大臣メッセージ

 空手は、沖縄の地で生まれ、沖縄の豊かな自然と風土との共生の中で育まれてきましたが、今や、世界の多くの国と地域に広がり、数多くの方々が日々心身の鍛錬に努められています。平成28年8月には2020年東京オリンピックの競技種目として採用されるなど、国境を越え世界中の人々に愛されている、世界に誇るべき沖縄の文化であります。
 沖縄の空手は、なぜこれほど世界中の人々を惹きつけるのでしょうか。

 一つには、「一撃必殺」と称されることもあるほど実戦的な武術でありながら、一方で、呼吸法なども用いた日々の肉体の鍛錬の過程で、人格を磨き上げることができるといった点に大きな魅力があると考えます。先人の残した「空手に先手なし」や「人に打たれず、人を打たず、事なきを基とするなり」といった言葉は、そうした空手家の達する高い精神性を端的に示していると思います。

 また、その発祥を琉球固有の「手(ティー)」に持ちながら、中国拳法との邂逅(かいこう)による発展や本土や世界各国における競技化に伴う進化など、核としての伝統の型を保ちつつ、その置かれた状況に合せて極めて柔軟に進化していく様は、まさに世界の架け橋である沖縄を具現化している文化であると考えます。

 私は、沖縄が、このような素晴らしい武術でありかつ文化でもある空手を愛する国内外の多くの方々にとって、オンリーワンの空手発祥の地であり、他の地にはない大きな価値を有していると考えております。

 特に、平成29年3月に供用開始となった「沖縄空手会館」は、国内外の空手家が道場で合宿や合同稽古などを行ったり、観光客が重い甕(カーミ)を指で掴んで持ち上げるなどの伝統的な鍛錬方法を体験することができる施設となっており、この会館を拠点とし、今後、更に多くの国内外の空手愛好家、空手修行者、新たに空手に興味を持たれた方々が沖縄を訪れ、「空手発祥の地・沖縄」がますますその輝きを増していくことを切に願っております。

 内閣府においても、本ウェブサイトの立ち上げにより、沖縄が空手発祥の地であることや、沖縄空手の魅力などをより多くの国内外の皆様に知っていただきたいと考えております。

 本ウェブサイトが、皆様に、沖縄空手の魅力、そしてその発祥の地である沖縄の魅力を知っていただく一助になれば幸いです。


                                                                     内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)