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第4節 高齢者が活躍できる環境づくり

今後、労働力人口の減少が見込まれる我が国において、成長力を高めていくためには、高齢者を含めた国民すべてが意欲と能力に応じ労働市場やさまざまな社会活動に参加できる社会(「出番」と「居場所」)を実現する必要がある。

こうした問題意識のもと、本節では、「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」で取りまとめられた「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書 ~尊厳ある自立と支え合いを目指して~」において、基本的な考え方として示された「高齢者パワーへの期待」に関連して、就労や社会的な活動(ボランティア活動)、さらに東日本大震災の被災地支援に関する高齢者の意識と実態を眺めた上で、それぞれの取組事例を紹介する。

1 高齢者の就労

○65歳以降も働き続けたい人は多いが、60歳代後半の就業率は4割弱に留まっている

はじめに、総務省「労働力調査」(平成23年)で年齢階層別の就業率をみてみると、55~59歳の就業率は75.2%(男性88.5%、女性62.1%)であるが、60~64歳は57.3%(男性70.9%、女性44.2%)、65~69歳は36.3%(男性46.2%、女性26.9%)と大きく低下している(図1-4-1)。

図1-4-1 年齢階層別 就業率

一方、高齢者の就業に対する意向をみてみると、厚生労働省「中高年者縦断調査」(平成22年)によれば、「団塊の世代」を含む60~64歳では、仕事をしている人のうち56.7%が65歳以降も「仕事をしたい」と考えており、「仕事をしたくない」人(16.6%)を大きく上回っている。60~64歳の全体で見ても、65歳以降に「仕事をしたい」人は44.0%で、「仕事をしたくない」人(31.4%)を上回っており、現在の65~69歳の就業率(36.3%)と比べても高い割合となっている(図1-4-2)。

図1-4-2 65歳以降(65~69歳)における就業意向

また、内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」(平成20年)で高齢者の退職希望年齢をみると、65歳までに退職したい人は3割に満たず、残りの約7割の人は「70歳以降まで」(注1)または「働けるうちはいつまでも」働きたいと考えている(図1-4-3)。

図1-4-3 いつまで働きたいか

このように、我が国においては、高齢者の高い就業継続意欲が必ずしも実際の就業に結びついていないと言えるだろう。

○仕事を選ぶ際に、高齢の男性は「経験が生かせること」を重視し、高齢の女性は働きやすさを重視する傾向があるが、男女とも「収入」を重視する人が増加している

内閣府「高齢者の経済生活に関する意識調査」(平成23年)で、60歳以上の人が「仕事を選ぶ際に最も重視すること」をみてみると、男性は「経験が生かせること」(28.3%)が最も多く、女性は、「体力的に軽い仕事であること」(23.2%)が最も多い。しかし、5年前(平成18(2006)年)の調査結果と比較すると、男女とも「収入(賃金)」を最も重視する人が増加しており、男性は9.9%から20.7%へと倍増している。これを60歳から74歳まで年齢階級別にみてみると、60~64歳では「収入(賃金)」が25.7%となり、「経験が生かせること」(24.3%)を上回っている。その他の年齢階級でも、「収入(賃金)」を最も重視する人が大きく増加している(図1-4-4)。

図1-4-4 仕事を選ぶ際に最も重視すること

このように、高齢者は自分の経験を生かせる仕事をしたいと考える人が多いが、60歳代前半のみならず、65歳以上の人でも収入を重視する人が増えている。


(注1)「70歳ぐらいまで」、「75歳ぐらいまで」、「76歳以上」と回答した人の合計
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