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バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進要綱

〜国民一人ひとりが自立しつつ互いに支え合う共生社会の実現を目指して〜

I 基本的な考え方

1.基本認識

(1)我が国は、65歳以上の高齢者が人口の2割を超えており、さらに、出生率も1.32(平成18年の合計特殊出生率)となるなど、世界でも有数の少子高齢化社会であり、今後、人口減少という局面の中で更なる少子高齢化の進行が見込まれる。その中で、生活に障壁(バリア)を感じないよう対応を必要とする人は、今後、さらに多くなるものと考えられる。

(2)また、人の能力や個性は一人ひとり異なっており、これらの属性がすべて同じ人は存在しない。さらに、この属性については、年齢や環境の変化等による影響を受けるものであり、同じ人であっても状況によって刻々と変化していくものである。

(3)したがって、障害の有無や年齢といった個々人の属性や置かれた状況に関わらず、国民一人ひとりが自立し、互いの人格や個性を尊重し支え合うことで、社会の活動に参加・参画し、社会の担い手として役割と責任を果たしつつ、自信と喜びを持って生活を送ることができる共生社会の実現に向けた環境を整備していくことが重要である。

(4)このため、まずは、障害者、高齢者、妊婦や子ども連れの人などに主な焦点を当て、そうした方々が社会生活をしていく上でバリアとなるものを除去するとともに、新しいバリアを作らないことが必要である。すなわち、物理的な障壁のみならず、社会的、制度的、心理的なすべての障壁に対処するという考え方(「バリアフリー」)とともに、施設や製品等については新しいバリアが生じないよう誰にとっても利用しやすくデザインするという考え方(「ユニバーサルデザイン」)が必要であり、この両方に基づく取組を併せて推進することが求められている。

(5)政府においては、平成16年6月に「バリアフリー化推進要綱」を策定し、これまで取組を推進してきたところ、その後の情勢の変化を踏まえ、今般、バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進に関する政府の基本的な方針として、本要綱を定めることとする。

本要綱に基づく取組が継続的に進められていくことにより、バリアフリーやユニバーサルデザインが当然のこととして理解され、共生社会の実現が図られることが期待される。

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2.これまでの施策の推進状況

(1)平成16年にバリアフリー化推進要綱が策定されたことを踏まえ、各分野で取組が実施されてきた。

生活環境の分野では、これまで、住宅・建築物、公共交通機関や歩行空間などについて、要綱に掲げられた目標に向けた整備が着実に図られてきた。平成18年には、ハートビル法(注1)と交通バリアフリー法(注2)を統合・拡充した「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(以下「バリアフリー新法」という。)が施行され、対象者(注3)の明確化・対象施設(注4)の拡充、面的なバリアフリー化を促進(注5)するための仕組、基本構想の策定の際に利用者や住民の側の能動的な参加を推進するための仕組の整備などが図られた。さらに、同法に基づき定められた「移動等円滑化の促進に関する基本方針」において新たな目標値が設定されている。また、同年には、住生活基本法に基づき、高齢者及び子育て世帯など住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保等を目標に掲げた住生活基本計画(全国計画)が閣議決定され、目標達成に向けた取組が進められている。

教育・文化の分野では、各種補助事業の実施や事例集の配布などにより、障害のある児童生徒や高齢者も含めた地域住民の利便性に配慮した学校施設や社会体育施設の整備が進められている。また、平成19年には、複数の障害に対応した教育を行うことのできる特別支援学校の制度化等を行うための「学校教育法等の一部を改正する法律」が施行され、特別支援教育(注6)を推進している。

雇用・就業の分野では、障害者の雇用を促進するため、ハローワークへの手話協力員の配置、企業における障害者に配慮した作業施設等の整備の促進、職場適応援助者の配置の促進、就労支援機器の貸出などが行われている。また、平成18年には、精神障害者に対する雇用対策の強化、在宅就業障害者に対する支援、障害者福祉施策との有機的な連携による就業支援等を行うための「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律」が全面施行された。

情報・製品の分野では、障害者や高齢者に配慮した情報通信機器・サービスの開発・普及や字幕番組、解説番組及び手話番組の制作の促進に向けた関係省庁による経費の助成、平成19年の電気通信アクセシビリティガイドラインの国際標準化やJIS(日本工業規格)を基礎とした国際標準化活動に加えて、民間企業によるユニバーサルデザインを踏まえたものづくりも幅広く実施されている。

広報・啓発の分野では、広く国民の関心と理解を深め協力を促すため、顕著な功績や功労のあった個人・団体を顕彰することにより優れた取組を広く普及させることを目的とする「バリアフリー化推進功労者表彰(注7)」をはじめ各種の啓発活動や情報提供が行われている。しかしながら、困っている障害者を見かけても手助けをためらう人が約4割に及んでいる(注8)など、周りの人々のサポートが円滑に行われるようにすることが課題となっている。

(2)また、平成16年に定められた少子化社会対策大綱において、子育てのための安心・安全な環境を整備するため、妊婦、子ども及び子ども連れの人にも配慮した子育てバリアフリーの推進が盛り込まれ、子育てバリアフリーマップの作成などの取組が進められている。

(3)国際的な動向としては、平成18年に国連総会において、障害者の権利及び尊厳を保護し、促進するための包括的かつ総合的な国際条約である障害者権利条約が採択され、平成19年に同条約への署名が行われた。今後、同条約の締結に向け必要な国内法令の整備を図ることとされている。

(4)このように、ハード面を中心に着実な進展が見られるが、バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進状況全般を見るといまだ十分とは言えず(注9)、「心のバリアフリー」など更なる取組が必要なところも見受けられる。

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3.今後の取組方針

(1)上記を踏まえ、以下の取組方針に基づき、関係府省が一体となって、施策を一層推進していく。

<生活者・利用者の視点に立った施策の展開>

今後の施策の展開に当たっては、障害者や高齢者の特性によるニーズに対応しつつ、すべての生活者・利用者の視点に立って、妊婦、子ども及び子ども連れの人なども対象とした更なるバリアフリー・ユニバーサルデザインを推進する。

その際、障害者や高齢者を始め利用者や住民の積極的な参加を得て、その意見を反映しつつ、推進することが重要である。

<ハード・ソフトからハートへ>

これまで、公共交通機関、公共施設、住宅・建築物の整備等のハード面の取組が着実に進められているが、実際の利用者にとって利用しやすいものとなるためには、運営に従事する職員の応対や施設等の利用に関するわかりやすい情報提供などソフト面と一体となった総合的な取組がより一層必要となる。

さらに、ハード・ソフトの取組の充実に加えて、国民誰もが、支援を必要とする方々の自立した日常生活や社会生活を確保することの重要性について理解を深め、自然に支え合うことができるようにする「心のバリアフリー」を推進することにより、初めて共生社会が実現されると考えられる。

<「点」・「線」から「面」の整備へ>

個々の施設の整備や、複数の施設間の個々の移動が円滑化されただけでは、生活者にとってバリアを感じることのない生活空間とはならない。

このため、バリアフリー新法の理念を踏まえ、地域の特性に応じ、個々の施設の整備やその間の移動の円滑化を有機的に組み合わせ、面的な広がりを持った生活空間の整備を推進することによって、誰もが暮らしやすいまちづくりを実現する。その際には、関係者間における積極的な連携・調整を図っていくことが必要である。

<社会全体による取組の推進>

バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進に関しては、一部の関係者のみによる取組とするのではなく、国民一人ひとりの課題であるととらえ、社会全体で取組を進めていくことが重要である。そのためには、政府や地方公共団体による一方的な情報提供だけではなく、関係者相互による積極的な情報交換・情報共有が不可欠であり、こうした取組を促進する。

また、政府や地方公共団体による取組を充実させることはもちろん、個人や企業、地域コミュニティー、NPOなど民間団体の取組や、その相互の連携の強化を促進する。

(2)本要綱については、施策の進捗状況のフォローアップを毎年実施していくとともに、社会経済情勢の変化や施策の進捗状況等を踏まえ、必要に応じておおむね5年を目途に見直しを行う。

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II 分野別の基本的取組

「I 基本的な考え方」を踏まえ、バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進に取り組む。分野ごとに、基本方針、目標・達成期間を掲げて、関連する施策を推進する。目標については、進捗状況を効果的に明らかにするため、関連する計画等で定められているものに加えて、今後の施策の展開に当たって指標となるものを新たに設定している。なお、以下に掲げる具体的な施策は、主要なものを例示したものである。

1.「心のバリアフリー」の推進

(基本方針)
国民誰もが、障害者や高齢者等の自立した日常生活や社会生活を確保することの重要性について理解を深め、自然に支え合うことができるようにするため、幅広い国民参加による各種の啓発・広報活動及び児童生徒や社会人などを対象に様々な機会を活用した幅広い教育活動を推進する。

(目標・達成期間(注10))
○バリアフリーの認知度
  93.8%(※)(17年度)→ 100%(24年度)

○ユニバーサルデザインの認知度
  64.3%(※)(17年度)→ 80%(24年度)

○マタニティマーク(※※)の認知度
  50%(24年度)
  ※※平成18年2月に「健やか親子21」推進検討会において決定したもの

○外出の際、困っている障害者、高齢者、妊婦や子ども連れの人等を見かけても手助けをしない人のうち、対応方法がわからずに手助けできなかった人の割合
  49%(※)(17年度)→ 25%(24年度)
  ※「バリアフリー化推進に関する国民意識調査」(平成17年12月、内閣府)

(具体的な施策)

(1)理解を深めるための啓発・広報活動の推進

(2)実際に行動につなげるための支援となる幅広い教育活動の推進

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2.生活環境

○基本方針
住宅、建築物、公共交通機関、歩行空間など個別の施設等だけではなく、例えば自宅を出て公共交通機関を利用して目的地に行くまでの空間を一体としてとらえるなど、生活空間全体を面としてとらえて、連続したバリアフリー・ユニバーサルデザインを推進し、より快適で生活しやすい環境を整備する。
また、障害者や高齢者等に対する防災、防犯対策を推進し、災害時等においても安全、安心を確保するように努める。
その他、生活環境を整備するための地域における取組を推進する。

(目標・達成期間)
○バリアフリー新法に基づく移動等円滑化の促進に関する基本方針で定められた移動等円滑化の目標の達成及び達成後の継続的な取組の推進

○災害時要援護者避難支援プランの策定数
 全市町村で策定(21年度目途)

(具体的な施策)

(1)面的なバリアフリー・ユニバーサルデザインの推進

(2)住宅、建築物における取組の推進

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(3)公共交通機関、歩行空間等における取組の推進

(4)防災、防犯対策の推進

(5)地域における取組の推進

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3.教育・文化

○基本方針
障害のある児童生徒等が多様な教育的ニーズに応じて可能性を伸ばし、自立と社会参加に必要な力を養うため、一人ひとりのニーズに応じた一貫した支援を行うべく、各関係機関の連携によりすべての学校における特別支援教育の体制整備を進めるとともに、特別支援教育に携わる教員の専門性の向上等により、特別支援教育の更なる充実を推進する。
また、学校施設、社会教育施設や社会体育施設のバリアフリー・ユニバーサルデザインを促進する。
さらに、障害者や高齢者等の利用者に応じた多様な学習機会の確保に取り組む。

(目標・達成期間)
○小学校・中学校における個別の教育支援計画策定率
20%(18年度) → 50%(24年度)

○特別支援教育に関する校内委員会の設置
幼稚園(公立) 32.7%(18年度) → 70%(24年度)
高等学校(公立) 25.2%(18年度) → 70%(24年度)

○特別支援教育コーディネーターの指名
幼稚園(公立) 29.4%(18年度) → 70%(24年度)
高等学校(公立) 18.5%(18年度) → 70%(24年度)

○学校施設の整備計画策定事例等を順次とりまとめ、すべての都道府県、市町村教育委員会等への周知・普及の実施

(具体的な施策)

(1)特別支援教育の充実

(2)施設のバリアフリー・ユニバーサルデザインの推進

(3)多様な学習機会の確保

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4.雇用・就業

○基本方針
働くことを希望する障害者が能力を最大限発揮し、就労を通じた社会参加を実現できるよう障害者雇用対策の充実・強化に取り組む。

また、高齢者の安定した雇用の確保等を図り、高齢者が意欲と能力のある限り年齢にかかわりなく働ける社会の実現を目指す。

さらに、希望する女性が結婚や出産後も育児をしながら、働くことができるようにするための取組を推進する。
これらの取組を通じ、障害の有無、年齢、性別等に関わらず、多様な働き方が可能となる環境を整備する。

(目標・達成期間)
○雇用障害者数(※)
49.6万人(15年度)→ 64万人(25年度)
※障害者の雇用実態に関する「障害者雇用実態調査」は、5年に1回実施されている。

○65歳以上定年企業等の割合
33%(18年度) → 50%(22年度)

○第1子出産前後の女性の継続就業率
38%(17年度) → 45%(24年度)

(具体的な施策)

(1)障害者雇用対策の充実・強化

(2)高齢者雇用の推進

(3)働き方の改革

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5.製品

○基本方針
障害者や高齢者等が自立した日常生活や社会参加を行う上で、福祉用具が重要な役割を果たしていることを踏まえ、福祉用具等の研究開発や普及を支援する。
また、障害者や高齢者等のニーズに配慮した製品の設計や、ユニバーサルデザインの考え方に基づく誰もが使いやすいものづくりを推進する。

(目標・達成期間)
○公共空間や施設において人の行動を支援するロボット
22年までに実現

○高齢者・障害者配慮設計指針の国際規格化
以下のJIS5規格※について国際規格化(22年度目途)

※平成19年度に国際標準化機構(ISO)に国際規格化提案を行った、S0011(消費生活用品の凸記号表示)、S0013(消費生活用品の報知音)、S0014(消費生活用品の報知音−妨害音及び聴覚の加齢変化を考慮した音圧レベル)、S0031(視覚表示物−年代別相対輝度の求め方及び光の評価方法)、S0021(包装・容器)

(1)福祉用具等の研究開発や普及の支援

(2)障害者、高齢者等のニーズに配慮しつつ、誰もが使いやすいものづくりの推進

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6.情報

○基本方針
障害者や高齢者等にとって、必要な情報が十分に提供され、容易に取得できるような環境の整備に取り組む。その際、IT(情報通信技術)の利用機会や活用能力の格差の是正を図っていくことが必要である。

(目標・達成期間)
○字幕放送時間の割合
NHK総合100%、在京キー5局平均77.8%(18年度)

※現行指針における字幕付与可能な放送時間(生放送番組など技術的に字幕を付すことができない放送番組等を除く7時から24時までの新たに放送するすべての放送番組の放送時間)に占める字幕放送時間の割合
 → 100%〔29年度〕

※新たな指針においては、字幕付与可能な放送番組の範囲を拡大(複数人が同時に会話を行う生放送番組など技術的に字幕を付すことができない放送番組等を除く7時から24時までのすべての放送番組に範囲を拡大)し、その中に占める字幕放送時間の割合

○解説放送時間の割合
NHK総合3.7%、NHK教育8.8%、在京キー5局平均0.3%(18年度)

※総放送時間に占める解説放送時間の割合
 → NHK総合及び在京キー5局等10%、NHK教育15%〔29年度〕

※権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く7時から24時までの全ての放送番組の放送時間に占める解説放送時間の割合

(具体的な施策)

(1)生活を支援する情報提供の充実

(2)情報を容易に取得できる環境の整備

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(注1) 「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」

(注2) 「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」

(注3) 身体障害者のみならず、知的・精神・発達障害者を含むすべての障害者が対象となることを明らかにし、また妊産婦等を含むこととしている。

(注4) 新設又は改良時にバリアフリー化のための基準に適合するように求められる施設等の範囲に、これまでの旅客施設、車両等、道路や建築物に加えて、路外駐車場・都市公園・福祉タクシーを追加。

(注5) 市町村がバリアフリー化を重点的に進めるための基本構想を策定できるエリアとして、大規模な旅客施設を中心とした地区ではなくとも、高齢者や障害者等が利用する施設が集積している地区であれば設定できることとした。

(注6) 「特別支援教育」とは、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。(平成17年12月中央教育審議会答申)

(注7) 平成14年度から5年間の期限を決めて実施してきたが、平成19年にはさらに5年間延長するとともに、ユニバーサルデザインの推進も対象にするなど表彰の範囲を拡大した。なお、平成19年度には、別途、国土交通分野における功労者に対する表彰制度を創設した。

(注8) 「バリアフリー化推進に関する国民意識調査」(平成17年12月、内閣府)

(注9) 5年前と比較してバリアフリー化が進んだと評価する人は半数に達しておらず、障害がある人や家族内に要介護者がいる人ほどバリアフリー化に対する評価も低い。(「バリアフリー化推進に関する国民意識調査」[平成17年12月、内閣府])

(注10) 直近の実績値を矢印の左側に記載している。以下同じ。

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