個別苦情個票

ＯＴＯ番号	646	各省庁番号	財-1
受付日付	平成14年1月15日	受付省庁	内閣府
担当省庁	財務省	関係法令	関税法
苦情申立者	国内業者	輸入先
事例名	事前教示制度における回答の有効性について
処理内容	1．苦情の概要文書による事前教示制度は、適用困難な商品の税番、税率を早急に知りたい時には回答の迅速性を求めることから、利用者には不便である。輸入業者は、早急な契約、商談に対応するため事前に商品の税番、税率を把握する必要から税番、税率が変更になるリスクを負いつつも、日常的に口頭による事前教示制度を利用せざるを得ない状況である。最近は多機能化、複雑化した商品が市場に多く出回っており、現状の文書による事前教示回答書では輸入品と同一であることの照合が難しい商品もある。商品により様々な方法（見本、図面、写真等）での事前教示を受け付けるとともに、口頭による事前教示回答記録票を保存することにより内容確認を可能とすべきである。そのため、税関で口頭による事前教示を行った場合、輸入申告の際に事前教示で照会した回答日付、回答鑑査官名、回答内容を輸入者が伝えることにより商品の税番、税率を確定し迅速な通関を行うべきである。また、税関でも照会者、照会事項、回答の内容、回答者等を記録し、輸入者が輸入申告する際にその記録票を回答書として添付すべきである。また、商品見本、図面、写真等による事前教示についても同様に取り扱うべきである。 (再意見）そもそも文書による事前教示制度は、輸入者からみると税関の関税鑑査官による税番、税率の分類の不一致を、税関がその責を負わずして、輸入者に負担を強いた不公正な制度と考える。我々は、日々一刻を争うビジネスを行っており、輸入品の関税についても迅速に確認する必要があり、事前教示の申請のために多くの時間と労力をかけることは実質的に不可能である。現行の文書による事前教示は手続的に煩雑であり、過去において何回も修正を求められ、結果的に多くの時間と労力を要した。しかし、実際には口頭による事前教示制度を利用せざるを得ない状況であるが、かつて口頭による事前教示の回答(無税)を前提に輸入したが、他の税関で輸入通関した時に課税される旨の決定を受け、事後審扱いとして引渡を行い、最終的に無税扱いになったものの、その間の照会書作成のために多くの時間と労力と費用が割かれることになった。このため、事前教示制度の利便性を高めるために、事前教示に関する手続事務をできるだけ簡素化、迅速化すべきである。例えば、分類の区分判断が容易にできるものについては、各税関に権限を与えるとともに、口頭による事前教示でも見本、図面、写真等を提出し、記録に残すことにより、通関時に事前教示を受けた物品であることを提示することが可能であるので、回答を文書で提出できるようにすべきである。また、仮に文書で事前教示を行わなければならない場合でも、分類の区分判断が容易にできるものについては、見本、図面、写真等の提出により文書申請の項目や内容等手続を大幅に簡素化し、利用者が容易に申請が出来るようにして、各税関において迅速に判断・回答ができるように改善すべきである。 Eメールによる事前教示について、文書によるものと同等の効力を持たせることは1歩前進と評価できるが、現行の文書による申請と同程度なものが必要であるとすると、実質的に現行と変わらない煩雑なものになる。したがって、その際には申請者の負担を軽減するためにも手続の簡素化を図るべきである。なお、輸入品が複雑で即断できない場合においては、申請者に回答までの日数の目安を提示するとともに、一層の迅速化・簡素化が図れるように改善すべきである。 2．担当省から以下のとおり回答。 (1) 文書による事前教示は、正式な回答を得たいという照会者の要望に応えるもので、照会内容については税関内部で慎重に検討の上、文書にて回答されます。照会者は、実際に物品を輸入する場合、当該回答書を輸入申告書に添付することにより、税関に事前教示を受けた物品の輸入であることを示せば、通関審査時にその回答内容が尊重されます。一方、口頭による照会は、正式ではないものの参考となる意見を早く得たいという照会者の要望に応えるもので、照会内容に対して通例その場で参考意見として回答するものです。 (2) なお、多機能化、複雑化した様々な商品が出回っている昨今の状況下において、文書による事前教示の場合、分類を検討するために必要となる商品情報の全てを文書として記述するのが困難な場合等、具体的な記述をより容易かつ正確なものとするため、照会書に見本、図面、写真等を、商品情報を補足するものとして添付することが可能な扱いとなっています。更に、事前教示制度の照会手続の利便性を向上させるため、現在、口頭によるものと同様、参考意見扱いとなっているEメールによる事前教示に、文書によるものと同等の効力を与えることについて、認証基盤が整備されることを前提に、平成15年度中に実施できるよう検討を進めているところです。 (3) 文書による事前教示は、口頭によるものに比べ検討に時間を要しますが、税関におきましては、できる限り迅速に回答するよう努力しておりますので、今後ともご理解・ご協力をお願いします。 3．担当省より以下のとおり再回答。 (1) 事前教示制度は、輸入関係者の皆さんが、あらかじめ輸入を予定している貨物の関税率表上の所属区分及び関税率等について税関に照会を行い、その回答を受けることができる制度です。これにより、事前に税率が分かることから原価計算が確実にでき、販売計画が立てやすくなります。また、事前教示照会書・回答書を輸入申告書に添付することにより、全国どこの税関で輸入申告を行った場合でも、貨物の税番、関税率等があらかじめ判明しているため、早期に貨物を引き取ることができるなどの利点があります。 (2) 輸入時に回答内容が尊重されるべき確定的な税番，税率は、まず照会を受けた物品の形状、成分、特性等の商品内容を確定し、税関内部で慎重に検討した上で、文書によって回答しております。従って、照会者自身から、文書により製品の形状、成分、特性等の正確な説明を受けることが必要です。このような商品内容が記載された照会書に対して回答した事前教示回答書を添付することで、全国のいかなる税関において申告されても、申告物品と事前教示を行った物品の同一性の確認が可能となります。なお、平成14年2月8日付の回答においてもお答えしたように、文書による事前教示については、分類を検討するために必要となる商品情報の全てを文書として記述するのが困難である等の場合、照会書を補足するものとして、見本、図面、写真等をこれに添付することで足りることとされています。 (3) 一方、電話、窓口への来訪等による口頭照会は、分類に関する意見を早く得たいという照会者の要望を受け、照会内容に対して通例その場で即時に参考意見として回答するものであり、上記のような文書による事前教示とはその趣旨が異なるものです。電話、窓口への来訪等による口頭説明では、商品の確定が困難な場合もあることについて、ご理解いただきたいと思います。 (4) 税関におきましては、今後とも、でき得る限り迅速に、また、必要最小限の資料の提出により回答するよう、努力してまいりますので、ご理解・ご協力をお願いします。
処理分類	D	検討の方向	②－ア
備考	平成14年２月８日付文書にて回答。平成14年６月25日付文書にて追加回答。

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