第2章 高齢社会対策の実施の状況 

3 学習・社会参加

○ 国民の生涯を通じた多様な学習需要に対応した学習機会が適切に提供されるためには、国や地方公共団体が、生涯学習の振興について積極的に取り組んでいくことが重要であり、生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律(平成2年法律第71号)や中央教育審議会生涯学習分科会の答申等に基づき、生涯学習社会の形成を図っている。
○ 生涯学習情報提供事業として、生涯学習情報を全国的に提供する事業を推進しているほか、生涯学習の普及・啓発については、全国生涯学習フェスティバルを開催し、シンポジウム、体験教室等を行うことで、広く国民一般に対し生涯学習に係る活動を実践する場を全国的な規模で提供した(平成15年11月27〜12月1日、沖縄県にて「ちゅら島で拓こう自分!つなげよう心!」をテーマに開催)。
○ 平成14年度から実施している、小・中学校の新学習指導要領においては、ボランティア活動や高齢者との交流を積極的に取り入れるなどの改善を図っており、その円滑な実施に努めている(高等学校は15年度から実施)。
○ 小・中・高等学校等の児童生徒が、ボランティア活動などの社会奉仕体験活動を始めとする多様な体験活動に取り組むことを促進する目的で、各都道府県に「体験活動推進地域」及び「推進校」を指定し、他校のモデルとなる体験活動の展開を図る「豊かな体験活動推進事業」を平成14年度から行っている。
○ 公民館を始め、図書館、博物館、女性教育施設等の社会教育施設や教育委員会において、幅広い年齢の人々を対象とした多くの学習機会が提供されている。この中には、高齢社会について理解を促進するためのものや高齢者を直接の対象とする学級・講座も開設されている(表2−3−33)。

表2−3−33 教育委員会及び公民館における高齢者対象の学級・講座の状況

表2−3−33 教育委員会及び公民館における高齢者対象の学級・講座の状況

○ 高齢者自身が社会における役割を見いだし、生きがいを持って積極的に社会に参加できるよう、各種社会環境の条件整備に努めることが重要になっている。このため、地域において、社会参加活動を総合的に実施している老人クラブに対し助成を行い、その振興を図っている。
○ 高齢者の生きがいと健康づくりを推進するため、市町村が行う高齢者の社会活動の啓発普及、高齢者ボランティア活動への支援等や、各都道府県に設置されている「明るい長寿社会づくり推進機構」で実施している高齢指導者等の育成や組織ネットワークづくりに対し補助を行っている。平成15年10月には全国健康福祉祭(ねんりんピック)を徳島県で開催した。
○ 高齢者の持つ豊かな知識・経験や学習の成果をいかした社会参加活動を支援する観点から、高齢者の社会参加活動の振興方策について国民各層による幅広い意見交換を行う全国高齢者社会参加フォーラムの開催(平成15年度は11月30日沖縄県にて「『ちゅらさん』の知恵(じんぶん)〜好奇心は元気のバロメーター〜」をテーマに開催)等を行った。
○ 特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号、以下「NPO法」という。)に基づき、法人格を付与すること等を通じて、ボランティア活動を始めとしたNPOの活動を促進するための環境整備を図っている。15年5月には、特定非営利活動を一層促進する観点から、特定非営利活動の種類の追加等を盛り込んだ特定非営利活動促進法の一部を改正する法律(平成14年法律第173号)が施行され、15年4月には認定NPO法人制度について、認定要件の緩和やみなし寄附金制度の導入等の拡充がなされた。さらに、NPO法の立法趣旨・理念に則した運用を明らかにした「NPO法の運用方針」(15年3月策定、同年12月改定)を策定・公表するとともに、NPO法人制度の申請・届出手続の電子化や、インターネットによる縦覧・閲覧書類の公開に取り組んだ。

 

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