第1章 高齢化の状況 

ウ 住宅に対する意識

 現在住んでいる住宅について「何も問題点はない」としている単身の高齢者は52.4%で、他の家族形態に比べてその割合は低い。主な問題点としては、「住まいが古くなりいたんでいる」が21.2%、「構造や造りが高齢者には使いにくい」が13.2%、「台所、便所、浴室などの設備が使いにくい」が10.8%となっており、これらの多くは他の家族形態に比べて高い割合となっている(図1−2−56)。

 
図1−2−56 住宅で困っていること

図1−2−56住宅で困っていること

 高齢者向けに必要な住宅の構造・設備として将来改造したいことについてみると、改造希望が「特にない」は54.1%にとどまっており、半数近くが改造を希望していることがうかがえる。
 希望する改造の内容をみると、「手すりを設置したい」が20.9%と最も高く、次いで「住宅内の床の段差をなくしたい」が19.6%、「浴槽を入りやすいものに取り替えたい」が11.0%、「浴室に暖房装置をつけたい」が8.6%、「玄関から道路までの段差を解消したい」が8.4%などとなっている(図1−2−57)。

 
図1−2−57 将来改造したい構造・設備

図1−2−57将来改造したい構造・設備

 高齢者が虚弱化したとき望む居住形態についてみると、「現在の住宅にそのまま住み続けたい」が36.3%となっており、「現在の住宅を改造し住みやすくする」が21.4%、「介護専門の公的な施設に入居する」が11.6%となっている。
 年齢階級別にみると、75歳以上の後期高齢者は、「現在の住宅にそのまま住み続けたい」とする割合が高く、年齢が低くなるほど「現在の住宅を改造して住みやすくする」の割合が高くなっている。また、「介護専門の公的な施設に入居する」の割合も年齢の低い階級で比較的高くなっている(図1−2−58)。

 
図1−2−58 虚弱化したときに望む居住形態

図1−2−58虚弱化したときに望む居住形態

 

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