第1章 高齢化の状況 

(2)高齢者の介護

ア 要介護等の状況

 介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された者(以下「要介護者等」という。)のうち、65歳以上の者の数についてみると、平成14年度末で332.4万人となっている(表1−2−36)。また、介護保険制度のサービスを受給した65歳以上の被保険者は15年4月審査分で269万人となっている。男女別にみると男性が27.8%、女性が72.2%となっている(表1−2−37)。さらに、介護サービスの利用実態をみると、軽度の者は居宅サービスの利用が多い一方、重度(要介護4又は要介護5)の者は施設サービス利用が半数を超えている(図1−2−38)。

表1−2−36 要介護等高齢者の状況(要介護等認定者数)

表1−2−36 要介護等高齢者の状況(要介護等認定者数)

表1−2−37 介護保険サービスの利用状況(介護サービス受給者数)

表1−2−37 介護保険サービスの利用状況(介護サービス受給者数)

図1−2−38 要介護度別のサービス利用状況(受給者数)

図1−2−38 要介護度別のサービス利用状況(受給者数)

 在宅の要介護者等の要介護度(要支援を含む。)を男女別にみると、要支援者、要介護1、要介護2の合計は男性が57.6%、女性は63.0%となっており、認定を受けている者の中では女性の方が要介護度の低い者が多い。なお、最も高い要介護5は男性で10.2%、女性で11.4%となっている(図1−2−39)。

図1−2−39 性・要介護度別にみた要介護者等の状況

図1−2−39 性・要介護度別にみた要介護者等の状況

 施設等に入所している者の要介護度をみると、介護療養型医療施設に要介護度の高い者が多く、平均要介護度は4.02となっており、要介護5の者の割合も44.2%となっている。一方、介護老人保健施設には要介護度の低い者が多く、平均要介護度は3.12、要介護3以下の者の割合は57.2%となっている。介護老人福祉施設は平均要介護度、要介護度別の入所者構成比も両者の中間にある(図1−2−40)。

図1−2−40 在所者の要介護度別構成割合

図1−2−40 在所者の要介護度別構成割合

 要介護者等のうち、医師による診断の結果、介護を必要とする「痴呆あり」と診断されている者は、在宅の要介護者等で男性9.6%、女性13.6%、また、施設在所者ではいずれも半数以上となっている(表1−2−41)。

表1−2−41 要介護者等のうち痴呆(ランクIII以上)のある者の割合

表1−2−41 要介護者等のうち痴呆(ランクIII以上)のある者の割合

 要介護者等について、介護が必要となった主な原因についてみると、「脳血管疾患」が27.7%と最も多く、次いで、「高齢による衰弱」16.1%、「骨折・転倒」11.8%、「痴呆」10.7%となっている。男女別では、男性の「脳血管疾患」が42.9%と特に多くなっている(図1−2−42)。

図1−2−42 要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因

図1−2−42 要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因

 

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