久間和生 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)有識者議員 マレーシア訪問について【平成30年1月14日~1月17日】

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エス・アイ・ピー)事務局では、外務省が推進する科学技術外交と連動して、我が国の優れた産学連携モデルであるSIPの情報発信とともに、潜在的なニーズが見込まれる海外関係国における出口戦略模索の観点から、「SIPキャラバン」として平成28年度より取り組んでおります。

今般、久間和生CSTI議員が第6回の「SIPキャラバン」として、1月14日(日)から1月17日(水)の日程でマレーシアを訪問し、政府機関及び大学等において、産学連携、官民連携、省庁連携の象徴としての日本の取組であるSIPについて紹介しつつ、両国の今後の連携可能性、可能分野等について機関幹部及び研究者と議論をしました。

また、ASEANを中心に東南アジアへの海外事業展開の最新事情について調査し、SIPが今後進める国際的事業化戦略に必要な情報を収集しました。

なお、今回は出張には岸輝雄プログラム・ディレクター(SIP「革新的構造材料」担当/外務大臣科技顧問)、藤野陽三プログラム・ディレクター(SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」担当)、野口伸プログラム・ディレクター(SIP「次世代農林水産業創造技術」担当)、関克己サブプログラム・ディレクター(SIP「レジリエントな防災・減災機能の強化」担当)の4名に加えて、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)から竹村誠洋参事役(SIP「革新的構造材料」担当)と佐藤正樹シンガポール事務所長が同行しました。

出張日程及び訪問先等

1.出張日程

平成30年1月14日(日)~1月17日(水)

2.出張者

<内閣府>

  • 久間和生 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)有識者議員(常勤)
  • 岸 輝雄 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付プログラム・ディレクター(PD) SIP「革新的構造材料」担当
  • 藤野陽三 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 プログラム・ディレクター(PD) SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」担当
  • 野口 伸 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 プログラム・ディレクター(PD) SIP「次世代農林水産業創造技術」担当
  • 関 克己 サブプログラム・ディレクター(Sub-PD) SIP「レジリエントな防災・減災機能の強化」担当
  • 竹上嗣郎 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 参事官(戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)担当)
  • 奥野 守 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 参事官(戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)担当)付 政策調査員

3.訪問先と主な対応者

(1)マレーシア・プトラ大学 Universiti Putra Malaysia:UPM

日時:1/15(月)10:00~11:30

先方:バイオサイエンス研究所(Institute of Bioscience)
ファティマ教授(Prof. Fatimah Md. Yusoff)、長尾則夫 シニア・リサーチ・フェロー ほか

  • 日本の科学技術政策、Society5.0、SIP等について発表及び意見交換
  • 施設見学(SATREPSで実行中の藻類バイオエナジー関連ラボ)

○プトラ大学では、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で進める国際共同プロジェクト「SATREPS」(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム:Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)の拠点大学として、生物資源分野の研究領域「生物資源の持続可能な生産と利用に資する研究」のうち、「微細藻類の大量培養技術の確立による持続可能な熱帯水産資源生産システムの構築」を推進しています。

○ファティマ教授からプロジェクトの概要について説明を受け、長尾フェローからは、研究上の課題や省エネルギーの新規藻類リアクターCRADLEの説明を受けた後、研究施設を見学し、活発な意見交換を行いました。


プトラ大学訪問後の記念撮影


(2)マネジメント&サイエンス大学 Management and Science University:MSU

日時:1/15(月)14:45~17:15

ロスリ国際担当副学長(Dato' Rosli Yusof)ほか

  • 日本の科学技術政策、Society5.0、SIP等について発表及び意見交換

○はじめに、MSUの概要や研究内容についてのプレゼンテーションを受けたのち、日本側からは、久間議員からの科学技術政策の説明、岸外務大臣科技顧問からの科学技術外交についての説明に続き、各PDからプレゼンテーションを行い、活発な意見交換を行いました。

○意見交換後、久間議員は、MSUからのインタビューに応じ、今回訪問の主旨等の説明をしました。

※インタビューの模様は、MSU より2018年1月19日にYouTubeにて公開されています。
 "In Conversation with Dr. Kazuo Kyuma" 2018年1月19日公開(MSU- Management and Science University)


マネジメント&サイエンス大学での意見交換の様子


藤野PDからのプレゼンテーション


(3)マレーシア・ハイテク産官機構 Malaysian Industry-Government Group for High Technology:MIGHT

日時:1/16(火)11:00~12:15

先方:ザクリ・アブドゥル・ハミド首相科学顧問(Prof. Zakri Abdul Hamid)ほか

  • 日本の科学技術政策、Society5.0、SIP等について発表及び意見交換

○ザクリ首相科学顧問からのマレーシアにおける科学技術政策についてのご説明を受け、岸外務大臣科技顧問から、ASEANが参加するe-ASIAへのマレーシアの研究機関の積極的な参画を要請するとともに、今後の日本との協力関係について、活発な意見交換を行いました。

○マレーシアと日本は、気候変動や環境破壊、少子化といった現在進行中かつ共通の課題を抱えており、分野を決めて両国の専門家によるグループを立ち上げ、今後の協力に向けた議論を開始してはどうかとの提案がなされました。

○各PDからのプレゼンテーションでは、農業分野、防災分野を中心に活発な意見交換を行いました。


ザクリ首相科学顧問と久間議員


(4)科学技術・イノベーション省 Ministry of Science, Technology and Innovation:MOSTI

日時:1/16(火)13:15~14:15

先方:テオ国際関係局長(Teoh Phi Li) ほか

  • 日本の科学技術政策、Society5.0、SIP等について発表及び意見交換

○テオ国際関係局長より歓迎のご挨拶が述べられた後,日本側より、科学技術イノベーション政策、Society5.0、SIP4課題の概要を説明しました。

○意見交換では、マレーシアの科学技術イノベーション政策であるNPSTI(National Policy on Science, Technology and Innovation)はSIPのテーマをカバーしており、両国協力のプラットフォームになるのではないか、特に、農業は大きなセクターになるとの意見がありました。


マレーシア科学技術・イノベ―ション省での意見交換の様子


マレーシア科学技術・イノベ―ション省の外観


(5)マレーシア日本国際工科院 Malaysia-Japan International Institute of Technology:MJIIT

日時:1/16(火)16:00~17:15

先方:ルビヤ院長(Prof. Datin Dr. Rubiyah bt. Yusof)、牧島副院長ほか

  • 日本の科学技術政策、Society5.0、SIP等について発表及び意見交換

○マレーシア日本国際工科院は、マレーシアに日本型の工学系教育を行う大学を設立する構想から出発し、UTM(マレーシア工科大学)内に設置されています。はじめに、ルビヤ院長より、今回の訪問の御礼ならびに大学制度等のご説明を受け、久間議員、岸顧問の日本における科学技術政策の取組の説明、各PD及びサブPDからの課題の進捗状況、成果等のプレゼンテーションを行いました。


マレーシア日本国際工科院での意見交換の様子


マレーシア日本国際工科院訪問後の記念撮影