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第1部 調査の概要

1.調査目的

平成21年4月1日から施行された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(いわゆる「青少年インターネット環境整備法」)において、18歳未満の青少年がインターネットへの接続に用いる携帯電話やパーソナルコンピュータ等を利用する際に、民間事業者にフィルタリングの提供などが義務付けられるとともに、保護者に対しては、その保護する青少年に適切にインターネットを利用させる責務などが課されている。

本調査は、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備を推進するため、平成21年度~平成28年度に引き続き、青少年及びその保護者を対象として、情報モラル教育の認知度、フィルタリングの利用度等を調査し、青少年インターネット環境整備法の実施状況を検証するとともに、青少年のインターネット利用環境整備に関する基礎データを得ることを目的として実施する。なお、本年度は、平成23年度~平成28年度に引き続き、統計法(平成19年法律第53号)第19条第1項に基づく一般統計調査として実施した。

2.調査項目

〔青少年調査〕

  1. (1)インターネット接続機器の利用状況
  2. (2)その他

〔保護者調査〕

  1. (1)保護者のインターネット接続機器の利用状況
  2. (2)子供のインターネット接続機器の利用状況
  3. (3)インターネットに関する保護者の認識

3.調査設計

(1)調査地域

日本全国

(2)調査対象者及び標本数

  1. ア 青少年調査
    平成29年11月1日現在で、満10歳から満17歳までの青少年 5,000 人
  2. イ 保護者調査
    上記アの青少年の同居の保護者 5,000 人

(3)調査方法

  1. ア 青少年調査
    原則として、調査員による個別面接聴取法で調査を実施。
    但し、調査協力を得られたものの訪問時間等が合わない場合には、WEB調査法を併用。
  2. イ 保護者調査
    原則として、調査員による訪問配布訪問回収法で調査を実施。
    但し、調査協力を得られたものの訪問時間等が合わない場合には、WEB調査法 及び 郵送回収法を併用。

(4)調査期間

平成29年11月3日~12月3日

(5)標本抽出方法

層化二段無作為抽出法

〔層化〕

1.全国の市町村を、都道府県を単位として次の11地区に分類した。

(地区)
北海道地区= 北海道 (1道)
東北地区= 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 (6県)
関東地区= 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 (1都6県)
北陸地区= 新潟県、富山県、石川県、福井県 (4県)
東山地区= 山梨県、長野県、岐阜県 (3県)
東海地区= 静岡県、愛知県、三重県 (3県)
近畿地区= 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 (2府4県)
中国地区= 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 (5県)
四国地区= 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 (4県)
北九州地区= 福岡県、佐賀県、長崎県、大分県 (4県)
南九州地区= 熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 (4県)

2.各地区においては、さらに都市規模によって次のように14分類しそれぞれ第1次層として、計53層とした。

  • 大都市(各都市ごとに分類)
    (「東京都区部」、「札幌市」、「仙台市」、「さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市」、「新潟市」、「静岡市、浜松市、名古屋市」、「京都市、大阪市、堺市、神戸市」、「広島市、岡山市」、「北九州市、福岡市」、「熊本市」)
  • 人口20万人以上の都市
  • 人口10万人以上の都市
  • 人口10万人未満の都市
  • 郡部(町村)

(注)ここでいう都市とは、平成29年1月1日現在市制施行の地域である。
また、人口による都市規模の分類は、住民基本台帳に基づく平成29年1月1日現在の人口による。

〔標本数の配分及び調査地点数の決定〕

地区・都市規模別各層における推定母集団数(平成29年1月1日現在の10歳から17歳までの人口)の大きさにより250地点を比例配分し、各調査地点の標本数を20とした。

〔抽出〕

1.第1次抽出単位となる調査地点として、平成22年度国勢調査時に設定された調査区を使用した。

2.調査地点(大字・町丁目)の抽出は、調査地点数が2地点以上割り当てられた層については、

抽出間隔 イコール 層における当該推定母集団人口(計) 割る 層で算出された調査地点数

を算出し、等間隔抽出法によって抽出した。また、層内での調査地点数が1地点の場合には、乱数表により無作為に抽出した。

3.抽出に際しての各層内における大字・町丁目の配列順序は、平成29年1月1日時点での「全国地方公共団体コード」に従った。
※なお、上記の方法により抽出した調査地点において、平成23年3月11日に発生した東日本大震災及び平成28年4月14日に発生した熊本地震による被害が大きく調査が困難と判断された地点はなかった。

4.調査地点における対象者の抽出は、調査地点の範囲内で標本となる対象者が抽出できるように、

抽出間隔 イコール 調査地点における当該母集団人口 割る 調査地点抽出標本数

を算出し、住民基本台帳より等間隔抽出法によって抽出した。

〔結果〕

以上の抽出作業の結果得られた地区別標本数・調査地点数は次のとおりである。

地区別標本数・調査地点数 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

都市名 標本数 地点数 都市名 標本数 地点数
東京都区部 300 15 名古屋市 80 4
札幌市 60 3 京都市 40 2
仙台市 40 2 大阪市 100 5
さいたま市 40 2 堺市 20 1
千葉市 40 2 神戸市 60 3
横浜市 140 7 岡山市 40 2
川崎市 40 2 広島市 40 2
相模原市 20 1 北九州市 40 2
新潟市 40 2 福岡市 60 3
静岡市 40 2 熊本市 40 2
浜松市 20 1  

都市規模別・地区別標本数・調査地点数 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

地区 都市規模
大都市 人口20万人
以上の都市
人口10万人
以上の都市
人口10万人
未満の都市
郡部(町村)
標本数 地点数 標本数 地点数 標本数 地点数 標本数 地点数 標本数 地点数 標本数 地点数
北海道 60 3 20 1 40 2 40 2 40 2 200 10
東北 40 2 100 5 40 2 120 6 60 3 360 18
関東 580 29 400 20 300 15 240 12 80 4 1,600 80
北陸 40 2 60 3 20 1 80 4 20 1 220 11
東山 0 0 40 2 40 2 100 5 40 2 220 11
東海 140 7 120 6 120 6 120 6 40 2 540 27
近畿 220 11 260 13 120 6 180 9 40 2 820 41
中国 80 4 60 3 80 4 60 3 20 1 300 15
四国 0 0 60 3 20 1 40 2 20 1 140 7
北九州 100 5 60 3 40 2 100 5 40 2 340 17
南九州 40 2 60 3 40 2 80 4 40 2 260 13
1,300 65 1,240 62 860 43 1,160 58 440 22 5,000 250

4.回収結果

(1)有効回収数(率)

青少年調査
・調査員による個別面接聴取法
・WEB調査法
3,288人(65.8%)
3,166人(63.3%)
122人( 2.4%)
保護者調査
・調査員による訪問配布訪問回収法
・WEB調査法
・郵送回収法
3,469人(69.4%)
3,399人(68.0%)
44人( 0.9%)
26人( 0.5%)
青少年とその保護者ともに回収できた票 3,217組
  ※内訳小中高生と父母
小中高生以外と父母
父母以外
3,166組
16組
35組

(2)調査不能数

  1. ア 青少年調査1,712人(34.2%)
  2. イ 保護者調査1,531人(30.6%)

―不能内訳―

単位:人
  満10歳から満17歳
の青少年
保護者
転居 80 ( 1.6%) 77 ( 1.5%)
長期不在 96 ( 1.9%) 62 ( 1.2%)
一時不在 349 (7.0%) 304 (6.1%)
住所不明 60 ( 1.2%) 60 ( 1.2%)
拒否 1,084 (21.7%) 993 (19.9%)
その他(病気など) 43 ( 0.9%) 35 ( 0.7%)

5.調査実施機関

株式会社 日本リサーチセンター

6.有識者

本調査の企画及び分析は、次の有識者が行った。

〔有識者(五十音順)〕
生田 倫子(神奈川県立保健福祉大学 准教授)
国分 明男(一般財団法人インターネット協会 副理事長)
小豆川 裕子(常葉大学 准教授/株式会社NTTデータ 経営研究所 客員研究員)
西田 光昭(柏市教育委員会 教育専門アドバイザー)
藤川 大祐(千葉大学教育学部 教授)
 
※ 所属及び役職名は、平成30年1月末日時点のものである。

7.報告書を読む際の留意点

(1)Nは質問に対する回答者数で、100%が何人の回答に相当するかを示す比率算出の基数である。

(2)標本誤差は回答者数(N)と得られた結果の比率によって異なるが、単純任意抽出法(無作為抽出)を仮定した場合の誤差(95%は信頼できる誤差の範囲)は下表のとおりである。 標本誤差 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

各回答の比率\N 10%
(又は90%)
20%
(又は80%)
30%
(又は70%)
40%
(又は60%)
50%
2,500 ±1.2 ±1.6 ±1.8 ±1.9 ±2.0
2,000 ±1.3 ±1.8 ±2.0 ±2.1 ±2.2
1,000 ±1.9 ±2.5 ±2.8 ±3.0 ±3.1
500 ±2.6 ±3.5 ±4.0 ±4.3 ±4.4
100 ±5.9 ±7.8 ±9.0 ±9.6 ±9.8

なお、本調査のように層化二段抽出法による場合は標本誤差が若干増減することもある。また、誤差には調査員のミスや回答者の誤解などによる計算不能な非標本誤差もある。

(3)質問の種類を示す記号は次のとおりである。
(いくつでも):1人の回答者が2つ以上の回答をすることができる複数回答質問(Multiple Answer)である。複数回答質問の比率は回答数の合計を回答者数(N)で割った比率であり、通常その値は100%を超える。
〔回答票〕:回答の選択肢を列記した「回答票」を示して、その中から回答を選ばせる質問。

(4)結果数値(%)は表章単位未満を四捨五入してあるので、内訳の合計が計に一致しないこともある。

(5)統計表等に用いた符号は次のとおりである。
0.0:表章単位に満たないが、回答者がいるもの
- :回答者がいないもの

(6)本調査では在学中ではない人も含むため、「青少年調査」では「小学生」、「中学生」、「高校生」の合計値が「総数」に一致しない。
また、保護者調査では「小学生の保護者」、「中学生の保護者」、「高校生の保護者」の合計値が「総数」に一致しない。

(7)クロス集計の場合、分析軸の該当者が50人未満の場合は標本誤差が大きくなるため、原則として分析の対象からは除いている。

(8)青少年調査と保護者調査で実態を問う同じ質問があるが、両者の回答の不一致がある場合も、データの修正は行わずにそのまま集計している。

(9)本文中に引用されている平成21年度~平成28年度の調査結果は、それぞれ平成21年10月22日~11月8日、平成22年9月1日~9月20日、平成23年6月9日~6月26日、平成24年11月1日~11月11日、平成25年11月9日~12月8日、平成26年11月8日~12月7日、平成27年11月7日~12月6日、平成28年11月5日~12月11日に実施した「青少年のインターネット利用環境実態調査」による(標本数は、平成21年度・平成22年度が青少年と保護者各2,000人、平成23年度~平成25年度が青少年と保護者各3,000人、平成26年度・平成27年度・平成28年度が青少年と保護者各5,000人)。

(10)平成26年度~平成29年度の青少年調査の結果は、「調査員による個別面接聴取法(平成26年度3,385人、平成27年度3,367人、平成28年度3,176人、平成29年度3,166人)」及び「WEB調査法(平成26年度56人、平成27年度75人、平成28年度108人、平成29年度122人)」を合算した有効回収数(平成26年度3,441人、平成27年度3,442人、平成28年度3,284人、平成29年度3,288人)の調査結果で分析を行っている。同様に、平成26年度~平成29年度の保護者調査の結果は、「調査員による訪問配布訪問回収法(平成26年度3,587人、平成27年度3,589人、平成28年度3,452人、平成29年度3,399人)」及び「WEB調査法(平成26年度12人、平成27年度26人、平成28年度55人、平成29年度44人)」及び「郵送回収法(平成26年度38人、平成27年度26人、平成28年度34人、平成29年度26人)」を合算した有効回収数(平成26年度3,637人、平成27年度3,641人、平成28年度3,541人、平成29年度3,469人)の調査結果で分析を行っている。

8.集計表

青少年調査集計表及び保護者調査集計表は、内閣府のホームページに掲載している。
(URL)https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_list.html

9.回答者の基本属性

〔青少年調査〕

(1)性別 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
性別

(2)年齢 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
年齢

(3)学年 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
学年内訳
 学年内訳 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
学年

(4)在学・性別 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
在学・性別

(5)兄・姉の有無 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
兄・姉の有無

〔保護者調査〕

(1)子供との続柄 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
子供との続柄

(2)保護者の年齢 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
保護者の年齢

(3)子供との続柄・保護者の年齢 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
子供との続柄・保護者の年齢

(4)子供の性別 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
子供の性別

(5)子供の年齢 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
子供の年齢

(6)子供の学年 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
子供の学年

(7)兄・姉の有無 (CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
兄・姉の有無

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