SIP自動運転 2021年度東京臨海部実証実験の参加者を決定
~V2Nによる新たな交通環境情報の配信に向けて~


令和3年7月1日
科学技術・イノベーション推進事務局
プレスリリース

  SIP自動運転が2021年度から東京臨海副都心、首都高速等にて開始を予定しているV2N(※)による信号情報、気象情報、交通規制、道路交通情報等の生成、配信等に係る実証実験への実験参加者22機関を決定しました。また、併せて2019年10月から2020年度末まで実施した東京臨海部実証実験の成果を公表しました。

1.SIP自動運転の概要

  SIP第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」(以下「SIP自動運転」という。)では、自動運転を実用化し、普及拡大していくことにより交通事故の低減や交通渋滞の削減、交通制約者のモビリティの確保、物流・移動サービスのドライバー不足の改善・コスト低減などの社会的課題の解決を目指し、産学官共同で取り組むべき共通課題(協調領域)の研究開発を推進しています。

2.東京臨海部実証実験

  (1)2021年度の実証実験参加者の決定
  交通環境情報の更なる広範囲での利用促進に向けて、これまでに整備してきたインフラによる情報に加え、新たに公衆広域ネットワークを利用した交通環境情報を整備し、実証実験を行うこととしました。
  本年3月25日から5月6日まで、内外から実証実験への参加者の募集を行い、国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学等計22機関を実証実験参加者として決定しました(別紙1参照)。
  本実証実験では、車両プローブ情報を活用した車線別渋滞情報、交通規制情報、落下物情報、気象情報、模擬緊急車両情報、事故車に関する情報等の新たな交通環境情報を提供し、本年秋以降、実験環境が整い次第、順次実証実験を開始する予定です。

  (2)仮想空間による安全性評価環境の構築
  今後、東京臨海部実証実験のフィールドである臨海副都心地域を中心に仮想的な安全性評価環境を構築し、参加者を募集して、本年秋以降に実証実験を実施する予定です。

  (3)2020年度の東京臨海部における実証実験の成果報告書の公表
  SIP自動運転では、東京臨海部の一般道に信号情報提供用のITS無線路側機、高精度3次元地図等、首都高速道路に合流支援のためのセンサー等のインフラを整備し、国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学、ベンチャー等の参加を得て実証実験を実施してきました。
  本実証実験では、2019年10月の開始から2021年2月末までの走行期間の間に、実験参加者29機関が合計約6万5千キロメートルを走行し、実験データの収集、分析等を行い、インフラ導入による効果(メリット)の明確化、自動運転に必要なインフラの配置の在り方、インフラ及び自動運転車が道路交通に与える正負両面の影響等について整理をすすめ、本日その成果報告書を公表いたしました(別紙2参照)。

別紙1(PDF形式:8KB)PDFを別ウィンドウで開きます

別紙2(PDF形式:340KB)PDFを別ウィンドウで開きます

参考:SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)ホームページ別ウィンドウで開きます

実施地域毎の主な成果

  •   1.臨海副都心地域
    ・高精度3次元地図を整備するとともに、信号灯火色情報(現在の信号の色)、信号残秒数情報(次に信号の色が変わるタイミング)をITS無線路側機から提供し、一般道における信号情報の有効性を確認するとともに、一般の自動車、自動運転車、歩行者等が混在する実交通環境下における影響評価を実施 等
  •   2.羽田空港地域
    ・磁気マーカー、ITS無線路側機を活用した公共車両優先システム(PTPS:Public Transportation Priority Systems)及び信号情報提供環境、高精度3次元地図を整備し、自動運転バスのバス停への正着制御や、定時性(遅延の防止)、速達性(目的地までの平均所要時間の短縮)を検証 等
  •   3.羽田空港と臨海副都心等を結ぶ首都高速道路(一般道を含む)
    ・合流支援情報(本線の車両情報を合流車線の車両に提供)、ETCゲート開閉情報(見通しのきかない料金所の開閉情報)を配信するインフラを整備し、高速道路合流部における安全かつスムーズな走行を可能とすることを検証 等

3.関連する取組

  SIP自動運転では、社会的受容性の醸成を図る観点から、自動運転に係る法制度や研究成果に係るセミナーやイベントを実施しています。過去に実施したセミナー等についてもウェブ上で参照することができます。詳細はSIP自動運転のホームページを参照ください。

SIP自動運転ホームページ別ウィンドウで開きます

*V2N(Vehicle to Network):車とクラウドネットワーク間の通信のこと

問合せ先

SIP「自動運転(システムとサービスの拡張)」について
内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局
SIP自動運転担当(松本、荒木)
電話:03-6257-1334(直通)

NEDOについて
NEDO ロボット・AI部モビリティグル―プ(田中、伊藤、山代)
044-520-5247(直通)