個別苦情個票

ＯＴＯ番号	647	各省庁番号	農水-4
受付日付	平成14年4月5日	受付省庁	内閣府
担当省庁	農林水産省	関係法令	家畜伝染病予防法
苦情申立者	外国企業の日本法人	輸入先	ドイツ連邦共和国
事例名	豚コレラ発生により採られたドイツ産豚肉及び同加工品等の輸入停止措置の迅速な解除
処理内容	1．苦情の概要 (1) ドイツ連邦共和国から日本向けに輸出される豚肉及び豚臓器並びにそれらを原料とするソーセージ、ハム及びベーコン等については、従前から、「ドイツ（ラインランド・プファルツ州を除く）においては豚コレラ※の発生がないこと。」等を条件にその輸入が認められていた。 ※家畜伝染病予防法上の伝染性疾病（法第２条） (2) 平成13年６月29日、ドイツ北部のニーデルザクセン州ゾルタウ県において豚コレラの発生が確認されたことから、農林水産省により、豚肉及び豚臓器並びにそれらを原料とするソーセージ、ハム及びベーコン等について、ドイツにおける清浄性が確認され、新たな家畜衛生条件が締結されるまでの間、ドイツからの輸入を停止する措置が講じられたところ。この輸入停止措置により、主にドイツ産のソーセージ等を輸入・販売している業者は、ソーセージ、ハム等の在庫が枯渇し、販売すべき商品がなく、会社存亡の危機に直面している状況となっている。 (3) 一方、ドイツ国内（ラインランド・プファルツ州を除く）における豚コレラの発生状況は、継続的なものではな、ニーデルザクセン州等における平成13年６月及び７月の発生以降、現在（平成14年4月4日）まで、８か月以上の間その発生は見られていない。 (4) OIE（国際獣疫事務局）は、豚コレラが発生した場合、最終発生後豚コレラの潜伏期間である40日間を経過してもなおその発生が見られない場合には、当該地域の汚染状態は解消したと看做しており、このOIEの基準に照らせば、ドイツ（ラインランド・プファルツ州を除く）は、既に清浄性が確認された状態にあると言える。また、農林水産省は、豚コレラ終息後６か月以上経過したことを輸入再開の検討についての目安にしているとのことだが、この基準に照らしても、上記(3)のとおり、既に８か月以上経過していることから、輸入再開のための措置を早急に講ずべき状態と考える。 (5) ところで、上記(2)の輸入停止措置後、苦情申立者と農林水産省との間で個別協議がなされ、平成13年７月及び９月の２回、苦情申立者は、加熱処理がなされたソーセージについてのみ、加熱処理済みである旨のドイツ政府機関等が発行する証明書を添付することにより輸入が認められた。ただし、９月の輸入許可に際し、理由は明らかではないが、当該措置は今回限りであり、今後は輸入を許可しない旨の連絡が併せてあった。しかし、農林水産省は、加熱処理により豚コレラの病原体が日本国内にひろがるおそれがないことを確認できたからこそ、輸入を認めたのであろうから、当該措置を９月の輸入許可限りとすることに合理的理由は存せず、当該措置と同一条件の場合（加熱処理により豚コレラの病原体がひろがるおそれがないことが確認できる場合）には、常に輸入を認めるべきと考える。 (6) なお、今回のドイツにおける豚コレラの発生に対して、米国（豚コレラフリーの国：日本と同様、豚コレラワクチンを使用しなくとも豚コレラが発生していない国）は、日本のような全面的輸入停止措置は講じておらず、非加熱の生ハムについてもドイツからの輸入を認めている。 (7) 以上を踏まえ、農林水産省は、以下の措置を講ずるべきである。 1) ドイツ（ラインランド・プファルツ州を除く）から、従前どおり、豚肉及び豚臓器を原料とするソーセージ、ハム及びベーコン等を輸入することができるよう、直ちに必要な措置を講ずるべきである。また、輸入再開に当たり新たに結ばれる衛生条件には、「ドイツで再び豚コレラが発生した場合においても、一定条件を満たした加熱処理済みのソーセージ等については、輸入停止措置を採ることなく引き続き輸入を認める」旨の内容を盛り込み、今後、今回のような損害が発生しないようにすべきである。 2) 上記1)の措置が講じられるまでの間は、暫定的に、加熱処理がなされ豚コレラの病原体をひろげるおそれがないソーセージ等については、加熱処理済みである旨のドイツ政府機関等が発行する証明書が添付されていることにより、ドイツからの輸入を認める措置を講ずるべきである。 2．担当省から以下のとおり回答。 (1) 本件のうち特に加熱処理豚肉、ソーセージ等の輸入については、ドイツ衛生当局との協議が継続しており、2002年５月28日、ドイツ側から家畜衛生証明書案を接受し、同月30日ドイツ大使館とその内容について協議を行ったところである。我が国は、平成５年以来、野生動物においても豚コレラの発生がなく、本病の清浄性が保たれている。一昨年（平成12年）10月からは、豚コレラワクチン接種を原則中止し、本病に対する防疫対策の強化を実施しているところである。 (2) また、現在、国内の清浄性の維持・防疫対策の強化とともに海外からの本病の侵入防止対策の強化を実施しているところであり、オーストリアにおける野生動物（いのしし）での豚コレラ発生の際にも国全域から豚肉等の輸入を一時停止した経緯がある。また、ドイツにおいては、ラインランド・プファルツ州における継続的な本病の発生、最近ではニーデルザクセン州（ローデンブルグ）における新たな発生、野生動物における散発的な発生（当該発生についてはドイツ衛生当局から我が国への公式な報告なし。）等豚コレラを巡る状況は極めて厳しく、仮に、ワクチンを接種された豚がほとんどいない我が国に本病が侵入した場合には、畜産業全体に甚大な被害が出ることが予想される。本病を巡る防疫の状況は刻々と変化し、かつ益々厳しさを増している。 (3) このような状況のなか、1)現在、その加熱処理条件について両国による協議が進行中であり、加熱条件が焦点となっていること、2)第70回OIE総会において豚コレラの国際動物衛生規約（加熱処理基準を含めて）が変更され、不活化の温度条件の詳細についてOIEに問い合わせ中であること、3)先の両国協議で、OIE規約の温度条件を検討することが両国で同意されたことから、残念ながら現時点で要望のあった加熱処理肉の暫定措置を実施することは困難である。 (4) また、現在、加熱処理豚肉等についての家畜衛生条件については協議中であり、その内容について知らせることは、今後の交渉に影響を及ぼすことが予想されること等から公表することはできないが、「ドイツで再び豚コレラが発生した場合においても、一定の（略）」旨の内容が盛り込まれることへの要望があったことは承知した。しかしながら、そのためには取り急ぎ当該要望をドイツ側の要望として反映する必要があると考えている。 (5) ドイツからの豚肉を原料とする加熱処理肉等の輸入開始の時期については、具体的な期日は申し上げられないが、７月末までには２国間で家畜衛生条件を取り交わし、輸入開始の準備を整えたいと考えている。なお、牛肉を原料とする加熱処理肉・ソーセージ等については、BSE（牛海綿状脳症）の侵入防止のため、今後も当分の間、輸入が停止される。＜最終回答＞ドイツから日本向けに輸出される豚の肉及び臓器並びにそれらの加工品等については、同国における豚コレラの発生により、2001年６月29日以降、その輸入が停止されていたるところである。先般、ドイツ側から加熱処理された豚の肉及び臓器並びにその加工品等の輸出の要請があり、ドイツ家畜衛生当局と協議を重ねた結果、2003年３月18日付けで二国間における家畜衛生条件「ドイツから日本向けに輸出される加熱処理された豚の肉、臓器、ソーセージ、ハム及びベーコンの家畜衛生条件」と添付される検査証明書様式について取り決められたことから、その旨の書簡をドイツ家畜衛生当局に通知した。家畜衛生条件が取り決められた事により、ドイツ家畜衛生当局より日本国家畜衛生当局に通知がなされた加熱処理施設等から上記家畜衛生条件を満たし、製造された加熱処理肉等は日本向けに輸出が可能となった。
処理分類	A	検討の方向	②－ア ④
備考	平成14年４月16日付け文書にて回答平成14年５月17日付け文書にて回答平成14年６月11日付け文書にて回答平成14年６月21日付け文書にて回答平成14年８月14日付け文書にて回答平成14年８月19日付け文書にて回答平成14年９月12日付け文書にて回答平成14年10月２日付け文書にて回答平成14年10月３日付け文書にて回答平成14年12月17日付け文書にて回答平成14年11月８日付け文書にて回答平成15年１月22日付け文書にて回答平成15年３月31日付け文書にて回答

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