エビデンスに基づく政策立案

エビデンスシステム(e-CSTI)を通じたEBPM等の推進及び公開サイトの立ち上げについて

1.概要

 我が国の科学技術・イノベーション力の向上を図っていく上で、大学等の研究機関における「研究力」、「教育力」、「資金獲得力」を高めていくことが喫緊の課題となっていますが、多種多様な要素が複雑に影響を及ぼしていると考えられる中、エビデンスに基づく分析機能を向上させ、分析結果を政策立案に活かしていくことにより政策効果を高めていくことが極めて重要になってきています。

 こうした中、内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)では、大学等の研究機関における「研究」、「教育」、「資金獲得」に関するエビデンスを収集し、インプットとアウトプットの関係性を「見える化」するための各種分析機能を開発し、関係省庁や国立大学・研究開発法人等の関係機関に対して分析機能・データを共有するプラットフォームとしてe-CSTI(Evidence data platform constructed by Council for Science, Technology and Innovation)を構築いたしました。

 具体的には、エビデンスに基づく政策立案(EBPM : Evidence-based Policy Making)やエビデンスに基づく法人運営(EBMgt : Evidence-based Management)を推進するため、2020年3月に関係省庁、7月に国立大学法人・国立研究開発法人等への利用を順次開放してまいりました。また今般、我が国の科学技術・イノベーションの現状・課題に係る共通理解を広め政策効果をより一層高めていくため、エビデンスに基づく我が国の科学技術分野の分析機能・データを広く一般にも利用開放するe-CSTIの一般公開サイトを立ち上げました。

e-CSTIロゴマーク







2.e-CSTIにより示唆される政策インプリケーションの例

 e-CSTIには、以下のような政策立案や法人運営の高度化につながりうる分析機能・データを掲載しており、今後の対応策の検討が進展することが期待されます。

・日本全体の研究アウトプット(論文数や被引用数)と研究者の年齢、任期の有無の関係性を見える化しており、我が国の研究力向上に向けた方策の検討が可能となります。

・機関間移動をした研究者と移動をしていない研究者の研究アウトプット(論文数や被引用数)を比較したところ、機関間移動をした研究者の方が論文パフォーマンスが高くなる傾向が示されており、研究者の移動の活性化を通じた研究力の向上の必要性が示唆されます。

・産業界技術系の人材ニーズを最終学歴別(学士、修士、博士等)に見える化したところ、学士については情報、機械、電気分野における人材ニーズが高くなっている一方、博士については幅広い分野に人材ニーズが広がっていることが示され、また博士の中でも20代の若手については、産業界における処遇向上の動きが出現し始めています。このような、産業界人材ニーズの変化や若手博士人材に対する評価向上の動きを受け、産業界ニーズを踏まえた高度専門人材の育成・輩出の在り方の改善方策の検討が可能となります。

・大学、研究開発法人等の研究機関における民間からの外部資金獲得について、外部資金獲得の状況を機関間で比較しつつお互いのプラクティスから学び合うことが可能となっており、大型の共同研究獲得を目指すべきか契約件数の増加を目指すべきか等の各機関における戦略を構築することが可能となります。

・大学、研究開発法人等の研究機関において特許化した知的財産を民間へ利用促進していくためには、単願特許の実施許諾収入を向上させることがパフォーマンス向上の観点から有効であることが示唆されており、各機関においてはこのような知見をも参考にしつつ、知財マネジメントの高度化を図っていく必要性が示唆されます。

3.e-CSTIの主な機能

 e-CSTIは以下の5つの機能から構成されています。追加のコンテンツについては、引き続き拡充を行い、順次掲載をしていくこととしています。

(1) 科学技術関係予算の見える化
行政事業レビューシートや各省の予算PR資料を活用し、関係各省の予算の事業内容、分野等の分類を可能とし、科学技術関係予算を見える化します。

(2) 国立大学・研究開発法人等の研究力の見える化
国立大学等への効果的な資金配分の在り方を検討するため、政府研究開発投資がどのように論文・特許等の成果に結びついているかを見える化します。

(3) 大学・研究開発法人等の外部資金・寄付金獲得の見える化
大学・国研等への民間研究開発投資3倍増達成を促進するため、各法人の外部資金獲得実態を見える化します。 また、各法人が使途の自由度の高い間接経費をどのように戦略的に獲得しているかを見える化します。

(4) 人材育成に係る産業界ニーズの見える化
大学等の人材育成に関して、各大学等が社会からのニーズを意識しつつ教育改善を図ることを可能とするため、産業界の社会人の学びニーズや活躍状況を多様な観点から見える化します。

(5) 地域における大学等の目指すべきビジョンの見える化
イノベーション・エコシステムの中核となる全国の大学等が、今後目指すべきビジョンの検討を進めるため、地域ごとの大学等の潜在的研究シーズや地域における人材育成需給を見える化することとしており、今後順次掲載します。

研究力の分析に資するデータ標準化の推進に関するガイドライン策定について

1.背景

「第5期科学技術基本計画(平成28年1月22日閣議決定)」において、客観的根拠に基づく政策の推進について掲げられ、「統合イノベーション戦略(平成30年6月15日閣議決定)」においては、科学技術イノベーション政策におけるインプット(資金、人材)からアウトプット(論文、特許等)、アウトカム(経済効果、社会的効果)に至る情報を体系的に整備・相互に接続し、国全体の政策や国立大学法人・研究開発法人等における運営に活用することとされています。

2.経緯

上記背景を踏まえ、研究力の分析に資するデータを政府における政策立案及び各法人における運営に役立てることを目的として、平成30年8月3日に「データ標準化・モデルシステム開発コンソーシアム」を立ち上げ、議論を重ねた結果、データの標準化やデータ間の連結・連携に関する基本的な考え方及びデータの整備方針の方向性がとりまとまり、『研究力の分析に資するデータ標準化の推進に関するガイドライン』として公表することといたしました。

3.成果物等

参考資料

問合せ先

内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局
エビデンス担当
Tel 03-6257-1330(直通)

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)

内閣府法人番号 2000012010019