日英量子技術協力 — 協力覚書に基づく共同会合を通じた標準化・人材育成・実証基盤での連携強化

令和7年11月7日
内閣府
科学技術・イノベーション推進事務局

1.概要

2025年11月6日、在英国日本国大使館において、内閣府と在英国日本国大使館が共催で、学術界を中心とした量子技術ミーティング、続いて産官学ワークショップ、さらに参加者を広げたレセプションを開催しました。

日英両国は、本年4月に「日英間の量子科学技術に関する協力覚書(MoC)」に署名しました。政府間のMoCに加え、同月には産業団体Q-STARとUKQuantumの間で了解覚書(MoU)が締結され、さらに11月には研究機関G-QuATとNQCC、G-QuATとNPLの間でMoUが締結されるなど、産学官の協力体制が整いました。

今回、両国の政府・産業界・学術界が初めて一堂に会し、締結済みのMoCおよびMoUに基づき、量子技術分野における今後の日英間連携の方向性を確認しました。

 1.量子技術ミーティング
  大学・研究機関の研究者を中心に、量子技術を活用したセンシングや測位・時刻同期(PNT)などの最新動向、技術課題、今後の協力の方向性について議論しました。ここで得られた知見や協力の柱が、続く産学官ワークショップの議論の土台となりました。

 2.産学官ワークショップ
  両国の政府、産業界、学術界の主要関係者が一堂に会し、締結済みのMoCおよびMoUに基づき、標準化・人材育成・実証基盤の三本柱で具体的な協力方針やアクションを議論しました。また、産官学が相互理解を深め、全体の協力体制と役割分担を明確化する成果につながりました。

 3.レセプション
  ワークショップ終了後、レセプションを開催し、産学官から約90名の多様な関係者が参加し、今後の共同プロジェクトや国際連携の基盤となる幅広いネットワークと信頼関係が形成されました。

  • レセプションの様子
  • レセプションの様子

2.背景・趣旨

標準化・ガバナンスに関する協力
量子技術の国際標準化に向け、計量機関連携(NMI-Q)や標準化専門委員会(IEC/ISO JTC 3)などの国際枠組みを活用し、両国が協力を一層強化する方針を確認しました。今後、共同で取り組む分野を特定し、国際標準化への貢献を加速します。

教育・人材育成の強化
量子分野の人材基盤を強化するため、人材育成を共通課題として位置付け、プログラム情報の相互共有や交流機会の創出を通じて、両国が互いに学び合いながら育成体制を強化する方針で一致しました。

インフラ・試験施設の共同利用と産業応用
産総研G-QuATや英国NQCCなどの実証施設を相互に活用し、評価手法の共有、データ連携、サプライチェーン評価などにおいて協力を推進することを確認しました。量子技術の産業界での実用化も視野に入れています。

学術界・産業界・政府間の協力体制の明確化
両国の政府・産業界・学術界が相互理解を深め、協力体制およびそれぞれの役割分担を整理・明確化しました。

産学官ネットワークの強化と信頼関係の構築
学術ミーティングや産学官ワークショップ、レセプション等を通じて新たなつながりが生まれ、今後の共同研究や国際連携の基盤となる幅広いネットワークと信頼関係が形成されました。

3.関連する協力覚書

5.問合せ先

内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局
 重要課題(量子・マテリアル)担当 河野・白木・新井
  電話:03-6257-1153(直通)