沖縄振興のための特別の調整費の配分(取扱方針)(平成15年度予算)
本年4月14日に知事より具体的要望のあった13事業については、以下のとおり実施することとしたい。
陸上交通の大部分を道路に依存している沖縄県の各地域間の交流を促進し、観光・リゾート産業の振興を中心とした沖縄経済の活性化を図るため、引き続き沖縄自動車道の通行料金の割引を行う。
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として登録された世界遺産を活用して沖縄観光の一層の進展を図るため、世界遺産周辺の施設の整備等の事業を実施する。
情報通信関連分野に従事するIT技術者等を対象とした研修事業を行い、高度なITを活用できる人材を育成するとともに、民間での人材育成事業の立ち上げ支援に資するため、高度なITに関する指導者を育成する。
沖縄県の戦略産業として、さらなる発展が期待されている産業(情報通信産業等)の事業所が新規雇用を図りつつ、従業員に専門的な技能等を修得させるために行う派遣研修を支援する。
実施事項及び金額(国費) | 事業内容等 |
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○沖縄観光強化対策 298百万円 |
1.沖縄観光強化キャンペーン 米国等によるイラク攻撃に伴い、修学旅行を中心に一部キャンセル等が発生している沖縄観光について、誘客を促進し、観光客数の早期回復を軌道に乗せるため、修学旅行の誘致事業やメディアを活用した観光情報の発信等を行う。 [1]事業費 : 188百万円 [2]国費 : 150百万円 [3]担当省庁 : 国土交通省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) 2.健康保養型観光推進事業 沖縄の持つ温暖な気候や豊かな自然環境等の地域特性を活かした国民の総合的な保養の場を形成するため、健康保養型観光の保養効果や観光事業としての発展可能性、人材育成等の課題を検討する。 [1]事業費 : 23百万円 [2]国費 : 19百万円 [3]担当省庁 : 内閣府 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) 3.エコツーリズム推進事業 自然環境と調和した魅力あるエコツーリズムを推進するため、モデル地域別実地調査や国内外の先行事例調査等を通じて、エコツーリズム推進計画、保全利用協定の手引書等を作成する。 [1]事業費 : 38百万円 [2]国費 : 31百万円 [3]担当省庁 : 内閣府 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) 4.修景緑化重点地域モデル事業 県土の総合的な緑化を推進し、潤いと安らぎのある環境の維持・向上等を図るため、御獄、拝所など地域の歴史的空間や市街地において、樹木の植栽など緑の景観形成を行う。 [1]事業費 : 123百万円 [2]国費 : 98百万円 [3]担当省庁 : 内閣府 [4]事業主体 : 沖縄県(市町村) [5]スキーム : 国 → 沖縄県 → (市町村)(8/10補助) |
○沖縄農業振興事業 301百万円 |
1.トロピカルおきなわフルーツランド支援事業 我が国唯一の亜熱帯性気候等を生かし、特色ある熱帯果樹産地としての確立及び熱帯果樹の景観利用等を図るため、熱帯果樹の種苗に関する生産・流通実態調査、有望熱帯果樹の海外探索及びその導入を行う。 [1]事業費 : 52百万円 [2]国費 : 42百万円 [3]担当省庁 : 農林水産省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) 2.さとうきび総合利用実証事業 さとうきびの高付加価値化や新商品の開発などによる地域経済の活性化を図るため、さとうきびの持っている有効成分、組成物を一貫的かつ効率的に分離・抽出するさとうきび総合利用システムに関する実証事業を実施する。 [1]事業費 : 181百万円 [2]国費 : 145百万円 [3]担当省庁 : 農林水産省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) 3.沖縄農産物流通効率化事業 県内外の消費者・市場に農産物を効率的かつ安定的に供給するとともに、大消費地から遠隔にある島しょ県の輸送上の不利性を軽減するため、以下の事業を行う。 (1)島しょ県沖縄における地域農産物流通効率化事業 地域農産物の効率的流通を支援する計画生産・出荷計画システム、集荷・分荷管理システム及び予約相対システムのモデルプログラムを構築する。 [1]事業費 : 111百万円 [2]国費 : 89百万円 [3]担当省庁 : 農林水産省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) (2)戦略的県外輸送システム確立事業 県外への輸送コスト低減を図るため、複数の出荷団体による共同出荷や野菜と花きの混載輸送について実証試験を実施するほか、最適な輸送方法の組合わせ等を検証する。 [1]事業費 : 31百万円 [2]国費 : 25百万円 [3]担当省庁 : 農林水産省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) |
○美ら島ブランド創出推進事業 42百万円 |
地域を支える各産業間の連携を深め、地域経済を活性化していくため、市場ニーズに対応した魅力的な特産品「美ら島ブランド」の創出を目指すこととし、「美ら島ブランド塾」を開設すること等により、生産から販売まで一連のノウハウを備えた人材を育成する事業等を行う。 [1]事業費 : 52百万円 [2]国費 : 42百万円 [3]担当省庁 : 経済産業省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) |
○国際交流拠点形成調査 11百万円 |
沖縄における国際交流拠点の形成を促進し、沖縄がアジア・太平洋地域の発展に寄与する地域として整備されるため、国際機関等の誘致についての基礎的調査及び誘致可能性に関する調査検討を行う。 [1]事業費 : 11百万円 [2]担当省庁 : 内閣府 [3]事業主体 : 内閣府 [4]スキーム : 国 → 直轄(事業) |
○アジア・太平洋地域文化交流事業 19百万円 |
沖縄伝統文化の保存振興を図るとともに、伝統文化を通じたアジア・太平洋地域の文化交流を促進するため、国立劇場おきなわの開場記念公演の実施に合わせ、アジア・太平洋地域の芸能及び沖縄の伝統芸能に影響を与えた本土の芸能に関する公演を開催する。 [1]事業費 : 24百万円 [2]国費 : 19百万円 [3]担当省庁 : 文部科学省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) |
○ジュゴン保護対策調査 291百万円 |
世界的に分布の北限といわれており、その生息数が限られていると推測される沖縄のジュゴンの個体群について、全般的な保護方策の検討に資することを目的として、以下の調査を行う。 1.礁池に囲まれていない海草藻場及び深場の海草藻場において、ジュゴンの食跡調査を実施するほか、航空機等を用いたジュゴンの生息場所調査、ジュゴンのレスキュー体制の普及事業等を実施する。 [1]事業費 : 176百万円 [2]担当省庁 : 環境省 [3]事業主体 : 環境省 [4]スキーム : 国 → 直轄(事業) 2.ジュゴンと漁業との共存を図るため、定置網・刺し網における偶発的捕獲防止のための技術開発及び海草藻場の再生・繁茂に関する調査研究を実施する。 [1]事業費 : 115百万円 [2]担当省庁 : 農林水産省 [3]事業主体 : 農林水産省 [4]スキーム : 国 → 委託(事業) |
○サンゴ礁保全対策支援事業 28百万円 |
サンゴ礁に甚大な被害を及ぼしているオニヒトデの効果的な駆除に資するため、モニタリングを実施しオニヒトデの分布の把握、駆除効果の検証等を行うほか、専門家等によるワークショップを開催する。 [1]事業費 : 35百万円 [2]国費 : 28百万円 [3]担当省庁 : 環境省 [4]事業主体 : 沖縄県 [5]スキーム : 国 → 沖縄県(8/10補助) |
○八重山地区民放中波ラジオ放送受信障害解消事業 233百万円 |
八重山地区における民放中波ラジオ放送の受信障害を解消し、離島地域における情報格差の是正等を図るため、石垣市、竹富町及び与那国町にラジオ放送の中継局施設を整備する。 [1]事業費 : 291百万円 [2]国費 : 233百万円 [3]担当省庁 : 総務省 [4]事業主体 : 沖縄県(市町村) [5]スキーム : 国 → 沖縄県 → (市町村)(8/10補助) |
平成15年度沖縄特別振興対策事業費について
平成15年度予算においては、沖縄特別振興対策調整費(2,700百万円)のほか、以下の沖縄特別振興対策事業費(2,300百万円)を計上している。
- 1.沖縄自動車道利用促進事業
- 1,665百万円
- 2.世界遺産周辺整備事業
- 400百万円
- 3.IT高度人材育成事業
- 135百万円
- 4.沖縄特別雇用開発推進事業(戦略産業人材育成支援事業)
- 100百万円