第2章 高齢社会対策の実施の状況 

ウ 多様な形態による雇用・就業機会の確保
 高齢期には、個々の労働者の意欲、体力等個人差が拡大し、その雇用・就業に対するニーズも多様化することから、これらに対応した雇用・就業機会を確保していくことが重要である。
 このため、社会に参加、貢献したいと希望する者に対しては、地域社会に根ざした臨時的・短期的又は軽易な就業機会を提供するシルバー人材センター事業の推進を図るとともに、シルバー人材センターの会員による乳幼児の世話や保育施設への送迎などの育児支援等を行う子育て支援事業を実施している(平成16年3月末現在、シルバー人材センターの団体数は1,866団体、会員数は約76万人)。
 また、改正高年齢者雇用安定法により、平成16年12月から、シルバー人材センターは、届出により、臨時的・短期的又は軽易な業務に関する就業に係る一般労働者派遣事業を行うことが可能となった。
 このほか、各都道府県のシルバー人材センター連合では、事業主団体と公共職業安定機関との協力の下、技能講習、合同面接会等を一体的に行うシニアワークプログラム事業を実施している。
 また、厚生労働大臣の指定を受けた高年齢者職業経験活用センターにおいては、キャリア、技能を持った60歳以上の高齢者に対して短期的な雇用による就業機会を確保、提供し、人材を必要としている企業に適切な人材の派遣・紹介を行っている。
 さらに、高齢化の進展の中で、経済社会の活力を維持し、高齢者の雇用及び多様な産業の創出を図るため、まちづくりや介護、子育て、防災等の地域の身近な課題について、女性または高齢者を主たるメンバーとする市民活動団体等による、地域課題解決型・地域資源活用型の活動について、ビジネス化を支援する市民活動活性化モデル事業を実施(平成16年度、217件の応募の中から、16件を採択)し、その成果をモデルとして全国に普及し、新たな雇用とサービス産業の創出を促進した。

 

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