2 健康・福祉
○ 健康づくりや疾病予防を国民的な合意の下、国全体として積極的に推進するための法的基盤を整備するため、1)健康づくりを総合的に推進するため、国が全国的な目標や基本的な方向を提示すること、2)地域の実情に応じた健康づくりを進めるため、地方公共団体において、健康増進計画を策定すること、3)職域、地域、学校などの健康診査について、生涯を通じた自らの健康づくりに一層活用できるものとするため、共通の指針を定めること、等を内容とする健康増進法が第154回通常国会にて成立し、平成14年8月に公布された(15年5月施行)。
○ 介護報酬の見直しに当たっては、必要な介護サービスの確保と、サービスの質の向上を図るための所要の財源も確保しつつ、保険料の上昇幅をできる限り抑制するため、近年の賃金・物価の下落傾向や、事業者の経営実態も考慮して、全体で2.3%のマイナス改定を行い、平成15年4月から適用することとした。特に、居宅介護支援、訪問介護の引上げ、通所リハビリテーションにおける個別リハビリテーションの評価、特別養護老人ホームにおけるユニットケアの評価など、在宅重視、自立支援、要介護度の改善を念頭におき、重点的な評価を行った。
○ 痴呆性高齢者グループホームの適正な普及を図る観点から、住宅地における建設の促進、管理者等に対する研修の義務付け、情報公開の推進、市町村との連携強化等の施策を講じているほか、平成14年10月より外部の第三者が行うサービス評価(外部評価)を義務付けている。
○ 医療保険制度については近年、急速な高齢化、経済の低迷、医療技術の進歩、国民の意識の変化など、医療制度を取り巻く環境が大きく変化する中で、将来にわたり、医療制度を持続可能な制度へと再構築していくために、その構造的な改革が求められていた。このため、政府・与党一体となって医療制度改革が議論され、第154回国会において、健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号)が成立した(図2−3−26)。
図2−3−26 老人医療の対象年齢及び公費負担割合の引上げ
〜拠出金の負担を軽減〜
○ 少子高齢化がピークを迎える将来においても制度の安定的な運営を図るため、健康保険法等の一部を改正する法律の附則に基づき、保険者の再編・統合を含む医療保険制度の体系の在り方、新しい高齢者医療制度の創設、診療報酬体系の見直しに関し、平成15年3月に基本方針を策定した。
○ 平成15年3月に「次世代育成支援に関する当面の取組方針」を取りまとめると共に、国・地方公共団体・企業が一体となり、集中的・計画的に次世代の育成を支援するための次世代育成支援対策推進法案や地域における子育て支援の強化を図るための児童福祉法改正法案を第156回国会に提出した。