09 内閣府の外で活躍する職員

  入府後数年経つと、本人の能力、適性などに応じて他省庁や地方公共団体などとの人事交流、在外公館や国際機関での海外勤務などの機会も与えられます。少数ではありますが、地方支分部局である沖縄総合事務局で勤務する人もいます。また、経済分析などの専門知識を身に付けて大学の教職に就く機会もあります。

令和5年1月1日現在の出向等状況

他省庁等
  • 内閣官房
  • デジタル庁
  • 宮内庁
  • カジノ管理委員会
  • 消費者庁
  • 金融庁
  • 復興庁
  • 総務省
  • 公害等調整委員会
  • 外務省
  • 財務省
  • 文部科学省
  • 厚生労働省
  • 農林水産省
  • 中小企業庁
  • 国土交通省
  • 観光庁
  • 防衛省
大学・研究機関等
  • 福岡大学
  • 政策研究大学院大学
  • 一橋大学
  • 京都大学
  • 連合総合生活開発研究所
  • 世界平和研究所
  • 科学技術振興機構
  • 日本経済研究センター
  • チェコ共和国プラハ経済大学
(そのほか、過去実績)
  • 国際協力機構研究所
  • 東京財団政策研究所
  • ISEAS(Yusof Ishak Instituteなど)
在外公館等
  • アメリカ合衆国
  • ロシア
  • 中華人民共和国
  • タイ
  • スウェーデン
  • OECD(パリ)
  • JETRO(ニューヨーク)
  • IMFアジア太平洋地域事務所など
地方公共団体等・民間団体・出先機関等
  • 兵庫県神戸市
  • 岡山県総社市
  • 沖縄県石垣市
  • 国立公文書館
  • 国民生活センター
  • 日本銀行
  • 沖縄振興開発金融公庫
  • 地域経済活性化支援機構
  • 沖縄科学技術大学院大学学園
  • 医薬品医療機器総合機構

脇 奈七(WAKI Nana)(14年目)

岡山県総社市総合政策部長

市民に寄り添い迅速に課題解決のために動く

脇さんの写真

  岡山県南西部。かつて古代吉備国中心地として栄え、現在は市民に徹底して寄り添う市政を行っているのが、総社市です。13年連続転入超過の総社市で、私は総合政策部長として、総合計画や大学等との連携、移住定住、広報、DX等を担当しています。
  人口規模は約7万人。素早く市政が動き、その点は内閣府の仕事と同じです。内閣府との大きな違いは、業務の対象範囲と規模です。規模が小さい分、総社市は職員が市政全体の主要事業を把握し、課題解決のため問題意識を共有し、時には部署を超えて共に対応します。
  基礎自治体は、静かに、急速に変容しており、総社市も例外ではありません。人口の年齢構成や価値観の変化、農家の減少、共働き世帯の増加、定年延長。これらはすべて地域自治組織、ひいては地方の弱体化につながる社会変化です。地域ごとに異なる変化にどう対応し、市民の幸せのために何を守ってどのような総社市にするのか。議論し、奮闘する日々です。
  市民に徹底して寄り添う総社市の覚悟に触れたこと、市政全体を把握できたこと、課題の最前線に身を置いたこと。これらは、私の大きな財産です。我が国の将来像を描くチャンスには、この経験を生かしたいと思います。

経歴

平成21年
採用
男女共同参画局総務課総括係
平成22年
国際平和協力本部事務局企画係
同年
内閣官房情報公開法改正準備室室員
平成23年
内閣官房宇宙開発戦略本部事務局局員
平成24年
政策統括官(防災担当)付参事官(総括担当)付総括担当主査
平成26年
政策統括官(防災担当)付参事官(総括担当)付政策企画・法制担当主査
平成27年
留学(米・ジョージア州立大学)
平成29年
日本学術会議事務局企画課課長補佐(総括担当)
令和2年
現職

大床 怜子(ODOKO Reiko)(14年目)

経済協力開発機構(OECD)事務局
科学技術産業局デジタル経済政策課消費者政策アナリスト

総合的な政策課題に大局的なビジョンを示す

大床さんの写真

  2020年3月より、パリのOECD(経済協力開発機構)にて消費者政策委員会を支える政策アナリストとして働いています。当委員会は現在、「デジタル」及び「グリーン」の二つを主な柱としており、デジタル時代の消費者脆弱性、AIの活用によるオンライン取引のモニタリング、ウェブサイト上の「ダークパターン」(ユーザーを騙すために慎重に作られたインターフェイス)に対する規制強化等のプロジェクトを推進しています。また今後、行動経済学的な観点から、消費者が環境負荷の少ない選択を行うにあたっての阻害要因分析のための実証実験を行う予定です。国際機関の職員として、こういったプロジェクトの基になる調査の設計や報告書執筆を直接担当できることは、得難い経験であると感じます。
  当委員会に限らずOECDでは、SDGsのような総合的な政策課題を多角的な視点を用いて解決していくことを主な使命としており、複数の政策分野を横断するようなプロジェクトが多く存在します。またそれらを解決するための勧告や提言といった国際的な合意形成もOECDの強みの一つですが、その策定にあたっては各国での先行事例や国際比較の観点からのデータといったエビデンスが非常に重視されています。
  これらの点は、多くの社会問題や制度が絡みあって発生する構造的な課題に対して、「大綱」や「基本計画」等の大局的なビジョンを示すことで問題解決を目指すという、内閣府の役割と共通する点が多くあるように思います。

経歴

平成21年
採用
国民生活局総務課
同年
消費者庁総務課
平成22年
大臣官房総務課審査係
平成23年
民間資金等活用事業(PFI)推進室
平成24年
同 主査
同年
内閣官房内閣広報室主査
平成25年
留学(英・ロンドン大学(LSE, UCL))
平成27年
外務省総合外交政策局安全保障政策課
平成29年
同 課長補佐
同年
子ども・子育て本部参事官(少子化対策担当)付参事官補佐(企画担当)
令和元年
消費者庁消費者教育推進課課長補佐(総括担当)
令和2年
現職