平成26年度アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアにおける青少年のインターネット環境整備状況等調査
平成27年3月 内閣府

第2部 調査の結果

第3章 カナダ

4 青少年のインターネット利用環境に関する保護者団体、民間団体及び事業者の取組み

(1) 行政によるインターネット利用環境の整備に対する支援策
ア 主要な関連公益法人並びに民間事業者

(a) 政府、州政府等

カナダ政府は、各種の関係部門、機関との連携を通じて、多面的なアプローチの利点を理解しており、各分野における防止、知識開発、利害関係者の関与に関するプログラムを開発してきた。これらのプログラムは、カナダ連邦警察(RCMP)、カナダ公衆衛生当局、全国犯罪防止センター(NCPC)、カナダ公安とカナダ裁判を通じて、又はこれらの支援を受けて運営されている。異なる分野間の連携の例として、RCMPのWITS(Walk Away, Ignore, Talk it Out, Seek Help- 立ち去る、無視する、話し合う、助けを求める)プログラムがある。同プログラムは、ビクトリア大学、PREVNet(Promoting Relationships and Eliminating Violence Network ? 関係促進と暴力排除ネットワーク)、ロック・ソリッド財団(ビクトリア州の犯罪防止非営利組織)の連携によって開発された。また、NCPCは、青少年の暴力に関して同センターが出資する数多くのプロジェクトを通じて、ネットいじめや、いじめの対策も行っている。例えば、教育に関しては、NCPCはいじめ対策の出版物を数多く作成してきた。また、連邦政府の補助金は、カナダ児童保護センターにおける教育プログラムを支援している。これらの部門や機関の多くはアウトリーチ活動にも参加しており、すべての利害関係者との相談や交流を確実に行えるようにしている。

多くの州と地域がいじめやネットいじめに対して、同様のアプローチを取っており、問題行動の原因へと焦点をあてる各種プログラムを通じて、この問題への対処が効果的にできることを理解している。例えば、2004年以降、マニトバ州は安全学校憲章を設定し、これは州の学校すべてに対して、学童をいじめ、虐待、差別、そしてその他の反社会的行動から守るための行動規範を要求するものである。

ブリティッシュコロンビア州は、ERASE(Expect Respect and a Safe Education ~ 尊敬と安全な教育を求める)対策を2012年に発表した。これは包括的かつ多角的なアプローチであり、学校におけるポジティブな精神衛生と健康を推進し、いじめや暴力的な行動を防ぐものである。ERASE対策の一環として、ブリティッシュコロンビア州は、2つのウェブサイトを発表しており、これらは教育と報告を目的としている753

オンタリオ州では、教育省が受容的な学校のための包括的行動計画を導入し、いじめやネットいじめの防止、インターネットの安全性の向上に取り組んでいる。これは受容的な学校法に加えて、専門家によるリソースのアドバイスや、市民の意識を高めるキャンペーンを支援する取組みを行うものである。オンタリオ州におけるネットいじめの防止及び対応に関しての取り組みとして、子供相談電話(Kids Help Phone)、サイバー警察(CyberCops) 、ユース・コネクテッド(Youth Connected)といった教育又は学校ベースのプログラムが含まれている。

ノバスコシア州は、新たなプログラムを2つ発表した。「スピークアップ ~ いじめとネットいじめ行動対策計画(Speak Up, An Action Plan to Address Bullying and Cyberbullying Behaviour)」は、包括的な活動で、社会学的な観点からいじめの問題に取り組んでいる。また、「学校プログラムにおける修復アプローチ(Restorative Approaches In Schools Program:RAISP)」は、学校で起こるいじめを対象とし、学童、教師、事務員、保護者を含む、学校システムの参加者間の関係を強化することを目標にしている。

以上のプログラムは、ネットいじめといじめに関してこれらの州が行っているイニシアティブの一例でしかない。その他の州でも同様の方法でこの問題に対応している。

2006年5月、アルバータ州児童サービスは、子供への啓蒙活動等のためにウェブサイト(www.weron2u.ca)を開始した。これは、子供や青少年に、犯罪者の手口に関する情報、安全のヒント、友達同士の観点で書かれた物語を提供し、彼らがオンライン上での安全を守る力を与えるためのものである。

更に、アルバータ州児童サービスは、別のウェブサイト(www.badguypatrol.ca)も開設し、5歳~10歳の子供たちに、インターネットを安全に利用するための情報や対策を提供している。

アルバータ州政府は、アルバータ州青少年イニシアティブ(ACYI)を通じて、ウェブサイト(www.getwebwise.ca)を制作した。同ウェブサイトは、保護者や青少年がインターネットを安全にする方法を学ぶ手助けをすることを目的としている。

カルガリー警察サービスは、そのウェブサイト(www.calgarypolice.ca)内にインターネットの安全ページを導入した。このページは、個人や家庭に対してオンライン上の安全を確保する方法を提供している。

エドモントン警察サービスのウェブサイト(www.edmontonpolice.ca)は教育的なウェブサイトへのリンクを提供している。例えば、インターネットを通じた青少年に対する性犯罪に関する、双方向的な教育プログラムであるウェブサイト(www.kidsinth

eknow.ca)などへのリンクである。。これは、カナダにおける子供の被害を減らすためのプログラムやサービスの提供を目的とする非営利団体、カナダ児童保護センターによって作成されており、同センターウェブサイトの目的は、青少年の個人的な安全を強化し、彼らが性犯罪にさらされる危険性を減少することである。

また、エドモントン警察サービスのウェブサイトは、エドモントン性的暴力センターへのリンク(www.sace.ab.ca)も提供している。同センターは、青少年を巻き込むオンライン上の性犯罪を特定、報告する方法に関する教育的な資料を配布している。

エドモントン性的暴力センターは、性的暴力の被害にあった青少年へカウンセリングを提供し、この問題に関して、一般市民に合わせたプレゼンテーションも行っている。エドモントンのゼブラ児童保護センターのウェブサイト(www.zebracentre.ca)は、青少年や、加害者ではない両親、保護者に向けて、必要不可欠な社会、医療、精神衛生サービス及びサポートを提供している。これらのウェブサイトではオンライン上での性犯罪による被害を受けた青少年に関する特定の対策は紹介されていないが、これらの被害者にとっても、その他の形態の性犯罪による被害を受けた青少年向けのサービスは有益だと思われる。

アルバータ州総合児童被搾取(AICP)チーム754は、複数機関による調査チームである。これには、アルバータ州、RCMP、エドモントン、カルガリー、メディシンハット、レスブリッジの地方警察サービスが参加している。同チームは、アルバータ州法執行応答チーム(ALERT)に統合されたイニシアティブの一部として、アルバータ州の検察及び公安によって結成された。AICPチームの使命は、アルバータ州の子供たちを守ることであり、総合警察活動モデルと協調的な手法を用いて、インターネット上の性的犯罪を調査する。AICPユニットの2つの主な目的は、青少年をセックスに利用するためにチャットルームを徘徊する個人を発見、調査、逮捕すること、そして、児童ポルノの取引を行っている個人を発見、調査、逮捕することである。

(2) 関連公益法人並びに民間企業における青少年、その保護者及びその他一般に対する教育・啓発活動
ア 青少年のインターネット利用環境の整備に関する取組み

前項で記述したように、このテーマに関して、子供や両親を教育する非政府組織はかなり多い。また、取組みの数は常に増え続けており、次項のような取組み等が実施されている。

(a) 具体的な取組み例(活動事例と評価指標・効果測定)

■ 保護者団体によるインターネット利用環境の整備に関する取組み

子供たちが遊ぶべきではないゲーム(Games Adolescents Should’t Play:GASP755 )GASPは、国際的な非営利組織であり、窒息ゲームを終結させることを目的に設立され、その他の団体と提携をして活動を行っている。

図 198 GASP: Games Adolescents Shouldn’t Play

(出典:同ウェブ)

(b) 民間団体によるインターネット利用環境の整備に関する取組み

■ カナダ・プライバシー・コミッショナー局 (Office of the Privacy Commissioner of Canada 756

啓発活動の一環として、以下のビデオ等を作成している。

図 199 自分を守るためにできる事(動画)

自分を守るためにできる事(動画キャプチャ)(再生はできません)

(出典:You Tube757

■ クライム・ストッパー(Crime Stoppers 758

民間による非営利の慈善団体で、犯罪との戦いにおいて、コミュニティの警察活動、メディア、コミュニティを連携させる役割を果たしている。この団体も児童のルアリング防止の啓発ビデオを作成している。

図 200 自分の勘を信じる事(動画)

自分の勘を信じる事(動画キャプチャ)(再生はできません)

(出典: You Tube759

■ いじめを止めよう(Stop a Bully)

動画Stop a Bully 760 (いじめを止めよう)は全国的なチャリティーであり、2009年にブリティッシュコロンビア州の教師によって開発されたカナダ全土に渡る、いじめ防止プログラムである。

図 201 いじめを止めよう(動画)

いじめを止めよう(動画キャプチャ)(再生はできません)

(出典: You Tube761

その他、「Stop a Bully」が作成しているビデオは、

http://www.stopabully.ca/anti-bullying-videos.htmlで閲覧できる。

■ 青少年の法的権利(Legal Rights -For Youth-

「アップする前に考えよう(The Think Before You Post campaign)」と称した啓発ビデオを作成し、You Tube等で公開している。

図 202 アップする前に考えよう(動画)

アップする前に考えよう(動画キャプチャ)(再生はできません)

(出典: You Tube762

多くの非営利団体では、独自の教育キャンペーンを製作まで行うことができない場合があるが、その代わりに、その他の世界的あるいはアメリカのプログラムによる動画を共有している場合もある。カナダのウェブサイトで紹介された動画の例としては以下の様なものがある。

■ コモンセンスメディアによる子供のためのルール(Facebook、YouTube, Texting: Rules of the Road for Kids by Common Sense Media 763

図 203 Facebook、YouTube, Texting: 子供のためのルール(動画)

子供のためのルール(動画キャプチャ)(再生はできません)

(出典: You Tube 764

■ ワイヤー・セーフティ765 によるネットいじめ動画

図 204 ネットいじめ(動画)

ネットいじめ(動画キャプチャ)(再生はできません)

(出典: You Tube 766

大学のプログラムの例として、デファイン・ライン(Define the Line 767 )は、マギル大学に拠点をおく研究プログラムであり、過去10年間でネットいじめに関する研究分野を開拓した世界的な専門家のシャヒーン・シャリフ博士によって指揮されている。同ウェブサイト研究プロジェクト(Facebook, SSHRC)及びアウトリーチ活動を通じて、政策決定、教育、法律に焦点をあてつつ、ネットいじめとデジタルシチズンシップの間の曖昧な点を明確にする活動等を行っている。

■ テック・アディクション(TechAddiction.ca 768

テック・アディクション(TechAddiction.ca)は、テレビゲームやインターネット中毒の治療を専門とするノバスコシア州ハリファックスの臨床心理学者ブレント・コンラッド博士によって運営されている。

図 205 TechAddiction.ca

(出典:同ウェブ)

■ いじめを止めよう(STOP A BULLY 769

いじめを止めよう(STOP A BULLY)は、全国的なチャリティーで、2009年にブリティッシュコロンビア州の教師によって開発された、カナダ全土に渡るいじめ防止プログラムである。同プログラムは、いじめ及びネットいじめの被害者、目撃者の学童が、詳細を学校関係者へ安全に報告できるようにしている。

図 206 いじめを止めよう(STOP A BULLY)

(出典:同ウェブ)

■ ウェブ・アウエアー(Be Web Aware)

ウェブ・アウエアー(Be Web Aware)は、インターネットの安全性に関する全国的な二ヶ国語の公的教育プログラム。Media Smarts、BellとMicrosoft Canadaによって構想の策定、支援が行われた。このプログラムは、両親に情報提供し、子供たちが安全かつ賢明にオンラインで意思決定するのを支援できるようにするためのものである。それは全て、潜んでいるリスクを最小化しつつカナダの青少年がインターネットの機会からメリットを得られるように支援するための一部である。

Be Web Awareは、テレビ、ラジオ、印刷物、屋外及びこの包括的なウェブサイト上でのキャンペーンで構成されている。MNetが開発したこのウェブサイトには、両親が効果的に家庭でのインターネットの使用を管理できるようにする情報やツールが豊富である。2010年、Bellは再設計の資金を供給し、ウェブサイト(www.bewebaware.ca)の更新をした。

図 207 Be Web Aware

(出典:同ウェブ)

■ テイク・バック・ネット(Take Back the Net)

このウェブサイトは、家族がオンラインの安全性の問題等に対応するのを支援するためにMicrosoft Canadaによって開発され、親や子供たちが確信をもってネットにアクセスするのに役立つリソース、ツール、情報を提供している770

(c) 事業者の保護者向け普及啓発活動

子供に安全なインターネット環境を提供するのが多くのカナダ人の関心事であり、Microsoftが政府や市民と協力し、安全な情報共有へのソリューション提供や、それによるデジタル界の信頼向上に励んでいる理由でもある。児童ポルノの児童検出を支援するMicrosoftのPhotoDNA771のようなプログラムは具体的に子供の安全を対象にして、最も脆弱なカナダ人を守るカナダ法の執行に寄与している。

MicrosoftのPhotoDNAは、「最悪中の最悪」な子供の性的搾取の画像をインターネットから見つけて除去するのを支援する技術である。同社は、PhotoDNA技術を全米失踪・被搾取子供センター(NCMEC)に寄付し、当センターは、子供のポルノ画像がオンライン上で拡散するのを阻止するため、オンラインサービスプロバイダー用にPhotoDNAを基にしたプログラムを設定した。今後1年間、MicrosoftはNCMECと連携するが、Bing、OneDrive、Outlook.comのサービスへのPhotoDNAの段階的な投入を実施した。2011年の前半に、Facebook は、そのネットワーク上で使用するために、この技術の二次利用についてMicrosoftと合意した。そして、PhotoDNAは子供のオンラインポルノと戦うための業界標準となった。

(d) 教育機関におけるインターネット利用環境の整備に関する取組み

いじめを止めよう(Stop A Bully)は2009年にブリティッシュコロンビア州の教師たちが展開したいじめ防止のプログラムであり、いじめやネットいじめの犠牲者や証人になった生徒が、詳細を学校関係者に安全に報告できるようにするものである。

表 99  Stop A Bully 活動実績
事例の報告 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
/8月
小計 合計
2013/2014学期 17 18 29 11 25 17 18 22 30 11 4 202 522
2012/2013学期 8 16 30 12 17 17 12 17 15 8 1 153
2011/2012学期 5 10 16 17 11 22 5 12 9 7 5 119
2010/2011学期 0 2 5 3 6 5 3 8 8 2 0 42
2009/2010学期 3 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 6
新しく会員と
なった学校
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
/8月
小計 合計
2013/2014学期 9 12 20 7 13 15 6 3 3 1 4 93 229
2012/2013学期 6 7 11 6 12 17 10 7 3 4 5 88
2011/2012学期 3 6 3 4 2 4 1 1 2 1 2 29
2010/2011学期 1 1 6 1 0 0 2 1 1 2 1 16
2009/2010学期 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 3

(出典:Stop a Bully)

図 208 いじめに関しての報告相手(2009年5月から2013年7月)

(出典:Stop a Bully)

図 209 いじめに関しての報告元

(出典:Stop a Bully)

図 210 いじめに関しての報告元(性別)(2011年9月から2012年4月)

(出典:Stop a Bully)

図 211 いじめが発生した学年(2009年5月から2013年7月)

(出典:Stop a Bully)

図 212 いじめの報告数(2009年5月から2012年4月)

(出典:Stop a Bully)

(e) 官民連携による全国レベルでのインターネット利用環境の整備に関する取組み

ジャスティス・エデュケーション・ソサエティ(The Justice Education Society)は、 ブリティッシュコロンビア州政府と、パートナーの支援、出資によるプログラムの一例である772

同プログラムでは、50を超す出版物、28のウェブサイト、200以上の教育用ビデオを制作し、100万人を超すブリティッシュコロンビアの人々に彼らの地域の司法制度を紹介している。青少年達はこのウェブサイト(www.legalrightsforyouth.ca/)で、インターネット・ルアーリング(インターネットで性犯罪を目的として未成年とコミュケーションを取ること)、オンラインの安全性、サイバーいじめ等についての多数の情報を見つけることができるようになっている。

Justice Education Societyの主要な出資者は以下のとおり

■ カナダ国際開発局(Canadian International Development Agency)

カナダ国際開発局は、開発援助を統括する機関。貧困を減らし、より安全で公正かつ豊かな世界に貢献することを目的に、発展途上国において持続可能な開発を支援する使命を持っている。

■ バンクーバー市

バンクーバーのソーシャルプランニング部門は、地域のグループや他の市民部門と共に、活動し、市が直面している重要な社会問題に対応している。

■ ブリティッシュコロンビア法律財団(Law Foundation of BC)

ブリティッシュコロンビア法律財団(Law Foundation of BC)は、北米初の法的財団として1969年に設立された。非営利財団で、依頼人の資金の利息を受け取って分配するために法律によって創設された。その資金は、金融機関内にある法律家の共同出資信託口座内に保持されている。

■ 司法省

司法省は、2つの別々の異なる分野における法的サービスを担当している。すなわち、刑事事件に対する独立した起訴や政府に対する法的サービスの対応である。

■ 教育省

教育省は、統治、法律、政策、基準及び実績の監視から結果の報告までを含む説明責任の要求を通じて、K~12教育制度に対する指導や支援を行っている。

(f) 官民連携による地域レベルでのインターネット利用環境の整備に関する取組み

前述したCybertip.caは、結果を公表している唯一の官民セクタープログラムである。Cybertip.caは、1ヶ月に平均2,000以上の報告を受け、75,000ページを超える閲覧をされている。刑法(カナダ)に違反すると思われる事例に関するすべての報告は、調査のために法執行機関に送られる。

ほとんどの組織は、キャンペーンの影響度を測定しないが、Cybertip.caは取組みの結果を以下のように公表している。

■ 報告受理件数 12万件以上
■ 不正な環境から削除された子供の数 465人以上
■ 報告が受理され、法執行機関/児童福祉機関に転送された件数 28,000件以上/310件以上
■ 直接的な教育上の要求 8,500件以上
■ Cybertip.caへの報告に関連して法執行機関に逮捕された人数 437人以上
■ カナダ全国に配布された教材 1,000万個以上
■ Inhope member hotlineに転送された報告件数 2万件以上
■ 教育ウェブサイト・ページの閲覧数 18百万回以上
■ Cleanfeedに追加された個々のURL 19,500件以上
■ 保護された児童数は数え切れず

図 213 Results of Cybertip.ca

(出典:同ウェブ)

(g) 国際展開を進める企業(Facebook、Google、Twitter社等)によるインターネット利用環境の整備に関する取組み(行動理念、指標等)

2009年にFacebookは、カナダプライバシー委員会によるSNSの個人情報保護指針及び取り扱いに関する調査への対応として、新たな個人情報の保護対策を加え、その他の変更を実施することに合意した。プライバシー委員会の勧告を受け入れる同社の決定は、Facebookをカナダのプライバシー保護法の要件に調和させる前向きな一歩である。

以下に掲げる内容が、調査において挙げられた重要な問題とFacebookの対応の概要である。

■ 第三者のアプリケーション・デベロッパー

課題:ゲームやクイズといったFacebookのアプリケーションを制作する第三者のデベロッパーと個人情報を共有することは、深刻なプライバシーに関するリスクを生み出している。世界中の100万以上のデベロッパーに関して、委員会は、それらデベロッパーが、ユーザーのオンライン上の「友達」に関する情報と共に、個人情報にアクセスすることを効果的に制限する、適切な保護対策の欠如を懸念している。

対応:Facebookは、アプリケーションがアクセスを望む個人情報の各カテゴリーに対して、明示的な同意を取得するまで、あらゆるアプリケーションが情報にアクセスすることを防ぐ形で、アプリケーション・プラットフォームを改良することに合意した。この新たな許可モデルでは、アプリケーションを追加するユーザーは、アプリケーションが特定の情報カテゴリーへのアクセスを必要としていることを通知される。ユーザーは、どの情報カテゴリーにアプリケーションのアクセスを許可するかを、管理することができる。また、それがどのようにデータを使用するかを説明する、デベロッパーによる記述へのリンクが表示される。この変更は、重大な技術的変更を要する。プラットフォームを使用するデベロッパーはまた、彼らのアプリケーションを適応させる必要があり、Facebookは、すべてのプロセスを導入するのに1年かかると見込んでいる。

■ アカウントの無効化

課題:Facebookは、アカウントの無効化(個人情報はデジタル的に保持される)と、アカウントの消去(実際にFacebookサーバーから個人情報が消去される)との区別に関して、紛らわしい情報を提供している。また、Facebookサーバーは、情報保持指針を導入し、そこでは、アカウントを無効化したユーザーの個人情報が、合理的な期間の経過後、ウェブサイトのサーバーから消去されるべきである。

対応:Facebookは、ユーザーに対して、アカウントを無効化もしくは消去するオプションがあることを明確にすることに合意した。この区別は、Facebookのプライバシーポリシーで説明され、ユーザーは、無効化プロセスにおいて、消去するオプションに関する通知を受領する。情報保持指針を要求する一方で、委員会は再度問題を検証し、Facebookが提案している内容を考察した。委員会は、オプションに関する明確性を提示し、明確な選択肢を提供し、混乱を軽減するというFacebookのアプローチは、それによってユーザーが自身の個人情報の取り扱い方法に関して、説明を受けた上で決断できるので、許容できると判断した。

■ 非ユーザーの個人情報

課題:Facebookは、ウェブサイトへの参加を招待された非ユーザーのプライバシーをもっと保護すべきである。

対応:Facebookは、利用規約の記述により多くの情報を含めることに合意した。Facebookは、その招待機能の成否を追跡するために電子メール(e-mail)アドレスを使用しないこと、この目的に別の電子メールアドレスのリストを保持しないことを確認した。

■ 死亡したユーザーのアカウント

課題:ユーザーが死亡した後に、「記念として」アカウントを残しておくための、有意義な同意を提供する、より良い方法が存在すべきである。そのようなものとして、Facebookは、死亡後のユーザーのプロフィールをオンライン上に残し、友人がコメントを投稿したり、感謝の意を伝えたりすることができるよう、個人情報保護指針において明確にすべきである。

対応:Facebookは、個人情報保護指針の文言を変更して、ユーザー死亡の際に何が起こるかを説明することに合意した。