OTO番号(492)

ＯＴＯ番号	492	各省庁番号	農-79
受付日付	平成5年4月7日	受付省庁	内閣府（経済企画庁）
担当省庁	農林水産省	関係法令	植物防疫法
苦情申立者	駐日米国大使館	輸入先	米国
事例名	りんごの輸入に係る検疫手続の簡素化・迅速化
処理内容	1．苦情の概要りんごの輸入承認、確認検査要件の緩和、検査員の増員をしかるべき期限内に実施してほしい。 2．担当省から以下のとおり回答。 (1)米国産のりんごについては、我が国に発生していない害虫であるコドリンガ及びアメリカリンゴコシンクイが発生している。 (2)我が国に未発生の火傷病も発生しているため、輸入を解禁するためには、これらの病害虫が日本に侵入することを防止するための十分な措置が施されなければならない。 3．回答後の担当省の対応等は以下のとおり。 (1)りんごの輸入承認平成６年８月にゴールデンデリシャス種及びレッドデリシャス種のりんご生果実が、平成11年７月にガラ種、グラニースミス種、ジョナゴールド種、ふじ種及びブレイバーン種のりんご生果実が、園地指定、消毒措置等の検疫措置により病害虫の侵入が防止できることが確認されたため、省令等の改正により輸入が解禁された。 (2)確認検査要件の緩和ＷＴＯ紛争解決機関の勧告に基づき、りんごを含む８品目について、我が国が輸入解禁に際し輸出国に対して要求していた従前の品種別試験要求の仕組みを平成11年12月に廃止した。その後、これらの品目のうち、りんごとさくらんぼに関しては、ＣＴ値法を導入することにより病害虫の侵入が防止できることが確認されたため、平成13年10月に省令等の改正を行った。 (3)検査官の増員輸出国に派遣する検査官については、現地における確認業務の効率化等により輸出国が必要とする人数を派遣できる体制に改善された。 4．米国としては、りんご火傷病の検疫措置について改善がなされていないとの主張があり、平成14年より開始されたＷＴＯパネルでの議論を注視したうえ、本苦情案件の取り扱いを検討する事となった。 5．平成15年12月、ＷＴＯ上級委員会においてりんご火傷病の検疫措置について衛生植物検疫措置の適用に関する協定（ＳＰＳ協定）に整合していないとするパネルの判断を支持する勧告が確定。平成16年１月、ＷＴＯ勧告を６月30日までに実施することで日米合意し、３月上旬より日米技術協議が開始されたが、必要な検疫措置に対する考え方で日米間に相違があり、合意には至らなかった。このため、我が国として、６月30日までにＷＴＯ勧告を実施するため、米国産りんご火傷病に係る検疫措置を改正したが、平成16年７月、ＷＴＯ紛争解決機関特別会合において米側の要請を受け再パネルが設置された。　平成17年６月23日にＷＴＯ再パネル報告が公表され、７月20日のＷＴＯ紛争解決機関定例会合において、我が国の検疫措置はＳＰＳ協定に整合しておらず、是正するべきであることが勧告された。これを受け、日米間技術協議、国民等からの意見・情報募集を経て、8月25日付けで、りんご生果実に係る火傷病検疫措置を改正・施行した。上記の対応がとられたことにより、本件の処理は終了となった。
処理分類	A	検討の方向	②－ア
備考	平成５年７月８日付文書にて回答。

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