5 社会保障制度に関する事項

(1) 社会保障給付と負担(Q28)

 少子高齢化が進む中で、今後の社会保障制度を維持するための方法として、「どのような負担増や給付の調整に賛成か」尋ねてみると、総数では「必要な増税や社会保険料の負担増を積極的に行うべき」が 4.7%、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」が 22.7%、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」が 13.0%、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」が 13.3%、「社会保障の水準を引き下げ、減税や負担を軽減すべき」が11.2%などとなっている。

 50歳代では「必要な増税や社会保険料の負担増を積極的に行うべき」が3.6%、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」が 27.7%、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」が 16.8%、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」が 12.8%、「社会保障の水準を引き下げ、減税や負担を軽減すべき」が 14.8%などとなっている。

 60歳以上では「必要な増税や社会保険料の負担増を積極的に行うべき」が5.0%、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」が 21.3%、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」が 12.0%、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」が 13.4%、「社会保障の水準を引き下げ、減税や負担を軽減すべき」が 10.3%などとなっている。

 「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」は 60歳以上より 50歳代で6.4ポイント高くなっている。また、「わからない」が50歳代より 60歳以上で 15.4ポイント高くなっている。

図5-1-1 社会保障給付と負担 (Q28)

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(注1)必要な増税や社会保険料の負担増を積極的に行うべき:
 「社会保障給付の水準をさらに引き上げる必要があり、そのために必要な増税や社会保険料の負担増を積極的に行うべきである」
(注2)高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない:
 「現在の社会保障給付の水準を維持していく必要があり、人口の高齢化に伴う給付費増のために、必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」
(注3)必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない:
 「現在の社会保障給付の水準を一部引き下げ、それでも必要となる必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」
(注4)社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない:
 「現在の税金や社会保険料の負担をこれ以上引き上げるべきではなく、そのために社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」
(注5)社会保障の水準を引き下げ、減税や負担を軽減すべき:
 「社会保障給付の水準を引き下げて、減税や社会保険料の負担を軽減すべきである」

 前回調査と比較すると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」が8.3ポイントと大きく減少している。

図5-1-2 社会保障給付と負担 (Q28)(前回比較)

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〈総数〉

 都市規模別にみると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」は町村(27.9%)で、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」(大都市 15.0%、中都市 14.1%)、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」(大都市 14.2%、中都市 14.7%)は大都市、中都市で、それぞれ高くなっている。また、「わからない」は大都市で 20.5%と低くなっている。

 性別にみると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」(男性 25.2%、女性 20.6%)、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」(男性 14.8%、女性 11.5%)、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」(男性 14.9%、女性12.0%)では女性より男性で高くなっている。一方、「わからない」は男性(20.7%)より女性(33.8%)で高くなっている。

 年齢別にみると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」は年齢が高くなるほど割合が低くなっている。一方、「わからない」は年齢が高くなるほど割合も高くなっている。

 平均月収額別では、「必要な増税や社会保険料の負担増を積極的に行うべき」は月収額が60万円~80万円未満(8.5%)、80万円以上(8.3%)で高くなっている。また、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」は月収額が多くなるほど割合も高くなる傾向がみられる。

〈50歳代〉

 都市規模別にみると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」は町村(36.2%)で高く、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」は都市規模が大きくなるほど割合も高くなっている。

 性別にみると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」(男性29.4%、女性26.2%)、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」(男性20.1%、女性 13.7%)、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」(男性 14.0%、女性 11.6%)では女性より男性で高くなっている。一方、「社会保障給付の水準を引き下げ、減税や負担を軽減すべき」(男性12.1%、女性 17.0%)、「わからない」(男性12.1%、女性18.9%)は男性より女性で高くなっている。

 平均月収額別では、月収額が 80万円以上は、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」(42.3%)、「必要最小限の増税や社会保険料の負担増はやむを得ない」(26.9%)で高くなっている。

〈60歳以上〉

 都市規模別にみると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」、「わからない」は都市規模が小さくなるほど割合が高くなっている。一方、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」は都市規模が小さくなるほど割合が高くなっている。性別にみると、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」(男性24.0%、女性 19.2%)で 4.8ポイント、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」(男性15.2%、女性12.0%)で 3.2ポイント、それぞれ女性より男性で高く、「わからない」は男性(23.1%)より女性(37.3%)で 14.2ポイント高くなっている平均月収額別では、「高齢化に伴う給付費増のために増税などはやむを得ない」は月収額が多くなるほど割合も高くなっているが、月収額が 80万円以上は 20.6%とやや低くなっている。また、「社会保障給付の水準が下がってもやむを得ない」は月収額が 80万円以上で20.6%、「わからない」は5万円未満で62.5%と高くなっている。

表5-1-1 社会保障給付と負担 (Q28)

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(2) 負担増の内容(Q29)

 「増税や社会保険料の引き上げあるいは社会保障給付の水準引き下げが必要だとしたら、どのような考えに賛成か」尋ねてみると、総数では「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が9.9%、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が 15.1%、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が 34.2%などとなっている。なお、「わからない」が33.0%となっている。

 50歳代では「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が 11.2%、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が 15.7%、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が42.3%などとなっている。なお、「わからない」が22.4%となっている。

 60歳以上では「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が9.6%、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が 14.9%、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が32.1%などとなっている。なお、「わからない」が35.7%となっている。

 「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は 60歳以上より 50歳代で 10.2ポイント高くなっている。

図5-2-1 負担増の内容 (Q29)

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 前回調査と比較すると、「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」がともに 3.3ポイントの減少、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」が 1.6ポイントの増加となっている。

図5-2-2 負担増の内容 (Q29)(前回比較)

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〈総数〉

 都市規模別にみると、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は大都市(40.7%)で高くなっている。性別にみると、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」(男性35.7%、女性32.9%)で 2.8ポイント、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」(男性17.7%、女性12.9%)で 4.8ポイント、女性より男性でそれぞれ高くなっている。年齢別にみると、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は年齢が高くなるほど割合が低くなる傾向がみられる。一方、「わからない」は年齢が高くなるほど割合も高くなっている。平均月収額別では、「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は月収額の少ない層より多い層で割合が高くなっている。

〈50歳代〉

 都市規模別にみると、「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は大都市(14.7%)で、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は町村(21.7%)で、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は町村(44.9%)で、それぞれ高くなっている。 性別にみると、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」(男性18.7%、女性12.9%)では男性が 5.8ポイント、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」(男性 41.1%、女性 43.3%)では女性が2.2ポイント、それぞれ上回っている。

〈60歳以上〉

 都市規模別にみると、「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は町村(12.4%)で、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は大都市(40.2%)で、それぞれ高くなっている。性別にみると、「子供や孫の世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」(男性11.2%、女性8.3%)で 2.9ポイント、「高齢者世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」(男性17.4%、女性13.0%)で 4.4ポイント、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」(男性 34.2%、女性30.5%)で 3.7ポイント、それぞれ男性が女性を上回っている。一方、「わからない」は男性(28.3%)より女性(41.6%)で 13.3ポイント高くなっている。平均月収額別では、「すべての世代の負担が増えたり、給付水準が下がったりしてもやむを得ない」は 30万円~40万円未満で41.7%と高くなっている。

表5-2-1 負担増の内容 (Q29)

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表5-2-1 負担増の内容 (Q29)(続き)

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