I.植物、動物、農・畜・水産物

2.植物検疫

Q1−2

植物検疫の手続や方法について教えてください。輸出国の検査証明書を提出すれば、輸入検疫は免除になりますか。また、日本への輸入に先立ち輸出国や輸送中に消毒すれば、検疫済として輸入が認められますか。


 

Answer

植物の輸入に当っては、ごく一部の植物を除いて輸出国の植物検疫機関が発行する検査証明書を添付し、植物検疫を受けたものでなければ輸入ができません。また、輸入の前に自主的な消毒を実施した場合であっても、輸入植物検疫は実施されます。輸入が禁止されているものもありますが、輸出国で病害虫に対する消毒技術が確立したり、病害虫の発生していない地域を確立した等、病害虫の侵入を防止する措置が確立した場合には、試験や調査を経て品目毎に輸入が解禁されます。

(植物防疫法)

 

1.植物検疫は、我が国の農産物等に有害な病害虫の侵入を防止することを目的に、国際植物防疫条約及び植物防疫法に基づいて行われています。

2.植物を輸入する場合には、アーモンド、ココやし、こしょう等の乾燥した種子など、病害虫が付着するおそれが非常に少ないものを除いては、輸出国の植物検疫機関が発行する検査証明書又はその写しの添付してあるものでなければ、輸入そのものができません。

3.検査証明書を添付して輸入される植物については、実際に病害虫の付着がないかどうかの検査等が実施されます。植物やそれに付着する病害虫は、工業製品のような規格化されたものではないことから、検査証明書で全ての危険性を排除することが困難であり、このため輸出国側と輸入国側で病害虫のダブルチェックを行うことは、世界各国が採用している植物検疫の手続です。なお、日本では輸入検疫検査で病害虫が発見された際に消毒などの処理の対象とならない病害虫(非検疫有害動植物)を定めています。最近では、平成17年4月に46種類の病害虫が非検疫有害動植物として追加されました。

4.輸入植物検査は、このように輸入時点で実際の植物を検査し、病害虫の付着がないかを検査しています。我が国への輸入に先出ち、輸出国側や輸送中に消毒等を実施し、植物に付着している病害虫が死滅していれば、我が国での輸入植物検査において合格となる可能性が格段に高まりますので有効な手段かもしれません。

ただし、植物に付着していた病害虫が死滅しているかどうかの確認をするためにも輸入植物検査を省略することはできませんし、輸入植物検査で生きた病害虫が発見された場合には、輸入に先立つ消毒の有無に関わらず、必要な検疫措置が行われなければ輸入ができませんが、ここで再びくん蒸等の消毒を実施することは、植物類に大きなダメージを与える可能性もありますので、その点に留意が必要です。

なお、輸送中に消毒をする場合、残留する消毒薬剤が人体に有害であるものなどを使用することは、輸送、荷役、輸入者等に与える危害防止の観点からも禁止されます。