北方領土返還要求運動

北方領土返還要求運動とは

北方領土問題の解決のためには、ロシアとの外交交渉を粘り強く継続していく必要がありますが、この交渉を後押しする最大の力は、北方領土の返還を求める一致した国民世論です。
このような国民世論の啓発に、長年にわたって重要な役割を担っているのが、官民の様々な主体による北方領土返還要求運動です。民間団体や地元・北海道の自治体が中心となって、署名活動や講演会など様々な取組が精力的に行われており、国民運動として全国的に展開されています。
政府においても北方領土の返還を求める国民世論をさらに結集するため、北方領土問題を政府広報の重要テーマとして取り上げ、テレビ、ラジオ、新聞、インターネットなどの各種媒体を通じて全国民を対象に広報活動を行っているほか、関係団体と連携して様々な取組を行っています。

北方領土返還要求運動のはじまり

北方領土返還要求運動は、終戦の年(昭和20年)の12月1日、当時の安藤石典(あんどういしすけ)根室町長が、連合国最高司令官マッカーサー元帥に対し「歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島は、古くから日本の領土であり、地理的にも歴史的にも北海道に附属するこれらの小諸島を米軍の保障占領下に置かれ、住民が安心して生業につくことのできるようにしてほしい」という旨の陳情書を取りまとめたことが始まりとされています。
このように終戦直後に、北方領土の元居住者をはじめ、四島と隣接する根室の人々によって上げられた領土返還要求の声は、やがて北海道全域、さらに全国各地へと展開していきました。


安藤石典 根室町長(当時)

マッカーサー元帥に宛てた陳情書

北方領土の日


「北方領土の日」に開催される北方領土返還要求全国大会

北方領土問題に対する国民の関心と理解をさらに深め、北方領土返還要求運動の全国的な盛り上がりを図るため、政府は2月7日「北方領土の日」と設定しています。
毎年、「北方領土の日」には、東京で「北方領土返還要求全国大会」が、内閣総理大臣、各政党の代表、元島民、返還運動関係者などの出席のもとに開催されるとともに、この日を中心に全国各地で多彩な行事が行われています。

北方領土返還運動全国強調月間


パネル展(高知県)

毎年、2月と8月「北方領土返還運動全国強調月間」であり、期間中には全国各地で集会、講演会、キャラバン、パネル展などの多彩な行事が開催されています。
この「強調月間」は、昭和61年に、返還運動を推進するための地域基盤として各都道府県に設置されている県民会議の全国会議において、全国で返還要求運動をより積極的に展開するために設定されました。

署名活動


署名活動(富山県)

国民の意志を直接表明する手段として、北方領土の返還を求める署名活動が全国で行われています。集められた署名は毎年、国会に請願として提出されています。
※請願法に基づく官公署に対する請願については、電子署名による署名簿の添付等も制度上可能です。

北方領土返還促進に関する政府要請


要望書の手交

令和2年11月10日、鈴木直道北海道知事をはじめとする、返還要求運動関係者の代表が総理官邸を訪問し、菅内閣総理大臣、河野北方対策担当大臣等に対して北方領土問題解決促進の要請を行いました。