個別苦情個票

ＯＴＯ番号	648	各省庁番号	農水-5
受付日付	平成14年4月19日	受付省庁	内閣府
担当省庁	農林水産省	関係法令	農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
苦情申立者	在日ドイツ連邦共和国大使館	輸入先	ドイツ連邦共和国ほかEU諸国
事例名	ドイツ産有機農産物等の有機JAS認証に係る負担軽減
処理内容	1．苦情の概要 (1) 有機表記にかかるJAS法改正（第19条の10）は2001年４月１日に発効した。これによると「有機農産物及び有機農産物加工食品」を日本に輸入し有機として表示、販売するためには、日本の有機JAS規格に適合したものでなければならない。 (2) EUと日本の間では2000年終わりに交渉の結果、有機植物性製品に関する規程2092/91に基づくEU有機製品の基準と、有機植物性製品に関するJASの条件及び基準が同等であるとの理解に達した。その結果両国は2000年の終わりに口上書をもって“Equivalence（同等性）”を確認することに合意した。これをもとに日本は2001年３月９日付け官報に同等性を掲載し、日本での有効性を告知した。EUはEUで日本のJASをEU域内で同等と確認した。そしてこの時点では、EUと日本の間では、有機認証についてEU域内で又日本で認可されている認証機関を互いに報告することで全てが済むという段階にあったと思う。しかし、その後日本の農林水産省は、外国認証機関の認可について、ＲFＣＯ（Registered Foreign Certification Organization：登録外国認定機関）の認可システムを、また、有機製品の輸入に関しては、輸入追加証明書のシステムを導入した。 (3) 農林水産省により追加要請があり、それに対応するため当方としては２つのやり方を考えている。 a) EUの有機認証機関をRFCO（JAS法上の登録外国認定機関）として登録する。又は b) EU加盟国からの有機製品輸入の際には、輸出するEU加盟国政府の証明書を、JAS有機製品の扱いを許可された輸入業者により提出させる。 (4) 日本が要求している輸入及び登録外国認定機関のための証明書内容は、日本がEU内で申請する際に充たさなければならない内容よりはるかに広範にわたっている。“Equivalence（同等性）”という原則からしますと、ここでの平等な取り扱いを確保することが大いに望まれるところ。平等に取り扱われることで、 a) 日本におけるRFCOの実際的な行政上の権限の限界（つまりドイツの認証機関は認証機関としての行政上の権限を日本では申請しなければ認められないこと）を取り除くことが出来る。 b) 認定輸入業者によるドイツからの有機製品輸入に添付すべき証明書という問題から解放される。 2．担当省から回答。苦情受付後、EUは我が国の有機JAS制度を同等と認めた事実はなく、平成14年１月に我が国から申し入れた同等性の協議については未だ着手されていないこと、RFCOの認可システム及び輸入追加証明書のシステムは平成11年のJAS法改正の際に設けられたものであり、同等性合意の後に追加したものではないことなど、苦情内容に事実誤認があったことから、苦情申立者に対し電話により、事実誤認を指摘するとともに、本申立ての真意がどのようなところにあるか回答を求めたが、これに対する回答はこれまでなされていない。そのため、ＯＴＯ室を通じて指摘したところである。なお、EUの同等性の交渉はEU代表部を通して行っており、その交渉の中で、登録外国認定機関のシステムや輸入証明書のことについても説明を行っている。また、登録外国認定機関の登録方法等についてはEU各国在日大使館に対して２回の説明会を開催するとともに、ジュネーブにおいても１回の説明会を開催している。
処理分類	Cc	検討の方向	②－イ
備考	平成14年８月21日付け文書にて回答。

トップに戻る