第3章 高齢社会対策の実施の状況

エ 職業生活と家庭生活との両立支援対策の推進
 労働者が生涯を通じて充実した職業生活を送るためには、家庭生活との両立を図ることのできる環境を整備することが重要である。

(ア)職業生活と家庭生活との両立のための制度の一層の定着促進
 平成13年11月に、時間外労働の制限等を内容とする育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第118号)が成立したところであり、労働者の仕事と育児・介護との両立を支援する施策を推進している(表3−1−6)。

表3−1−6 育児・介護休業法の概要  <CSVデータ>

1 育児休業制度
○労働者は、その事業主に申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができる。
○事業主は、労働者が育児休業の申出をし、又は育児休業をしたことを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

2 介護休業制度
○労働者は、その事業主に申し出ることにより、連続する3月の期間を限度として、常時介護を必要とする状態にある対象家族〔配偶者、父母及び子(これらの者に準ずる者を含む)、配偶者の父母〕1人につき1回の介護休業をすることができる。
○事業主は、労働者が介護休業の申出をし、又は介護休業をしたことを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

3 時間外労働の制限
○事業主は、小学校入学までの子を養育し、又は常時介護を必要とする状態にある対象家族の介護を行う労働者が請求した場合においては、1か月24時間、1年150時間を超えて時間外労働をさせてはならない。

4 深夜業の制限
○事業主は、小学校入学までの子を養育し、又は常時介護を必要とする状態にある対象家族の介護を行う労働者が請求した場合においては、深夜において労働させてはならない。

5 勤務時間の短縮等の措置
(1)事業主は、1歳に満たない子を養育し、又は常時介護を必要とする状態にある対象家族の介護を行う労働者で育児・介護休業をしない者については、次のいずれかの措置を、1歳から3歳までの子を養育する労働者については、育児休業に準ずる措置又は次のいずれかの措置を講じなければならない。
(短時間勤務制度、フレックスタイム制、始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ、所定外労働の免除(育児のみ)、託児施設の設置運営(育児のみ)、育児・介護費用の援助措置)
(2)事業主は、3歳から小学校入学までの子を養育し、又は家族を介護する労働者については、育児・介護休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置に準じた措置を講ずるよう努めなければならない。

6 子の看護のための休暇の努力義務
○事業主は、小学校入学までの子の看護のための休暇制度を導入するよう努めなければならない。

7 転勤についての配慮
○事業主は、労働者の転勤については、その育児又は介護の状況に配慮しなければならない。

8 国による援助
○国は、事業主等に対する給付金の支給等の援助、労働者に対する相談等の措置、再就職の援助、仕事と家庭の両立についての広報活動等を行う。
資料:厚生労働省

 また、公務部門においては、国家公務員、地方公務員について、関係法律の一部改正により、育児休業等の対象となる子の年齢を三歳未満に引き上げること等の措置を講じた。

 

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