第1章 高齢化の状況(第3節 2)

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第3節 前例のない高齢社会に向けた対策・取組の方向性

2 前例のない高齢社会を活力あり安心できるものにしていくための対策と取組の方向性

前例のない高齢社会の到来に備えて、既に政府では、持続可能な社会保障制度の整備、65歳までの継続雇用措置を義務化するなどの高齢者雇用対策、高齢者の活動的な生活を可能とするバリアフリー対策、高齢者の学習意欲にこたえる生涯学習支援対策などの高齢者対策に広範に取り組んできている。また、団塊の世代に代表される戦後生まれ世代が高齢期を迎えるにつれて高齢者の姿も変わっていくことも予想される。健康で自立して長生きをし、高学歴で、サラリーマンとして働き、就労意欲、社会参加意欲、消費意欲が旺盛な高齢者は、従来の「支えられる高齢者」というイメージとは違う新しい「支える高齢者」というマンパワーとして、社会を変えていく可能性を秘めている。特に2012年に団塊世代が高齢期に達してから数年間は、その規模の大きさから高齢者のイメージを大きく変えると考えられる。いわば「前例のない可能性を秘めた高齢者」が数多く出現することも予測される。このような背景を踏まえ、今後、前記1に掲げたような諸課題に対応していくための政府の対策や国民の取組の方向性としては次のようなことが考えられる。

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