(5)子育て支援施策の総合的推進
子どもを持つこと、育てることそのものに喜びや大きな価値を感じることができる社会を目指し、すべての子育て家庭を社会全体で支援するため、次世代育成支援対策の総合的な推進を図っている。
具体的には、平成14年1月に公表された「日本の将来推計人口」において少子化が一層進行する見通しとなったことを受けて、その流れを変えるため、15年3月に政府として「次世代育成支援に関する当面の取組方針」を取りまとめ、従来の「子育てと仕事の両立支援」に加え、「男性を含めた働き方の見直し」、「地域における子育て支援」、「社会保障における次世代支援」及び「子どもの社会性の向上や自立の促進」の四つの柱に沿った対策を総合的・計画的に進めることとし、さらに、同年7月には、これらを推進する基盤となる次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)及び地域における子育て支援の取組強化を図るための児童福祉法の一部を改正する法律(平成15年法律第121号。以下「改正児童福祉法」という。)が成立した(図2−3−25、図2−3−26、図2−3−27)。
図2−3−25 次世代育成支援に関する当面の取組方針(2000年3月)
図2−3−26 次世代育成支援対策推進法の概要<平成17年度から10年間の時限立法>
図2−3−27 児童福祉法の一部を改正する法律の概要
次世代育成支援対策推進法においては、国が定める指針に即して平成16年度末までに、すべての市町村と都道府県には「地域の子育て機能の再生」等のための具体的な取組方策を掲げた「市町村行動計画」及び「都道府県行動計画」の策定を、労働者数が300人を超える企業等には「一般事業主行動計画」の策定を、それぞれ義務付けることとし、平成17年度からの10年間の集中的・計画的な取組を推進することとした。
また、改正児童福祉法では、市町村は、子育て支援事業(1)保護者からの相談に応じ、情報の提供・助言を行う事業、2)保育所等において児童の養育を支援する事業、3)居宅において児童の養育を支援する事業)が実施されるよう必要な措置の実施に努めるとともに、子育て支援事業に関する情報提供、相談・助言、利用のあっせん・調整等を行う「子育て支援総合コーディネート」を行うこととした。
さらに、1)子育てを行う家庭の経済的負担の軽減等を図る観点から、児童手当の支給対象期間を延長する児童手当法の一部を改正する法律案、2)児童虐待等の問題に適切に対応する観点から、児童相談に関する体制の充実等を行う児童福祉法の一部を改正する法律案、3)仕事と子育ての両立を支援する観点から、育児休業期間の延長等を行う育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案の3法案を第159回国会に提出した。