第2章 高齢社会対策の実施の状況 

(オ)歩行空間の形成

 交通事故が多発している住居系地区や商業系地区において、面的かつ総合的な事故対策の実施により歩行者等の安全通行を確保するあんしん歩行エリアを中心に、幅の広い歩道等の整備、歩道の段差・傾斜・勾配の改善、上下移動の負担を軽減するためのスロープや昇降装置付きの立体横断施設の設置、歩行者用案内標識の設置、歩行者等を優先する道路構造の整備、自転車道等の設置による歩行者と自転車交通の分離、生活道路における通過交通の進入、速度の抑制及び幹線道路における交通流の円滑化を図るための信号機、道路標識、道路構造等の重点的整備、バリアフリー対応型信号機の整備、歩車分離式信号の運用、携帯端末を用いて信号機の青時間の延長等を行う歩行者等支援情報通信システム(PICS)の整備、信号灯器のLED(発光ダイオード)化を推進し、高齢歩行者等の安全の確保を図っている。
 また、路側帯拡幅等による交通事故抑止対策実施要領を制定し、路側帯の拡幅による歩行者通行環境の整備と車道の中央線抹消による車両の走行速度の抑制対策の実施に必要な事項を定めた。
 また、住居系地区等において、通過交通の排除を徹底して、車よりも歩行者等の安全・快適な利用を優先し、沿道と協働した道路緑化、無電柱化等による質の高い生活環境を創出する「くらしのみちゾーン」を形成するため、平成15年6月に意欲の高い42地区を登録し、合意形成支援等ソフト面を含めた支援を実施した。なお、15年12月から商店街にも対象を拡大して募集を実施している。
 さらに、積雪や凍結に対し、鉄道駅周辺や中心市街地等特に安全で快適な歩行空間の確保が必要なところにおいて、歩道除雪の充実、消雪施設等の整備を図っている。
 そのほか、最先端の情報通信技術(IT)を活用して、高齢者等の歩行安全を確保するため、携帯端末を用いた情報提供、移動支援に関する研究開発等を推進した。

 

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