VIII.化学製品・危険物

2.労働者の安全確保(新規化学物質及びアスベスト含有製品)

Q8−2

新規の化学物質を輸入する際、労働者の健康障害防止のために実施される有害性調査とはどのようなものですか。 また、労働者の安全確保の観点から、アスベスト(石綿)含有製品の輸入に関する規定はどのようになされていますか。 

Answer

新規化学物質の輸入に際しては、発がん性等を調べるがん原性試験又は、微生物を用いる変異原性試験が行われています。 また、石綿を含有する製品の輸入は原則禁止されています。

(労働安全衛生法)

1.化学物質が職場に導入される前にその有害性を知り、その有害性に対応して労働者の健康障害を防止するための措置をとることが必要です。労働安全衛生法では、新規化学物質を輸入しようとする事業者は、一定の有害性の調査を行いその結果を厚生労働大臣に届出ることとされています(輸入量が年間100kg以下の場合で、厚生労働大臣の確認を受けたものについては当該確認した有効期間中届け出る必要はない)。厚生労働大臣は、その届出に対し学識経験者の意見を参考に、必要な指導を実施しています。

2.有害性の調査は、変異原性試験、これと同等の知見を得られる試験又はがん原性試験のいずれかの試験によることとされていますが、微生物を用いる変異原性試験(エームス試験)が最も一般的です。微生物を用いる変異原性試験等の試験結果を届出る場合には、厚生労働大臣の定めた試験施設等が具備すべき基準(GLP)に合致した施設で厚生労働大臣が定める基準により試験を行う必要があります。外国で行われた試験結果であっても、OECD−GLPに準拠して行われたもので、かつ、OECDテストガイドラインに準拠して試験が実施されていれば、届出を受理しています。

3.石綿を含有する製品に関しては、労働者のばく露防止の観点から、平成16年10月に改正労働安全衛生法施行令によって、一部代替化が困難なものを除き輸入、製造、使用が原則として禁止されています。また、平成17年7月には、石綿障害予防規則が施行され、建築物の解体等の作業における石綿対策が強化されています。