生活をサポートするチャリティー団体による保護者へのヘルプライン
24時間体制で対応する。
チャットラインも設けている。 www.familylives.org.uk

キッズスケイプ
いじめ撲滅対策を行うチャリティー団体によるいじめをうけた子供と保護者へのヘルプライン
www.kidscape.org.uk/helpline/index.asp
子供に携わる仕事をしている者の相談

イギリス・インターネット安全性向上センター
インターネット安全利用の問題における児童に接する職業にいる専門家へのヘルプライン
helpline@saferinternet.org.uk
性的児童虐待に関する通報

ストップ・イット・ナウ
性的児童虐待の通報/相談窓口を開設している。アメリカの性的児童虐待のキャンペーンを行なっている「Stop it Now」のイングランド/アイルランド組織。
Lucy Faithfull Foundationの支援により運営している。 http://stopitnow.org.uk/ Lucy Faithfull Foundationは他にも性的児童虐待について保護者の教育ウェブサイトとして「 ペアレンツ・プロテクト(Parents Protect )」のウェブサイトを運営している。
http://www.parentsprotect.co.uk/about_us.htm

(出典:UK Safer Internet Centre577, 内閣府578