(イ)高等教育機関における社会人の学習機会の提供
生涯学習のニーズの高まりに対応するため、大学においては、社会人特別選抜の実施、夜間大学院の設置、昼夜開講制の実施、科目等履修生制度の実施などを行い、履修形態の柔軟化等を図って、社会人の受入れを促進している(図2−3−32)。
図2−3−32 大学院の社会人受入状況の推移
また、平成14年3月には、大学等において社会人の学習機会を一層拡大する観点から、大学設置基準の改正により長期履修学生制度を導入している。
社会人特別選抜は、大学等への入学を希望する社会人に対し、小論文、面接等を課すことによって行う特別な入学者選抜制度であり、平成14年度現在、422大学(学部)、348大学(大学院)で実施している。
有職者等に専ら夜間において教育を行う夜間大学院は、平成14年度現在、21大学において設置されている。
昼夜開講制は、昼夜にわたって授業を開講し、学生の生活形態に応じた履修を可能にする制度であり、平成14年度現在、74大学(学部)、238大学(大学院)で実施されている。
科目等履修生制度は、1又は複数の授業科目を履修する社会人等に対し、単位の授与を可能とする制度であり、平成12年度現在、科目等履修生制度を置く大学は、605大学、科目等履修生の数は、1万4,574人となっている。
また、大学等の学術研究・教育の成果を直接社会に開放し、大学公開講座を実施している(図2−3−33)。
図2−3−33 大学公開講座の実施状況の推移
放送大学においては、テレビ、ラジオなどのメディアを活用して広く社会人等に大学教育の機会を提供している。同大学在学者は、60歳以上の割合が大学は12.0%、大学院は8.3%、会社員や公務員などの有職者の割合が大学は51.6%、大学院は79.9%となるなど、その属性は多岐にわたっている(図2−3−34)。また、放送授業を視聴するための学習センターを全都道府県において整備している(平成14年度現在50か所)。
図2−3−34 放送大学在学者の年齢・職業