IX.通関手続

2.特恵関税

Q9−2

特恵関税とはどのようなものか、教えてください。


 

Answer

特恵関税制度とは、開発途上国の経済発展を援助するために、途上国等からの輸入品について、先進国からの輸入品に対して低く設定された税率を適用する制度です。

(関税暫定措置法)
 
1.我が国では、昭和46年8月より特恵関税制度を発足させ、現在142か国及び15地域に対して特恵関税を供与しています(平成18年4月1日現在)。

2.農水産品(HS1〜24類)については、特定の約340品目を選定し、その品目に対してのみ特恵関税を供与しています。鉱工業産品(HS25〜76、78〜97類)については、国内産業事情等を考慮して石油、絹織物等特定品目を除く全品目(約3,300品目))に対して特恵関税を供与しています。農水産品は個々の品目毎に一般関税率より引き下げた税率となっており、一方、鉱工業品は、原則として無税ですが、シーリング対象品目(国内産業の実情により無税にすることが困難な特定品目等)について無税又は一般税率の20%、40%、60%、80%が適用されます。農水産品は国内産業に損害を与える等の理由により政令で適用停止があるまで特恵関税が適用される方式となっており、鉱工業産品については、同方式のほか、国内産業事情等を考慮し、年度毎にシーリング枠(適用限度枠)を設け管理する方法で特恵が適用されます。

3.特恵対象国から、特恵関税の適用を受けて物品を輸入する場合には、その物品が特恵対象国の原産であるということを証明する原産地証明書を、輸入申告の際に提出する必要があります。