第1章 高齢化の状況

(2)高齢者の安全・安心

ア 高齢運転者による交通事故件数が高い水準で推移

65歳以上の高齢者の交通事故死者数をみると、平成22(2010)年は2,450人で14(2002)年より減少しつつあるが、交通事故死者数全体に占める割合は年々上昇しつつあり、22(2010)年は50.4%と統計が残る昭和42(1967)年以降で最も高くなっている。ただし、高齢化の影響による高齢者人口の増加によるものが大きく、65歳以上人口に対する交通事故死者数の割合は、平成8(1996)年以降減少し続けている(図1−2−6−4)。

図1−2−6−4 年齢層別交通事故死者数の推移
CSV形式のファイルはこちら

一方で、高齢運転者による交通事故件数についてみると、年々増え続けている。65歳以上の高齢運転者(原付以上)による交通事故件数は、平成22(2010)年は106,311件と、21(2009)年に比べ1.4%増加した。ただし、高齢化の影響による高齢者人口の増加によるものが大きく、高齢者の運転免許保有者に占める高齢者の事故件数の割合は、16(2004)年をピークに減少傾向にある(図1−2−6−5)。

図1−2−6−5 高齢者による交通事故件数の推移(各年12月末)
CSV形式のファイルはこちら

イ 振り込め詐欺の被害者の6割以上が高齢者

犯罪による65歳以上の高齢者の被害の状況について、刑法犯被害認知件数でみると、全刑法犯被害認知件数が戦後最多を記録した平成14(2002)年に22万5,095件となり、ピークを迎えて以降、近年は減少傾向にあり、21(2009)年は14万3,963件であった(図1−2−6−6)。

図1−2−6−6 高齢者の刑法犯被害認知件数
CSV形式のファイルはこちら

振り込め詐欺(オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺及び還付金等詐欺の総称)のうち、特に高齢者の被害が多いオレオレ詐欺の平成22(2010)年の認知件数は4,418件と前年より44.5%増加した(表1−2−6−7)。また、警察官等を装ってキャッシュカードを直接受け取る手口のオレオレ詐欺におけるATMからの引出(窃取)額は約19億円であり、これを加えた振り込め詐欺の実質的な被害総額は100億円を超えている。22(2010)年中の振り込め詐欺の被害者を分析したところ、65歳以上の割合は6割を超え、オレオレ詐欺の被害者に限ると約8割(77.2%)となっている。

表1−2−6−7 振り込め詐欺の認知件数・被害総額の推移(平成17〜22年)
区分\年次 17 18 19 20 21 22
認知件数(件) 21,612 19,020 17,930 20,481 7,340 6,637
オレオレ詐欺 6,854 7,093 6,430 7,615 3,057 4,418
架空請求詐欺 4,826 3,614 3,007 3,253 2,493 1,774
融資保証金詐欺 9,932 7,831 5,922 5,074 1,491 362
還付金等詐欺 482 2,571 4,539 299 83
被害総額(億円) 251.5 254.9 251.4 275.9 95.8 82.1
資料:警察庁の統計による。本表の被害総額には、キャッシュカードを直接受け取る手口のオレオレ詐欺におけるATMからの引出(窃取)額は含まれない。

加えて、従来の振り込め詐欺グループが関与しているとみられる未公開株等の有価証券や外国通貨等の取引名目の詐欺も増加している。


ウ 消費トラブルに関する相談が依然として10万件を超えている

全国の消費生活センターに寄せられた契約当事者が70歳以上の相談件数は、平成17(2005)年度に139,533件とピークを迎え、その後減少し、近年では横ばい傾向が続いているものの、依然として10万件を超えている(図1−2−6−8)。また、21(2009)年度に寄せられた122,053件の相談を販売方法・手口別にみると、家庭訪販が16.5%、次いで電話勧誘が10.4%となっている。

図1−2−6−8 契約当事者が70歳以上の消費相談件数
CSV形式のファイルはこちら

エ 高齢者の住宅火災による死者数は減少傾向

65歳以上の高齢者の住宅火災による死者数(放火自殺者等を除く。)についてみると、平成21(2009)年は628人となり、前年より減少した。全死者数に占める割合も61.4%と減少した(図1−2−6−9)。

図1−2−6−9 住宅火災における死者数
CSV形式のファイルはこちら

オ 虐待を受けている高齢者の8割が要介護認定

平成21(2009)年度に1,750市町村(特別区を含む)で受け付けた養護者による高齢者虐待に関する相談・通報件数は、高齢者虐待について、住民の理解が進んだことなどにより、23,404件と20(2008)年度(21,692件)よりも1,712件(7.9%)増加した。性別でみると女性が全体の約8割を占めており、年齢階級別では「80〜84歳」が24.0%と最も多い。また、虐待を受けている人のうち、約7割が要介護認定を受けており、そのうち、「要介護2」が20.5%と最も多く、次いで、「要介護3」が19.9%、「要介護1」が19.6%の順であった。

なお、虐待の加害者は、「息子」が41.0%と最も多く、次いで、「夫」17.7%、「娘」15.2%となっている(図1−2−6−10)。

図1−2−6−10 虐待を受けている高齢者の属性
CSV形式のファイルはこちら

目次 前の項目に戻る     次の項目に進む