米国からのヒアリング

<説明>

○資料4「総合規制改革会議におけるマイケル・マハラック在日米国大使館経済担当公使の意見表明」の読み上げが原文にてなされた。

<質疑応答>

[○委員又は政府側発言部分、●団体発言部分]

○3点ある。
1点目は意見表明における電気通信の箇所であるが、電気通信の独立機関の設立が必要だという部分の意味がやや不明である。現在ご承知のように競争促進部門については総務省内の総合通信基盤局で行っており、また、紛争が非常に多く起こってくる分野ゆえ紛争処理機関については省内ではあるけれども相当程度独立したところでポジショニングをさせている。ご要望の趣旨は、紛争処理機関をさらに独立させようということなのか、それとも総務省の中にある総合通信基盤局自体を競争促進の規制機関として独立させようという趣旨なのか。
2点目は医療についてであるが、昨年当方より医療機器の価格差について、国際参照価格制を提言したわけだが、本日の意見表明ペーパーの内容はそれに対してOKと読んで良いのかどうか。
3点目は弁護士問題であるが、アメリカにおいては日本で規制されているいわゆる弁護士法第72条問題(報酬を得て法律業務を行うことは弁護士以外は出来ない)は存在しないと考えてよいかどうか。

●今ここで、詳しいことはお答えできないが、まず電気通信のregulatory-body(規制機関)に関するご質問についてお応えしたいと思う。我々は、FCCのような独立の機関が設置されることを要望している。なぜならば、同一省内において、規制機関の独立を100%担保することには疑問が残るからである。先進各国において、日本だけがこのようなregulatory-body規制機関体制をとっていると理解している。

○要は、紛争処理機関を省外に出せということか、それとも総合通信基盤局全体を総務省から独立させよということなのか、今一度伺いたい。

●電波の規制等、規制を作る機関、競争政策の規制を執行する機関については独立させた方が良いと考えている。
なお、今後米国が発表を予定している「規制緩和および規制改革の分野を明らかにした公式の要望書」を発表した後、より詳しいご説明ができると思う。
弁護士の問題については複雑であるが、最近日本において、例えば自民党において弁護士委員会を作って検討が始められたと聞いているように、少しばかり規制緩和の流れが見えてきている。我々は外国人弁護士と弁護士はどのようなビジネス環境においても、自由に活動できることを望んでいる。

○アメリカでは、報酬を得て法律相談に応じることは全ての人に開放されており、なかんずく弁護士に認められているとの理解で良いか、今一度伺いたい。

●後でチェックするが、それで良いと理解している。

○先ほどの、電気通信分野における独立規制機関の件であるが、総務省にある総合通信基盤局のうち業界を所管する部局と規制を行う組織を分けて、切り離せということか。まさにFCCを作ってくれという意見でよいか。

●そうだ。

○その意見の前提には、何か個別具体的の不都合があるのか、それともそもそも(業界所管部局と規制・執行部局を)一緒にしている体制そのものが信頼性が置けない、あるいは透明性が無いということから切り離せということなのか。

●信頼性の問題かと思う。また、透明性が足りないということも事実ではないか。さらに規制を策定する過程での(利害関係者の)参加の機会についても問題がある。パブリックコメントプロセス、トランスペアレンシー(透明性)、独立性の3つが大事である。

○私もいかなる機関であれadjudication(紛争解決)だけではなくて、enforcement(執行)の全て、そしてrule-making(規制・規則策定)も含めて1つの機関である方が望ましいと思っている。そういう意味ではFCCにせよ、SECにせよ、アメリカにある機関は参考になると思うが、競争政策という観点から見た場合にFCCがやるべきことと独占禁止当局がやるべきことの両者の区分けは、電気通信の分野ではどのように権限が分配されるべきか。特に日本で制度設計する場合に、アメリカの経験は参考になるだろうか。

●実際、米国においても時々FCCとアンチ-トラスト ビューロー(反トラスト機関)の間で、「縄張り争い」という表現は強すぎるが、そういったものがあると言えるかもしれない。仮にそのような状況に陥った場合には、2つの省庁の代表は会議を開き、ルールを作りながら作業を進めていく。今はそういったルールを修正している段階、つまり立て直しをしている段階である。但し、経過については、現段階では、はっきりはお応えすることができない。


内閣府 総合規制改革会議