個別苦情個票

ＯＴＯ番号	617	各省庁番号	大-111
受付日付	平成12年10月31日	受付省庁	内閣府（経済企画庁）
担当省庁	財務省（大蔵省）	関係法令	関税法
苦情申立者	大阪商工会議所（代理申立）	輸入先	中国
事例名	コンテナ全量検査のためのX線検査機の導入
処理内容	1．苦情の概要　関税法第67条によれば貨物を輸入しようとする者は、貨物の品名、数量及び価格（輸入貨物については、課税標準となるべき数量及び価格）その他必要な事項を税関長に申告し、貨物につき必要な検査を経て、その許可を受けなければならないとされている。　コンテナ貨物が検査の対象となった場合、通関業者等は、税関指定の検査場にコンテナを搬送し、全量取出検査の場合には検査対象貨物を全量コンテナから取卸し、検査を受けることとなる。この際、通関業者等は、港湾内での運送事業の免許を自ら有しない場合には、免許を受けた港湾運送業者等に委託して検査場へのコンテナ搬入と貨物の取卸・開梱包等の作業を行わせる。こうした業務に関する料金は、輸入者が負担することとなっている。また、全量取出検査には時間を要するため、輸入者の貨物引取が遅れることとなる。　中国からの輸入貨物のコンテナが全量検査の対象になった。コンテナの検査場への搬入や検査場での貨物の出し入れに要する費用が高額でその一切が荷主の負担となっていることからビジネス上損失が出る。また、検査に数日を要し、荷主への納入に支障がでる。平成12年度に大型のＸ線検査機が横浜港に導入されるとのことだが、他港にも早急に導入すべきである。 2．担当省庁から以下のとおり回答。 (1)貨物を輸入しようとする者は、関税法第67条（輸出又は輸入の許可）の規定に基づき輸入の許可を受けるにあたり、必要な検査を受ける義務を有している。同条の検査は、関税等の適正な徴収、麻薬・けん銃等の社会悪物品の不正輸入の阻止など、貿易秩序の維持のために行っているものであり、このような取扱いは諸外国（ＥＣ、米国、韓国等）においても同様となっている。　　　　　　　　　　　　　　　　この場合、輸入者は、輸入貨物を検査を受ける場所へ自らの費用で持ち込み、検査を受ける義務を有している。 (2)近年、覚せい剤・麻薬等不正薬物や銃器問題が非常に深刻化しており、特に覚せい剤については「第3次覚せい剤乱用期」と言われ、コンテナ貨物の利用等による大口密輸事犯が続発している。税関では、社会悪物品の密輸入を水際で阻止するため、取締機器を拡充・高度化し、水際取締りの強化に努めている。　 (3)このように税関では検査にあたり、社会悪物品の摘発を目的とする一方で、引き続き、迅速通関の要請にも配慮しつつ物流を阻害することのないよう配慮していくこととしており、トレーラーに載せたままコンテナごと検査できる大型Ｘ線検査装置の導入等により、検査に係る所要時間の短縮に向けて、検査体制の効率化を進めていくことととしている。この大型Ｘ線検査装置については、平成12年度中に横浜港へ導入する予定である。また、平成12年度補正予算にて、神戸、大阪の両税関に同様のＸ線検査装置（建屋部分）に係る予算措置が講じられたところである。
処理分類	Ca	検討の方向	②－ア
備考

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