(2)高齢者の就業
高齢者の就業状況についてみると、男性の場合、就業者の割合は、55〜59歳で89.9%、60〜64歳で66.5%、65〜69歳で51.6%となっている。また、不就業者の就業希望の意向は、60〜64歳の不就業者(33.5%)のうち5割以上が、65〜69歳の不就業者(48.4%)のうち4割近くの者が、それぞれ就業を希望している。
女性の就業者の割合は、55〜59歳で59.7%、60〜64歳で41.5%、65〜69歳で28.7%となっている。不就業者であっても、55〜59歳の不就業者(40.3%)及び60〜64歳の不就業者(58.5%)のうち3割以上が、65〜69歳の不就業者(71.3%)のうち2割以上が、それぞれ就業を希望している(図1−2−25)。
図1−2−25 高年齢者の就業・不就業状況
就業を希望する理由としては、「健康を維持したい」が最も多く(男性28.6%、女性26.1%)、「収入を得る必要が生じた」(男性19.7%、女性31.4%)がこれに次いでいる。また、「知識や技能を生かしたい」、「時間に余裕ができた」、「社会に出たい」という理由を選んだ者も合計すると男性で28.5%、女性で22.8%と相当な水準で存在する。なお、「失業している」が平成9年の調査(男性3.4%、女性1.5%)と比較すると大きく増加している(表1−2−26)。
表1−2−26 高齢就業希望者の就業希望理由別割合(若年層参考掲載)
高齢者の雇用情勢をみると、平成15(2003)年の完全失業率は、55〜59歳で4.5%、60〜64歳で7.5%、65歳以上で2.5%、また、同年10月の有効求人倍率は、55〜59歳で0.23倍、60〜64歳で0.19倍、65歳以上で0.75倍となっており、年齢層を問わず厳しい雇用情勢(全年齢合わせた完全失業率は5.3%、有効求人倍率は0.70倍)の中にあっても、高齢者、とりわけ60〜64歳の年齢層の雇用情勢は極めて厳しいものとなっている(図1−2−27)。
図1−2−27 年齢階級別にみた完全失業率、有効求人倍率