第2章 高齢社会対策の実施の状況 

(2)調査研究等の基盤の整備
ア 研究推進体制等の整備
 幅広い分野にわたる高齢社会に対応する研究開発を効果的に行うため、必要な推進体制等を整備する必要がある。
 長寿科学研究を推進し、高齢者に特有な疾病(認知症、骨粗しょう症等)に関する高度先駆的医療の実施・研究体制を充実するため、平成16年3月に、我が国で6番目の国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)として「国立長寿医療センター」を設立し、その着実な運営を進めた。
 長寿科学総合研究事業等において、老年病、看護・介護、リハビリテーション、居住環境といった横断的な研究体制を構築して研究を推進するとともに、医薬品、医療機器に関する保健医療分野における基礎研究の強化を進めているほか、在宅医療機器等の高度な治療器機の研究開発について補助を行っている。
 がん対策については、平成15年10月に、先端的検診方法の研究開発、標準的ながん検診方法の確立を図るため、国立がんセンターに「がん予防・検診研究センター」を開設したところであり、その着実な運営を進めた。
 また、全国3か所に設置された「認知症介護研究・研修センター」における認知症介護技術に関する研究、介護技術の指導に当たる指導者に対する研修を行っている。
 さらに、高齢者に特有の疾病や生活習慣病の克服に関する研究の推進に不可欠な生物遺伝資源の戦略的な収集、開発、保存、提供体制を整備するなど、研究支援体制の充実を図っている。
 大学等においては、老化等の長寿関連の研究を行うほか、科学研究費補助金により大学等の研究者に対し研究費を助成し、学術研究を推進した。
 独立行政法人製品評価技術基盤機構において、高齢者の視点を重視した生活用品などの研究開発を推進するための基盤として、高齢者の加齢による身体機能の低下状況などに関する計測評価手法の開発を行った。また、福祉用具評価手法の開発を行うとともに、高齢者・福祉関連の基礎的データの収集、分析、体系化など標準基盤の整備を実施した。

 

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