-
障害者施策 サイトマップ
-

-

[PDF:93KB]

[PDF(ルビあり):127KB]

第10回障がい者制度改革推進会議(2010年5月10日)
議事要録


議事 省庁等ヒアリング〜厚生労働省、総務省、国土交通省


*ヒアリングは議事要録を作成しないこととしております。内容につきましては議事録をご覧下さい。

議事 障害の表記


内閣府からの説明の概要

  • 4月23日の文化審議会国語分科会漢字小委員会において改定常用漢字表の答申案の素案が「碍」を含めない形で了承された。今後は5月中旬の国語分科会の答申案決定を経て、6月上旬ごろの文化審議会において答申を決定する予定。
  • 答申案(素案)の具体的な内容について、「碍」の取扱いは推進会議の検討結果に委ねられた格好だ。出現頻度や造語力、単語の構成力などの字種選定基準に照らすと「碍」は入らないというのが漢字小委員会の議論の前提だ。その上で何か特別な事情はないか検討されている。
  • 二度の意見募集に寄せられた意見を大別すると3つに整理できる。一つ目は、戦前は「障碍」を使っていたので、本来の表記に戻すべきであるとの意見。二つ目は、戦前は「障碍者」を使っていたという意見について、精査の結果、事実に反する部分があるのではないかとの意見。三つ目は「障害」は悪い意味だが「障碍」は悪くないという意見について、実は意味の違いはないのではないかという意見。「障碍」はもともと「しょうげ」という読みの仏教用語で、物事の発生、持続などに当たって妨げになること、転じて悪魔、怨霊などが邪魔をすることでより悪い意味もあり得ることが確認されている。3つの意見のいずれとも字種選定基準に照らした結論を覆す理由にはならないというのが漢字小委員会の判断だ。
  • 障がい者制度改革推進本部で障害の表記の在り方について検討することが紹介され、単に漢字の問題という枠を超える特別な事情があるとの判断がされている。その結果、「障碍」という表記が望ましいという政府全体の合意が推進本部でなされれば、その段階でもう一度「碍」の追加を検討するという対応方針が4月13日の漢字小委員会で了承された。
  • 障害の表記に関するアンケート調査の結果がまとまったので、ポイントを報告する。4月16日から18日までインターネット調査会社に委託をして実施し、合計9,000人分の回答を収集した。回答者の中に障害があるという方が464人含まれている。障害の表記を改めるべきとの意見については賛成が21.9%に対して反対が43%に上った。改めるべきと答えた約2,000名に、どのような表記に改めるべきか聞いたところ「障がい」が約4割で最も多く「障碍」は7.8%にとどまった。次に、障害の表記を改める必要はないとの意見について、賛成が42.6%で反対が19.8%にとどまった。障害者の表記をチャレンジドに改めるべきとの意見については、反対が3分の2に上り、賛成は約1割にとどまった。最後に、障害者の表記として自分自身の考えに最も合っているものを聞いたところ「障害者」「障害のある人」「障がい者」などが多くの支持を集め「障碍者」や「チャレンジド」はごく少数にとどまった。

議論の概要

  • (発言)文化審議会の国語分科会の漢字小委員会では「障碍(しょうげ)」が平安末期から江戸時代にかけて、悪魔、怨霊が仏道、修業の邪魔をするという意味でしばしば使われたこと。明治になってからは心身の障害という意味や障害物競争などの障壁、バリアという意味、つまり非常に広い意味で使われるようになったこと。そして、戦後、当用漢字から「碍」が漏れたために「障碍」はほとんど使われなくって「障害」に一本化したことなどが紹介されていた。「障碍」が悪魔による仏道への邪魔という意味で使われたことがあったとしても、明治以降は主に障壁の意味で使われてきたので、今日では偏見を生む危険性はないのではないか。提案の1つは文化審議会に「碍」を常用漢字とするように要望するということ、もう一つは障害者権利条約の批准時に法律上の用語の見直しを集中的に検討すること。
  • (発言)常用漢字に入れることと期限を決める点について、一定のコンセンサスを得ておくというのは賛成だ。ただ、結局障害は悪いものという医療モデルに基づいた昔ながらの一般社会の考え方が前提なので、健常者という言い方にも焦点を合わせて、この言い方自体も考えていかないと、障害が悪いから障害という表記を変えようという問題の根本的解決にならない。

[以上]

▲ このページの上へ

-