(2)調査研究等の基盤の整備
ア 研究推進体制等の整備
幅広い分野にわたる高齢社会に対応する研究開発を効果的に行うため、必要な推進体制等を整備する必要がある。
長寿科学研究を推進するため、国立療養所中部病院に設置された長寿医療研究センターを中心に、老人性痴呆症、寝たきりの予防、支援機器の開発に関する研究等に取り組んでいる。
また、長寿科学総合研究事業等において、老年病、看護・介護、リハビリテーション、居住環境といった横断的な研究体制を構築して研究を推進している。
さらに、出資制度により、医薬品、医療用具に関する保健医療分野における基礎研究の強化を進めているほか、在宅医療機器等の高度な治療機器の研究開発について、補助を行っている。
全国で3か所に「高齢者痴呆介護研究研修センター」を設置し、痴呆介護技術に関する研究、介護技術の指導に当たる指導者に対する研修を行っている。
また、高齢者に特有の疾病や生活習慣病の克服に関する研究の推進に不可欠な生物遺伝資源の戦略的な収集、開発、保存、提供体制を整備するなど、研究支援体制の充実を図った。
大学等においては、老化等の長寿関連の研究を行うほか、科学研究費補助金により大学等の研究者に対し研究費を助成し、基礎的研究を推進した。
独立行政法人製品評価技術基盤機構において、高齢者の視点を重視した生活用品などの研究開発を推進するための基盤として、高齢者の加齢による身体機能の低下状況などに関する計測評価手法の開発を行うと共に、データベースを構築しホームページで公表した。また、福祉用具評価手法の開発を行うと共に、高齢化・福祉関連の基礎的データの収集、分析、体系化など標準基盤の整備を実施した。