「国立研究開発法人の機能強化に向けた取組について」の策定について(R6.3.29関係府省申合せ)

 我が国を取り巻く国際環境が厳しさを増し、先端技術が著しく進展をみせる中で、科学技術・イノベーションを要として国家的重要課題に戦略的に対応し、国際社会で存在感と貢献度を拡大していくことが重要となっています。特に、資金配分機関を含む国立研究開発法人 (以下、「国研」という。)は、産学官連携の中核を担うと同時に、科学技術・イノベーション政策を根幹から支える機関であることを踏まえ、社会情勢等に応じた英知の機動的な結集を可能とし、国家的重要課題に戦略的に対応するため、研究基盤や人材の充実に向けた新たな連携の構築を図ること により、その機能を強化することが求められています。
 各国研は、既に様々な面で組織体制やインフラの整備・高度化、人材育成の充実などにより、その機能の強化に取り組んでいますが、一方で、新たな業務の増大や経済安全保障をはじめとした新しい行政ニーズへの対応等、様々な情勢変化に伴って業務運営は厳しさを増しているところです。
 国研が研究力を高めるとともに、その成果を社会実装につなげていくためには、研究者や研究推進支援人材(研究マネジメント人材、知財マネジメント人材等)をはじめとして、国内外から多様で優秀な人材を確保・育成し、その能力を最大限に引き出していくことが不可欠です。具体的には、国研が他の国研とも連携・協力しながら、柔軟な人事・給与制度の導入や研修等の人材育成機会の確保、研究セキュリティ・インテグリティの一層の強化を図るとともに、新たな研究成果の社会実装の推進に向けて取り組んでいくことが必要です。
 このため、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局及び国研を所管する府省担当部局において、国研の機能強化に向けた取組についての申合せを策定しました。本申合せに基づき、国研を所管する府省は、所管する国研とともに、各法人の規模や実情に応じて、他の法人との連携・協力や、好事例の相互参照を進めつつ、機能強化に向けた取組を進めることとしています。