個別苦情個票

ＯＴＯ番号	616	各省庁番号	厚-255
受付日付	平成12年10月30日	受付省庁	内閣府（経済企画庁）
担当省庁	厚生労働省（厚生省）	関係法令	薬事法
苦情申立者	欧州ビジネス協会協議会	輸入先	ドイツフランス
事例名	体外診断薬に係る規制緩和
処理内容	1．苦情の概要疾病の診断や経過観察等に用いられる体外診断薬は、体内に投与する医薬品と異なり、人体に直接作用するものではない。しかし、現行の薬事法のもとでは、医薬品に分類されているため、体外診断薬の輸入販売を行うためには、厚生労働大臣の承認を得なければならない。体外診断薬としての特例はあるものの、医薬品として資料を整備し、複雑な審査手続きを経なければならない。標準審査期間は6か月とされているにもかかわらず、実際は6か月以内に承認されているケースは全体の12%に過ぎず(1999年5月調査)、残りの88%は、7か月から1年以上、2年近くかかっているものもある。このような状況を解決するため、体外診断薬を医薬品とは別のカテゴリーとすることを、業界より厚生労働省に要望した経緯があり、また、厚生労働省の要請を受け、体外診断薬の基本通知である「薬発第622号（昭和60年6月29日）」の見直し、「平成11年度体外診断用医薬品標準化調査班」（河合研究班）の作業に協力してきた。以上を踏まえ、体外診断薬について、次の要望等を行う。 (1)体外診断薬を、薬事法のもとで医薬品のカテゴリーではあるが、別のユニークなサブカテゴリーとする制度を早急に策定すること。また、そのために、具体的に、何を、どのように、いつまでに行うのか。 (2)リスク分類により、リスクの低い体外診断薬は承認不要とし、届け出のみとするとともに、リスクの高い体外診断薬のみ要承認とすること。また、そのために、今後、具体的にどのような方策を講じるのか。 (3)体外診断薬の承認審査を6か月以内に終了すること。 2．担当省から以下のとおり回答。 (1)体外診断用医薬品については、「体外診断用医薬品の取扱いについて」(昭和60年6月29日薬発第622号）により既に通常の医薬品とは区分した申請手続きの簡素化が図られている。また、平成11年度体外診断用医薬品標準化調査班の報告を踏まえ、現在、EBC、ACCJ、日本臨床検査薬協会とともに申請資料等の見直しを行い、平成13年3月末までに、資料が簡素化されている分類の範囲を拡大することを予定している。 (2)体外診断用医薬品標準化調査班において、体外診断用医薬品について承認不要とする条件を検討しているところであるが、現時点においては、 1) 性能基準の設定が困難なこと、2) 品質性能管理の考え方が十分に普及していないこと、 3) 標準品の供給体制が十分に整っていないこと等から直ちに承認不要とすることは困難である。引き続き、調査班において、国内の品質管理体制の現状を調査し、諸外国で導入されている総合的な品質性能管理の仕組みについて研究を行っているところ。 (3)体外診断用医薬品の審査は、設定されている6ヶ月の標準的事務処理期間内で概ね審査が行われているが、適切な申請資料作成のためのチェックリスト作成を指導している他、平成13年1月より医薬品機構及び審査センターにおける事務処理の流れを改善したところ。 3.平成13年3月26日第17回OTO推進会議苦情処理部会において担当省から以下のとおり追加回答。 (1)事務処理については、医薬品機構では4、5ヶ月かかり、審査センターでは数ヶ月かかり6ヶ月を超えてしまっている。 (2)平成13年1月より、医薬品機構又は審査センターでそれぞれ重点的に審査する品目を分類し、調査・審査を効率的に行う改善を図った。当該改善策は平成13年2月26日の事務連絡で関係者にも周知を図った。 (3)申請区分に関し、新規性のあるもの以外は、保健衛生上のリスクに応じ、リスクの高いもの、リスクの低いものに分け、リスクの低いものについては申請資料の簡素化を図ることとする。現在、申請資料の区分の見直しについて検討しているところ。3月中に通知を発出したい。 (4)薬事法上は性能基準を設定して承認不要化すべきであろうが、性能基準を全ての製品について設定するのは時間がかかる。それ以外の承認不要とする方法は法改正を伴うものである。 4.平成13年5月14日第18回OTO推進会議苦情処理部会において担当省から以下のとおり追加回答。 (1)新規性があるもの以外は保健衛生上のリスクに応じた分類とし、平成13年3月末に、既に資料が簡素化されている分類の範囲を拡大したところである。 (2)市販後の性能及び品質に関する公的な監視体制等を強化することを前提として、新規項目及び保健衛生上リスクの高いもの以外の体外診断用医薬品のうち、 1) 標準品の国内供給の体制が整備されているものについては、性能基準（承認不要基準）を設定することにより承認不要化を行う、2) 標準品の国内供給の体制が整備されていないものについては、性能基準の設定ができないことから、企業自らがその製造工程で品質管理を行うための品質保証基準（GMP等）を義務づけることによる承認不要化の検討を行う。また、新たな標準品を供給できる体制の整備についても検討したい。 (3)実施時期については、関係者の意見の調整を行った上で、上記4.の(2)の 1) については、今後1～2年以内に実施できるよう努力していく。 5.平成14年6月7日第19回OTO推進会議苦情処理部会において担当省から以下のとおり追加回答。 (1)今国会（第154回）に法案を提出中の薬事法改正の中で、体外診断用医薬品のリスク分類による承認制度の見直しを行う予定。診断情報リスクが比較的低いと考えられる測定項目を測定するもののうち、較正用標準物質があり自己点検が容易なものについては承認を不要化し、それ以外のものは第三者認証とする。なお、新規測定項目及び診断情報リスクが比較的大きい測定項目を測定するもののみを承認制とする。 (2)現在、日本臨床検査薬協会などの関係団体と診断情報リスクが比較的低いと考えられる測定項目のリスト（案）及び低リスク項目の承認不要化のための基準（案）を検討中である。
処理分類	A	検討の方向	②－ア
備考	平成12年11月14日付文書にて回答。平成13年2月14日付文書にて追加回答。平成13年3月26日第17回OTO推進会議苦情処理部会において審議。平成13年5月14日第18回OTO推進会議苦情処理部会において審議。平成14年6月7日第19回OTO推進会議苦情処理部会において審議。

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