個別苦情個票

ＯＴＯ番号	643	各省庁番号	農水-3
受付日付	平成13年8月22日	受付省庁	内閣府
担当省庁	農林水産省	関係法令	農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
苦情申立者	国内業者	輸入先	スリランカ民主社会主義共和国
事例名	新たに導入された登録外国認定機関制度（JAS法）の活用
処理内容	1．苦情の概要 (1) 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律（平成11年法律第108号）等に基づき、平成13年４月１日以降に、生産、製造、加工又は小分けされる農産物又はこれを原材料とする加工食品については、日本農林規格による格付の表示（有機JASマーク）が貼付されていない場合には、有機農産物又は有機農産物加工品である旨の表示若しくはこれと紛らわしい表示を付することはできないこととなった。（法第19条の10）この有機JASマークの貼付について、輸入農産物等の場合、 1] 登録外国認定機関（JAS制度と同等の格付制度を有する外国において、日本国内の登録認定機関と同様の要件を満たす機関として農林水産大臣の登録を受けた法人）による認定を受けた外国の製造業者、生産行程管理者等が貼付する場合（法第19条の３、同条の６の４）、 2] 有機農産物についてJAS制度と同等の格付制度を有する外国において、当該国の制度の下で認証を受けた有機農産物であって、そのことについて当該国の政府機関その他これに準ずる機関が発行する証明書が添付されているものについて、登録認定機関による認定を受けた輸入業者が有機JASマークを貼付する場合（法第15条の７）及び 3] 日本国内の登録認定機関が外国の製造業者等の認定を行い、同製造業者等が貼付する場合（法第19条の３）の三通りの方法がある。 (2) 申出人のうち１人は、スリランカから有機栽培紅茶を輸入する業者であり、新JAS制度施行にあたっては、上記 (1) 1] の登録外国認定機関による認定を受けたスリランカの製造業者等が有機JASマークを貼付した物資を輸入することを予定していた。 (3) しかし、平成13年８月現在、上記 (1) 1] の登録外国認定機関に指定されている機関はなく（登録申請中：１機関）、登録外国認定機関の枠組みを使って有機JASマークを貼付した物資を輸入することはできない状況にある。また、スリランカは、JAS制度と同等の格付制度を有する国として認められていないため、上記 (1) 2] の認定輸入業者が有機JASマークを貼付する方法も取ることができない。更に、上記 (1) 3] の日本国内の登録認定機関による外国製造業者等の認定については、そもそも日本国内における製造業者等の認定が進んでおらず、当面、有機JASマークが貼付されていない物資でも加工等の原材料として使用できる旨の暫定措置が講じられているような状況であり、当面、その認定を受けることは見込めない状況にある。つまり、平成13年４月以降、現在（同年８月）まで、スリランカから有機栽培紅茶を輸入しようとしても、輸入業者は、有機JASマークを貼付した物資を輸入することも、また、自ら有機JASマークを貼付することもできない状況となっている。 (4) したがって、農林水産省は、上記(3) の状況を解決し、輸入業者が有機JASマーク付きの物資を扱えるようにするとともに、今後、輸入業者が新JAS制度を円滑に活用できるよう、以下の措置を講じてほしい。 1) 登録外国認定機関の登録を直ちに行い、本来、平成13年４月１日から活用できるはずであった新JAS法上の制度（登録外国認定機関の認定を受けた製造業者等による有機JASマークの貼付）を活用できるようにすること。また、外国政府機関等に対する我が国JAS制度の周知・広報活動を積極的に行い、登録外国認定機関の登録機関数を増やす措置を講ずること。 2) 輸入農産物等について、上記 (1) 1] ～ 3] の３方法のいずれを活用すべきか、輸入業者が的確に判断できるよう、登録外国認定機関の登録申請をしている機関を公表するとともに、登録外国認定機関の登録申請から登録までに要する期間について、標準事務処理期間を示すこと。 2．担当省から以下のとおり回答。登録外国認定機関の登録及び外国政府機関等に対するJAS制度の周知広報活動については、以下のとおり行っているところである。 (1)平成13年3月に、有機農産物及び有機農産物加工食品について、日本農林規格による格付の制度と同等の水準にあると認められる格付の制度を有している国（JAS法第19条の6の2第1項）として、ＥＵ（15カ国）及びオーストラリアを公示したところである。この公示を受けて、外国の機関から登録の申請が行われ、現在順次審査を行っているところである。 8月には、オーストラリアの一機関が登録外国認定機関として登録されたところである。 (2)改正JAS法に基づく有機農産物及び有機農産物加工食品の生産基準の導入については、99年10月にＷＴＯを通じて各加盟国に通報した。また、外国産農林物資のJAS格付に関する輸出国制度との同等性確認手続きについては、2000年9月13日通商弘報にて公示するとともに、その写しを農水省より全在京大使館にも送付した。更に、同内容を英訳し、2000年9月29日付けMAFF　UPDATEにても公示した。更に、改正JAS制度に関する情報を農水省ホームページにて、日本語及び英語にて公開するとともに、在京大使館等よりの電話や来訪による照会にも対応しているところである。 (3)登録外国認定機関の登録申請機関の公表については、当該機関の個人情報に属することから適当でない。 (4)登録外国認定機関の登録に要する標準処理期間については、検討中である。（備考）その後、担当省は、平成13年９月17日付け13総合第2500号で一部改正した「登録認定機関及び登録外国認定機関の登録、登録の更新、認定手数料及び認定業務規程の認可その他の監督に関する要領」の第10（標準処理期間）において、標準処理期間を３か月以内と定めた。 3. 本件については、上記回答後、平成13年度問題提起プロセス（1-(3)新たに導入された登録外国認定機関制度の活用（有機JAS））へ移行。市場開放問題苦情処理対策本部決定（平成14年３月）として、以下の決定がなされた。 (1) 今回の問題提起を契機として新たに登録外国認定機関等の登録に係る標準処理期間を定め、その期間を３か月以内と設定したが、その実行に当たっては、事務処理の効率化等を図り申請の迅速な処理に努める。 (2) 輸入業者等が円滑に登録外国認定機関を活用することができるよう登録外国認定機関の増加を図る観点から、登録申請に必要な書類等の一部について、英語による記載を認める等登録外国認定機関の登録を容易にするための具体的措置を検討する。 (3) 輸入業者等がJAS制度と同等性を有する国として指定されていない国の機関についても登録外国認定機関として活用することを可能にし、登録外国認定機関の適正な運営・監督を確保するため、「JAS制度と同等制度を有する国」を要件としないこと、またその場合には、国際的に信頼性が確立している機関（例えばIOAS）に登録されている機関を活用すること等JAS法の改正について検討し、必要な措置を講ずる。
処理分類	A	検討の方向	①－イ ④
備考	平成13年8月30日付文書にて回答平成13年10月26日付文書にて回答平成14年2月25日平成13年度第3回OTO推進会議専門家会議において審議平成14年3月18日OTO推進会議第７回報告書取りまとめ平成14年3月20日OTO対策本部決定

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