第1章 高齢社会対策の方向 |
「高齢社会」「高齢化社会」とは?
一般に、総人ロに占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)が7%を超えた社会のことを「高齢化社会」、14%を超えた社会のことを「高齢社会」と呼んでいる。 1956(昭和31)年の国連の報告書において、当時の欧米先進国の水準を基にしながら、仮に、7%以上を「高齢化した(aged)」人ロと呼んだことが、「高齢化社会」という用語の起源ではないかとされているが、必ずしも定かではない。 また、「高齢社会」については、高齢化率が7%からその2倍の14%に到達するまでの期間(倍化年数)が、高齢化の進展のスピードを示す指標として国際比較などでよく使われていることから、高齢化率14%を一つの基準として、これを超えたものを「高齢社会」と呼んでいるものと考えられる。 平成7年に制定された高齢社会対策基本法は、「我が国の人ロ構造の高齢化は極めて急速に進んでおり、遠からず世界に例を見ない水準の高齢社会が到来するものと見込まれている」(前文)と述べており、法律として初めて「高齢社会」の用語を使用したものである。 「高齢社会対策」とは? 高齢社会対策基本法は、「高齢化の進展に適切に対処するための施策」を「高齢社会対策」と定義している(第1条)。 高齢社会対策は、高齢化の進展の速度に比べ対応が遅れている国民の意識や社会のシステムが高齢社会にふさわしいものとなるよう不断に見直し、適切なものとしていくことを目指すものであって、社会のシステム全体にかかわるものであり、高齢者のみを対象とするようないわゆる「高齢者対策」よりも広い概念であることに留意する必要がある。 |
年齢 | 男女・2000年現在の年齢・出生年 | |||||||
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男 | 女 | |||||||
45〜49歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 60〜64歳 | 45〜49歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 60〜64歳 | |
昭和26(1951)〜昭和30(1955)年生まれ | 昭和21(1946)〜昭和25(1950)年生まれ | 昭和16(1941)〜昭和20(1945)年生まれ | 昭和11(1936)〜昭和15(1940)年生まれ | 昭和26(1951)〜昭和30(1955)年生まれ | 昭和21(1946)〜昭和25(1950)年生まれ | 昭和16(1941)〜昭和20(1945)年生まれ | 昭和11(1936)〜昭和15(1940)年生まれ | |
15〜19歳 | 99.3 | 99.6 | 99.8 | 97.8 | 98.5 | 98.6 | ||
20〜24歳 | 88.0 | 90.0 | 90.3 | 91.6 | 69.2 | 71.6 | 68.1 | 68.3 |
25〜29歳 | 55.1 | 48.3 | 46.5 | 45.7 | 24.0 | 20.9 | 18.1 | 19.0 |
30〜34歳 | 28.1 | 21.5 | 14.3 | 11.7 | 10.4 | 9.1 | 7.7 | 7.2 |
35〜39歳 | 19.0 | 14.2 | 8.5 | 6.1 | 7.5 | 6.6 | 5.5 | 5.3 |
40〜44歳 | 16.4 | 11.7 | 7.4 | 4.7 | 6.7 | 5.8 | 4.9 | 4.4 |
45〜49歳 | 14.6 | 11.2 | 6.7 | 4.7 | 6.3 | 5.6 | 4.6 | 4.3 |
50〜54歳 | 14.3 | 10.1 | 6.7 | 4.3 | 3.1 | 5.3 | 4.5 | 4.1 |
55〜59歳 | 13.7 | 10.2 | 6.0 | 4.3 | 2.9 | 2.1 | 4.3 | 4.1 |
60〜64歳 | 13.1 | 9.7 | 5.9 | 3.8 | 2.9 | 2.0 | 1.6 | 3.8 |
65〜69歳 | 12.1 | 8.9 | 5.4 | 3.7 | 2.5 | 1.9 | 1.4 | 0.9 |
70〜74歳 | 8.0 | 4.7 | 3.2 | 1.7 | 1.4 | 0.9 | ||
75〜79歳 | 3.9 | 2.6 | 1.2 | 0.8 | ||||
80〜84歳 | 2.0 | 0.8 | ||||||
85歳以上 |
男性 | 女性 | |
---|---|---|
65-69歳 | 94.0 | 93.0 |
70-74歳 | 96.4 | 90.7 |
75-79歳 | 94.9 | 93.8 |
80-84歳 | 95.9 | 96.5 |
85歳以上 | 97.1 | 95.7 |
総数 | 子供や孫とは、いつも一緒に生活できるのがよい | 子供や孫とは、ときどき会って食事や会話をするのがよい | 子供や孫とは、たまに会話をする程度でよい | 子供や孫とは、全く付き合わずに生活するのがよい | わからない | ||
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男 | 昭和56(1981)年 | 100.0% | 55.8% | 30.9% | 10.2% | 0.8% | 2.2% |
61(1986)年 | 100.0% | 55.8% | 34.2% | 7.1% | 1.2% | 1.8% | |
平成2(1990)年 | 100.0% | 48.5% | 41.4% | 6.4% | 1.0% | 2.7% | |
8(1996)年 | 100.0% | 57.8% | 34.8% | 5.2% | 0.6% | 1.7% | |
13(2001)年 | 100.0% | 44.4% | 40.2% | 7.9% | 1.5% | 6.0% | |
(65〜74歳) | 100.0% | 40.4% | 43.5% | 7.4% | 1.4% | 7.4% | |
(75歳以上) | 100.0% | 54.2% | 32.2% | 9.3% | 1.7% | 2.5% | |
女 | 昭和56(1981)年 | 100.0% | 66.4% | 24.6% | 6.3% | 0.7% | 1.9% |
61(1986)年 | 100.0% | 63.6% | 27.7% | 6.0% | 1.9% | 0.7% | |
平成2(1990)年 | 100.0% | 62.4% | 30.2% | 5.7% | 1.1% | 0.6% | |
8(1996)年 | 100.0% | 56.7% | 33.3% | 7.4% | 1.3% | 1.3% | |
13(2001)年 | 100.0% | 46.6% | 38.2% | 8.1% | 0.4% | 6.2% | |
(65〜74歳) | 100.0% | 41.7% | 42.4% | 7.2% | 0.7% | 7.2% | |
(75歳以上) | 100.0% | 54.2% | 31.6% | 9.6% | 0.0% | 4.5% |
高齢者の家族形態
本文で見たように、我が国の高齢者は、減少しつつあるとはいえ、依然として「子と同居」する者が半数近くを占めている。高齢者の家族形態を、諸外国と比較するとどうだろうか。 三世代世帯に住む高齢者の割合は日本と韓国で高いが(それぞれ24.5%、30.7%)、アメリカ、ドイツ、スウェーデンではほとんど見られない。これらの3か国では、単独世帯の割合が高く、それぞれ41.9%、40.8%、46.1%となっている。5か国で共通して高いのは、夫婦のみ世帯の割合であり、最も高いスウェーデンで48.4%、最も低い韓国でも30.1%を占めている。 このように、高齢者の家族形態には国により大きな違いが見られる。その背景には、家族に関する考え方(親が高齢になったら同居して面倒を見るべきか等)や社会保障制度の整備状況(公的年金制度が普及しているか否か)といった各国の社会経済的状況の違いがうかがわれる。 |
ほとんど毎日 | 週に1回以上 | 月に1〜2回 | 年に数回 | ほとんどない | 無回答 | 週1回以上 | 月1〜2回以下 | |
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日本 | 15.7% | 31.2% | 32.7% | 18.3% | 1.9% | 0.3% | 46.9% | 50.9% |
(うち男) | 13.9% | 31.4% | 32.0% | 19.3% | 2.7% | 0.6% | 45.3% | 51.4% |
(うち女) | 17.3% | 31.1% | 33.2% | 17.3% | 1.1% | 0.0% | 48.4% | 50.5% |
韓国 | 11.1% | 32.1% | 31.6% | 23.3% | 1.8% | 0.0% | 43.2% | 55.0% |
アメリカ | 37.2% | 45.6% | 10.8% | 3.9% | 2.3% | 0.1% | 82.8% | 14.7% |
ドイツ | 36.3% | 39.5% | 11.7% | 8.6% | 3.9% | 0.0% | 75.8% | 20.3% |
スウェーデン | 39.0% | 44.8% | 11.2% | 3.6% | 0.9% | 0.4% | 83.9% | 14.8% |
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