06 課室長・参事官級
泉 吉顕(IZUMI Yoshiaki)(23年目)
公益認定等委員会事務局総務課長
過去の経緯にとらわれず、粘り強くコミュニケーションを取る
現在は、公益認定等委員会事務局で勤務しています。この部局は、公益法人になりたいと考える法人を審査するとともに、公益法人となった後の法人の監督を行っています。公益法人が活動しやすいように制度を運営するとともに、公益法人に対する国民の信頼が損なわれないよう法人の活動が適正に行われるようにすることが使命となっています。公益法人制度は明治時代に作られ、平成20年に新しい制度となりましたが、現在は約15年ぶりにその見直しを行っているところであり、法改正を行う予定となっています。
現在のポストは総務課長ということで、業務の進捗管理や事務局内の人事などを行っており、事務局内のマネジメントが主な業務となっています。
仕事で大事だと考えていることは、役所と国民の対立、役所間の対立、あるいは職員同士の対立など、様々なところで軋轢は生じることがありますが、その時に、その軋轢を積極的に解消していくことです。これらの軋轢が生じるのは、どちらかが間違ったことを主張しているからではなく、コミュニケーション不足によるものがほとんどだと感じています。思い描いている前提が異なっていたり、真に実現したいことをうまく表現できておらず誤解を与えているということなどです。特に役所同士の対立が生じているときに、内閣府は良くも悪くもしがらみが少ない役所ですので、過去の経緯にとらわれず、目的を確認したり共通点を探したりすることで役所間の対立を調整できたという経験があります。
最後は制度そのものの変更がなければ対応できない場合もありますので、制度維持に必ずしも固執せず、柔軟に議論をすることも大切だと考えています。もちろん制度を頻繁に変えることは混乱を招くことになりますので、柔軟過ぎる対応が良いわけでもありませんが、粘り強くコミュニケーションを取っていくことを大事にしています。
学生へのメッセージ
就職時には関心のない分野であっても、業務として取り組むと簡単には解決できない課題があり、興味がわいてくるということを経験してきました。今の関心が今後変わっていきそうだと思う方には、内閣府は向いていると思います。
経歴・業務経験
- 平成12年
- 採用
- 採用後最初に配属された部局は男女共同参画室で、法律に基づく最初の基本計画策定に携わりました。政府の意思決定が実際にどのように決まっていくのかを目の当たりにしました。
- 係長時代の防災担当では、各府省が取り組む防災対策を整合性のあるものとするべく、その総合調整には各府省の信頼を得ることが重要なことを感じました。
- 平成16年
- 留学(豪・メルボルン大学)
- 平成19年
- 賞勲局総務課課長補佐(企画担当)
- 平成20年
- 大臣官房総務課課長補佐(調整担当)
- 平成22年
- 政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(障害者施策担当)付参事官補佐
- 障害者基本法の改正に携わりました。障害のある方や関係者との議論を何度も行いながら、どのような内容であれば多くの人の賛同を得られるかを探った日々でした。
- 平成24年
- 愛知県警察本部生活安全部少年課長
- 平成26年
- 内閣官房内閣総務官室参事官補佐(企画担当)
- 平成28年
- 大臣官房人事課課長補佐(企画担当)
- 平成30年
- 宮内庁長官官房宮務課秋篠宮付
- 令和2年
- 子ども・子育て本部企業主導型保育事業等担当室長
育児休業
- 保育所を作りたい事業者を民間から拠出された資金で支援する事業に携わり、適正かつ柔軟な対応の難しさを感じました。
- 令和3年
- 公益認定等委員会事務局総務課長