第1章 高齢化の状況

第1章 高齢化の状況

第1節 高齢化の状況

● 高齢化の現状と将来像

5人に1人が高齢者という社会
○ 高齢者人口のうち、前期高齢者人口は「団塊の世代」が高齢期に入った後に平成28年(2016)年の1,744万人でピークを迎える。その後は、43(2032)年まで減少傾向となるが、その後は再び増加に転じ、53(2041)年の1,699万人に至った後、減少に転じると推計されている。
   一方、後期高齢者人口は増加を続け、平成29(2017)年には前期高齢者人口を上回り、その後も増加傾向が続くものと見込まれており、増加する高齢者数の中で後期高齢者の占める割合は、一層大きなものになると見られている(図1−1−4)。
図1−1−4 高齢化の推移と将来推計
図1−1−4 高齢化の推移と将来推計
年少人口、出生数とも現在の半分以下に、生産年齢人口は4,595万人に
○ 年少人口(0〜14歳)は平成51(2039)年に1,000万人を割り、67(2055)年には752万人と、現在の半分以下になると推計されている。
   出生数の減少は、生産年齢人口(15〜64歳)にまで影響を及ぼし、平成24(2012)年に8,000万人を割り、67(2055)年には4,595万人となると推計されている。
現役世代1.3人で1人の高齢者を支える社会の到来
○ 65歳以上の高齢人口と15〜64歳の生産年齢人口の比率をみてみると、昭和35年(1960)年には1人の高齢人口に対して11.2人の生産年齢人口がいたのに対して、平成17(2005)年には1人の高齢者1人に対して現役世代3.3人になっている。今後、高齢化率は上昇を続け、現役世代の割合は低下し、67(2055)年には、1人の高齢人口に対して1.3人の生産年齢人口という比率になる。仮に15〜69歳を支え手とし、70歳以上を高齢人口として計算してみても、70歳以上の高齢人口1人に対して生産年齢人口1.7人という比率となる(図1−1−6)。
表1−1−6 高齢世代人口と生産年齢人口の比率
  生産年齢人口(15〜64歳)を支え手とすると 15〜69歳を支え手とすると
(a) (b) (c) (b)' (c)'
65歳以上を何人で支えるのか 70歳以上を何人で支えるのか 75歳以上を何人で支えるのか 70歳以上を何人で支えるのか 75歳以上を何人で支えるのか
平成17(2005)年 3.3 4.6 7.3 5.0 7.9
27(2015)年 2.3 3.2 4.7 3.6 5.3
37(2025)年 2.0 2.4 3.3 2.7 3.6
47(2035)年 1.7 2.1 2.8 2.4 3.2
57(2045)年 1.4 1.7 2.4 2.0 2.7
67(2055)年 1.3 1.5 1.9 1.7 2.2
資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果

(参考)65歳以上の者を支えてきた15〜64歳の者の人数 (1人当たり)
(単位:人)
昭和35(1960)年 11.2
40(1965)年 10.8
45(1970)年 9.8
50(1975)年 8.6
55(1980)年 7.4
60(1985)年 6.6
平成2(1990)年 5.8
7(1995)年 4.8
12(2000)年 3.9
資料:総務省「国勢調査」より作成。
男性83.67歳、女性90.34歳まで生きられる
○ 平均寿命は、平成18(2006)年現在、男性79.00年、女性85.81年であるが、今後、男女とも引き続き伸びて、67(2055)年には、男性83.67年、女性90.34年となり、女性の平均寿命は90年を超えると見込まれている(図1−1−7)。
図1−1−7 平均寿命の推移と将来推計
図1−1−7 平均寿命の推移と将来推計

● 高齢化の国際的動向

我が国は世界のどの国も経験したことのない高齢社会となる
○ 先進諸国の高齢化率を比較してみると、我が国は1980年代までは下位、90年代にはほぼ中位であったが、21世紀初頭には最も高い水準となり、世界のどの国もこれまで経験したことのない高齢社会になると見込まれている(図1−1−14)。
図1−1−14 世界の高齢化率の推移
図1−1−14 世界の高齢化率の推移

● 「団塊の世代」の高齢化

「団塊の世代」が高齢期に達すると毎年100万人ずつ高齢者が増加
○ 「団塊の世代」といわれる昭和22(1947)〜24(1949)年に生まれた者は、出生数で約806万人、平成18年10月現在の人口で約677万人、総人口に占める割合は約5.3%という人口構造上、大規模な集団である。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成18年12月推計)によれば、「団塊の世代」が65歳に到達する24(2012)〜26(2014)年には、65歳以上の高齢者が年に約100万人ずつ増加すると見込まれている(図1−1−15)。
図1−1−15 「団塊の世代」が高齢期に達することで予想される高齢者の増加数
図1−1−15 「団塊の世代」が高齢期に達することで予想される高齢者の増加数
「団塊の世代」が希望する雇用・就業形態は多様である
○ 「団塊の世代」が60歳以降就業を希望する雇用・就業形態をみると、60歳以降に正社員や契約社員・嘱託で働くことを希望する人の割合は、年齢が高くなるにつれて順次低下し、短時間勤務やボランティア活動を希望する人の割合が増えてくることから、加齢により希望する雇用・就業形態は多様化するようになる。
「団塊の世代」が社会に与えたインパクト
○ 高等学校、大学への進学率は、「団塊の世代」が学齢に達した頃に目立って上昇しており、50%程度であった高等学校の進学率は「団塊の世代」が高校に進学した昭和37(1962)年には約64%に達した。その後も、高等学校、大学の進学率は上昇し続けたが、「団塊の世代」は高学歴化の象徴であった(図1−1−16)。
図1−1−16 進学率の推移
図1−1−16 進学率の推移

○ 「団塊の世代」のうち三大都市圏に居住する者は、「団塊の世代」が生まれた頃(昭和25(1950)年)は約3割であったが、進学時・就職時に都市へ移住したことで、平成17(2005)年には約半数が三大都市圏に居住しており、都市化の動きが確認できる(表1−1−17)。
表1−1−17 「団塊の世代」の居住状況
(万人)
  昭和25年 平成17年 増減
(a) (b) (b)-(a)
全国 744 678 ▲ 66
三大都市圏 243(32.7%) 334(49.2%) △ 90
その他地域 501(67.3%) 345(50.8%) ▲ 156
資料:総務省「国勢調査」
(注)三大都市圏とは、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県をいう。

○ 「団塊の世代」が生まれた年には、就業者に占める雇用者の割合は3割程度だったが、現在、「団塊の世代」の約7割は雇用者となっており、「団塊の世代」はサラリーマン化を定着させてきた。さらに、そうした中で、「サラリーマンの夫、専業主婦の妻と子供」という核家族の形態も増加することとなった(表1−1−18)。
表1−1−18 「団塊の世代」のサラリーマン化
○「団塊の世代」(56〜58歳)は2005年調査時点で
・労働力人口:約514万人(労働力人口全体の7.9%)
・就業者数:約489万人(就業者数全体の8.0%)
○就業している団塊世代のうち約7割がサラリーマン
(2005年における55〜59歳の雇用者比率71.5%)
(参考:過去の雇用者比率)
  1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年
55〜59歳 46.4% 51.1% 55.4% 60.9% 65.3% 68.9%
60〜64歳 38.2% 39.5% 40.1% 45.8% 51.0% 54.6%
資料:総務省「国勢調査」より作成
(注)1975〜1985年については20%抽出結果による。

目次     次の項目に進む