３ 高齢化の要因
（1）死亡率の低下と平均寿命の伸長
戦後、我が国の死亡率（人口1,000人当たりの死亡数）は、生活環境の改善、食生活・栄養の改善、医療技術の進歩等により、乳幼児や青年の死亡率が大幅に低下したため、昭和22（1947）年の14.6から約15年で半減した。その後はなだらかな低下を続け、54（1979）年には6.0と最低を記録している。近年の死亡率はやや上昇傾向にあり、平成14（2002）年は7.8（死亡数は98万2,379人）となっている（15（2003）年は、推計値で8.1）が、これは高齢化の進行により、他の年齢階層に比較して死亡率が高い高齢者の占める割合が増加したことによるものである。人口の年齢構成に変化がないと仮定した場合の死亡率は低下傾向にある（図１−１−６）。
図１−１−６ 死亡数及び死亡率の推移
65歳以上の高齢者の死亡率は、戦後一貫して低下傾向にあり、昭和25（1950）年の71.5から、55（1980）年には47.4、平成14（2002）年には33.4となっている。また、高齢者の死亡率を男女別にみると、いずれの年齢層においても女性の死亡率が男性の死亡率を大きく下回っている（図１−１−７）。
図１−１−７ 高齢者の性・年齢階級別死亡率（1950〜2000年）
死亡率の低下に伴い、我が国の平均寿命は、昭和22（1947）年には男性が50.06年、女性が53.96年であったものが、平成14（2002）年には男性が78.32年、女性は85.23年と大幅に伸びている。
また、65歳時の平均余命は、昭和22（1947）年には男性が10.16年、女性が12.22年であったものが、平成14（2002）年には男性が17.96年、女性が22.96年となっており、男性、女性とも高齢期が長くなっている（図１−１−８）。
図１−１−８ 平均寿命及び65歳時の平均余命の推移
今後、平均寿命は引き続き伸び続け、平成62（2050）年には男性が80.95年、女性が89.22年に達すると見込まれている（国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」（平成14年１月推計）の中位推計による）。
