個別苦情個票

ＯＴＯ番号	669	各省庁番号	財-2、厚労-11
受付日付	平成16年8月27日	受付省庁	内閣府
担当省庁	財務省、厚生労働省	関係法令	関税法、食品衛生法
苦情申立者	国内業者	輸入先	米国
事例名	通関時における検査実施基準の明確化等
処理内容	1．苦情の概要 (1)．アメリカからスモーカー（燻煙器）を輸入・通関する際、以前同種の製品を輸入したときと異なり、今回は検査が必要とされた。 (2)．検査貨物の倉庫からの出庫や検査場所への移動の費用は輸入者負担とされ、100万円の貨物で約２万３千円の出費となった。これら費用が輸入者負担となることは納得できない。また、税関に貨物の移動のための業者の紹介を依頼したところ1社だけを紹介された。検査を行うと一部業者が儲かり輸入者が不利になる仕組みになっているのではないか。 (3)．検査は税関職員が以前に見たことがないから必要とのことであったが、検査を行う場合上記のような費用がかかることでもあり、明確な基準を示してほしい。 (4)．また、輸入に当たっては、検疫所への届けが必要であるが、同所は通関場所から離れた所にあり不便であったので、関西空港のように税関の隣接地に出張所を作るべきである。各省庁に別々に届ける必要があるかどうかも含め、横の連携ができていないことは改善すべきである。 2.担当省から以下のとおり回答。（財務省からの回答）　関税等の適正な徴収、麻薬・けん銃等の社会悪物品の不正輸入の阻止などのため、税関は関税法第67条の規定に基づく輸入貨物の検査を必要に応じ行い、輸入申告の内容と現品との同一性の確認等を行っている。そして、検査を行うか否かの判断に当たっては、輸入申告された貨物について、その品名、価格、仕出国など申告された事項及び税関が随時入手する各種情報を総合的に判断したうえで決定している。また、その判断基準を明示することは検査回避を招き不正輸入の阻止などに支障を生じることとなることから実施していない。同種の貨物が輸入される場合についても毎回同じ取扱いになるとは限らない。　なお、貨物を輸入しようとする者は、上述の関税法第67条（輸出又は輸入の許可）の規定に基づき、輸入の許可を受けるにあたり、必要な検査を受ける義務を有している。このため、検査を受けるために必要な貨物を検査を受ける場所へ持ち込む等の費用については輸出入者が負担する必要がある。　税関職員が検査を受ける場所へ貨物を移動するための運送業者１社を紹介したことについては、輸入者が貨物の引き取りを急ぎ、紹介の依頼があったことから、その依頼に応じ行ったものであるが、その業者に依頼するかどうかは輸入者の判断しだいである。したがって、ご指摘のような「検査を行うと一部業者が儲かり輸入者が不利になる仕組み」はない。（厚生労働省からの回答）　食品衛生法の規定に基づき、販売または営業の目的で食品等を輸入しようとする者は、輸入のつど、厚生労働大臣に届け出なければならない。　食品等輸入届出については、①郵送による届出、②通関業者の代行による提出、③ＦＡＩＮＳ（輸入食品監視支援システム）による電子申請により届出が可能であり、輸入者が直接検疫所の窓口へ出向く必要はない。　また、事前届出制度として、貨物到着７日前から届出を受け付けており、そのうち食品等輸入届出の手続において検査を要しないもので食品衛生上の問題を生じるおそれのない貨物については、搬入前に届出済証を交付している。このため、本件のような燻煙器の継続輸入であれば、貨物の到着前に郵送によるやりとりにより、事前に届出を済ませ、届出済証を交付した届出書の控えを入手しておくことも可能である。　さらに、財務省、厚生労働省等による輸入手続関連省庁間連絡ネットワークという連絡体制があり、輸入者等からの依頼により検疫所の食品等輸入届出窓口から輸入申告が行われている税関官署に対し届出済証を交付した届出書の控えを直接ファクシミリ送信することにより輸入手続の迅速化を図る対応も行っている。
処理分類	Cc	検討の方向	①－イ
備考	財務省：平成16年9月3日付け文書にて回答。厚生労働省：平成16年9月13日付け文書にて回答。

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