第39回沖縄振興開発審議会議事録
議事次第
○日時: 平成12年8月3日(木) 14:00~16:00
○場所: 総理府地下講堂
1 開会
2 議事
(1) 工業等開発地区の指定について
(2) 観光振興地域の指定について
(3) その他
3 閉会
配布資料
資料1 沖縄振興開発審議会委員名簿資料2 沖縄振興開発審議会総合部会委員名簿
資料3 沖縄振興開発審議会幹事名簿
資料4 第39回沖縄振興開発審議会総合部会報告
資料5 工業等開発地区の指定について(諮問)
資料6 工業等開発地区指定関係資料
資料7 観光振興地域の指定について(諮問)
資料8 観光振興地域指定関係資料
資料9 沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会における調査審議状況について
沖縄振興開発審議会委員名簿
1.関係行政機関の職員沖縄開発事務次官 若林 勝三
環境事務次官 岡田 康彦
国土事務次官 木下 博夫
大蔵事務次官 武藤 敏郎
文部事務次官 小野 元之
厚生事務次官 羽毛田 信吾
農林水産事務次官 高木 勇樹
通商産業事務次官 広瀬 勝貞
運輸事務次官 梅崎 壽
郵政事務次官 谷 公士
労働事務次官 伊藤 庄平
建設事務次官 小野 邦久
自治事務次官 二橋 正弘
2.沖縄県知事 稲嶺 惠一
3.沖縄県議会議長 伊良皆 高吉
4.沖縄県の市町村長を代表する者
那覇市長 親泊 康晴
嘉手納町長 宮城 篤実
5.沖縄県の市町村議会の議長を代表する者
那覇市議会議長 亀島 賢優
与那原町議会議長 知念 良光
6.学識経験のある者(五十音順)
沖縄県婦人連合会会長 赤嶺 千壽
琉球大学教授 伊波 美智子
・琉球大学教授 大城 常夫
○財団法人沖縄協会理事 亀谷 禮次
◎財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金理事長 川村 皓章
・沖縄県経済農業協同組合連合会代表理事会長 儀間 義勝
・法政大学総長・理事長 清成 忠男
・社団法人沖縄県工業連合会会長 金城 名輝
沖縄県商工会議所連合会会長 崎間 晃
放送大学沖縄学習センター所長 尚 弘子
社団法人沖縄県銀行協会会長 松本 行雄
(注)◎は、沖縄振興開発審議会会長
○は、審議会会長代理及び総合部会長。・は、総合部会に属する委員。
出席者
○委員川村会長、伊良皆委員、金城委員、宮城委員、亀島委員、知念委員、赤嶺委員、儀間委員、伊波委員、大城委員、亀谷委員、尚委員、松本委員、関係行政機関の職員たる委員(沖縄開発事務次官を含む)
○沖縄開発庁
中川沖縄開発庁長官、白保沖縄開発総括政務次官、榊総務局長、襲田振興局長、小山沖縄総合事務局長、東総務課長、石井会計課長、竹林企画課長、竹嶋調査金融課長、宮野参事官、平沼振興総務課長、外崎跡地利用企画官、福本調査官、久保田企画官
○沖縄県
牧野副知事
議事
○竹林企画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第39回沖縄振興開発審議会を開催いたします。最初に、委員の異動について御紹介させていただきます。前県議会議長でありました友寄委員の御後任といたしまして沖縄県議会議長の伊良皆委員が、また前町村議会議長会会長でありました大城委員の御後任といたしまして沖縄県町村議会議長会会長で与那原町議会議長の知念委員が本日付で新たに任命されました。ここで、新たにお迎えしました委員の方を御紹介させていただきます。まず伊良皆高吉委員を御紹介申し上げます。
○伊良皆委員 伊良皆でございます。よろしくお願いいたします。
○竹林企画課長 次に、知念良光委員を御紹介いたします。
○知念委員 知念でございます。よろしくお願いいたします。
○竹林企画課長 なお、関係行政機関の職員である委員につきましては、お手元にお配りしております資料1の名簿のとおりでございますので御参照願いたいと思います。
申し遅れましたが、私、事務局の沖縄開発庁総務局企画課長の竹林でございます。本日は説明等を担当させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、川村会長よろしくお願いいたします。
○川村会長 本日は、お忙しい中、大変お暑い中お集まりいただきまして恐縮でございます。ただ、余り暑い暑いと言いましても沖縄から来られた方から言えばまだ甘いよというおしかりを受けるかもしれません。
本日の議事でございますが、沖縄振興開発特別措置法第11条1項の規定に基づきます工業等開発地区の指定申請の件、第2番目は同法18条5第1項の規定にあります観光振興地域の指定申請の件、第3番目はその他の議題といたしまして、専門委員会の調査審議状況の御報告を受けることといたしてございます。
また、本日は中川沖縄開発庁長官及び白保沖縄開発総括政務次官に御出席いただいておりますので、議事に入ります前にごあいさつを賜りたいと存じます。
○中川沖縄開発庁長官 ただいま御紹介いただきました沖縄開発庁長官を拝命しました中川でございます。川村会長を始め委員の皆様方、平素より沖縄振興開発等につきまして格別の御支援、御協力を賜りまして心から厚く御礼を申し上げます。今日はまた本当に暑い中お集まりいただきまして、と申しましても隣りの白保総括政務次官に今、伺ったのでありますが、沖縄の方がはるかに涼しいそうでございまして、本当にそれにしても遠路お集まりをいただいた委員の各位にも厚く御礼を申し上げたいと存じます。
ただいま川村会長からお話のとおり、本日の議題の一つである工業等開発地区及び観光振興地域の指定申請は、去る7月12日に稲嶺沖縄県知事から私に提出いただき、私から14日に本審議会に諮問させていただいたところでございます。本審議会におかれましては、これを受けて去る7月28日に総合部会をお開きいただきまして鋭意調査審議をしていただいたと伺っております。本日のこの総会におかれましても、よろしく調査審議のほどをお願い申し上げたいと存じます。
さて、沖縄開発庁におきましては3次にわたる沖縄振興開発計画に基づきまして、沖縄の振興開発を積極的に進めてきたところでありますが、沖縄には今なお広大な米軍施設及び区域が存在するとともに、交通の円滑化、水の確保、まちづくり、環境衛生等の分野にはまだ整備を要するものが見られ、更に産業振興や雇用の問題など、解決しなければならない課題が存在しております。第3次沖縄振興開発計画が残すところ2年弱となった今日、今後の沖縄振興開発をどのように進めていくかを検討していくことが重要な課題になってきております。沖縄開発庁といたしましても、これまで沖縄振興開発計画に基づきまして実施されてまいりました諸施策・事業全般について広く総点検を行いまして、去る6月に「沖縄振興開発の現状と課題」として取りまとめるとともに、沖縄振興開発総合調査を実施いたしまして、ポスト3次振計に向けた検討を行っているところでございます。
本審議会におかれましても、これまでの沖縄振興開発計画に基づいて実施されてまいりました諸施策等の現状と課題について調査審議することを御決定いただきまして、現在総合部会の下に専門委員会を開催し、鋭意調査審議を進めていただいていると伺っております。引き続き積極的な調査審議をよろしくお願い申し上げたいと存じます。
皆様御案内のとおり、本年7月に沖縄においてサミット首脳会談が開催されたところでございますが、沖縄におけるサミット首脳会談の開催はまさに21世紀の沖縄の未来を象徴するものであり、沖縄県、または県民の皆さんの熱い心、すばらしいホスピタリティーによってG8首脳各位も大変感激をなさいました。この成功により、沖縄の存在を世界にアピールできたことは大変すばらしいスタートになるのではないかと、このように考えております。今後は、政府といたしましてもアフターサミット対策、引き続き国際会議を誘致するなど積極的に推進してまいりたいと考えております。
最後になりましたが、委員の皆様方には、どうか本日の会議におきまして率直かつ忌憚のない御意見をいただきますとともに、今後とも沖縄の発展のために一層の御理解と御協力を賜りますことを心からお願いいたしまして私のあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○川村会長 大臣、ありがとうございました。続きまして、白保総括政務次官にお願いいたします。
○白保総括政務次官 御紹介をいただきました沖縄開発総括政務次官を仰せつかっております白保でございます。本日は川村会長を始め多くの委員の皆様方にはお暑い中をお集まりいただき、心から感謝とお礼を申し上げたいと存じます。
さて、産業基盤の整備は第3次沖縄振興開発計画の基本的な方向の一つとして掲げられているとともに、観光産業は第3次沖縄振興開発計画において戦略的産業として位置づけられているものであります。本日、調査審議いただく工業等開発地区及び観光振興地域はこれらの振興を図ることを目的としたものであり、これからの沖縄の産業振興を図る上で極めて重要な役割を担うものであります。沖縄開発庁といたしましてはこれらの制度を効果的に運用し、沖縄の経済的自立と雇用の確保に努めてまいりたいと考えております。
また、先ほど中川大臣のごあいさつにもありましたが、第3次沖縄振興開発計画も残すところ2年弱となった今日、今後の沖縄の振興開発をどのように進めていくかを検討することが重要な課題になっております。このような重要な時期にありますので、総括政務次官として中川大臣の御指導の下、引き続き沖縄の振興開発のために全力を傾注してまいる所存でございます。
委員の皆様におかれましては、今後とも引き続きまして沖縄の振興開発の発展に御理解と御協力を賜りますよう、心からお願いを申し上げましてあいさつとさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
○川村会長 ありがとうございました。それでは、中川大臣と白保総括政務次官におかれては所用がございますので、これで退席されます。
○中川沖縄開発庁長官 申し訳ありません。国会等がございますので失礼させていただきます。
(中川沖縄開発庁長官、白保総括政務次官退席)
○川村会長 それでは、続きまして事務局の方から異動のあった幹部の紹介と本日の配布資料につきまして確認をお願いいたします。○竹林企画課長 それでは、沖縄開発庁総務局長の異動がございますので御紹介させていただきます。榊総務局長でございます。
○榊総務局長 この度の異動で総務局長を拝命いたしました榊と申します。よろしくお願いいたします。
中川長官あるいは白保総括政務次官からもごあいさつがございましたように、第3次振計につきましては残すところあと2年足らずということで、現在ポスト3次振計に向けましてその取り組みが本格化しつつあるわけでございます。そういう意味で、今、沖縄の振興開発にとりまして大変重要な節目の時期に差しかかっているわけでございまして、委員の皆様におきましては大変皆さんお忙しい方ばかりでございますが、引き続き振興開発につきましての御支援、御協力をお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○竹林企画課長 それでは、配布資料につきまして確認をさせていただきたいと思います。お手元に配布資料を、今日は資料ナンバーで1から9まで、お配りさせていただいておりますので、漏れ等があるかどうか順番に御確認をお願いしたいと思います。
まず、資料1につきましては審議会の30名の委員の方々の名簿でございます。
次に、資料2は審議会の中での総合部会の5名の委員の名簿でございます。
資料3は振興開発審議会の幹事名簿ということで、各省庁の局長クラス等の方々になっていただいております。人事異動等で委員の異動がございましたけれども、最新のものにしておりますので本日配らせていただいております。
資料4は、去る7月28日に調査審議が行われました総合部会からの報告の資料でございます。
資料5は、本日審議いただきます工業等開発地区の指定についての諮問関係です。
資料6は、その地域指定に付きましての関係資料一式でございます。
資料7は、観光振興地域の指定につきましての諮問関係です。
資料8は、その地域指定につきましての関係資料一式でございます。
資料9は、現在調査審議を進めていただいています審議会総合部会の専門委員会における調査審議状況についてという資料でございます。
配布資料につきましては以上でございます。
○川村会長 資料の確認ありがとうございました。
それでは、本日の議題でございます工業等開発地区及び観光振興地域の指定についての調査審議に入りたいと存じます。
本件につきましては従前より工業等開発地区及び観光振興地域の指定に向けての準備状況に応じまして、地域の指定につきまして知事から申請が出ましたならば機動的に審議会において調査審議いたしまして円滑に諸準備が進められるように当審議会の運営規則第3条2項に基づいて工業等開発地区及び観光振興地域の指定に関する審議会の調査審議は総合部会に付託するということとされていたところでございます。
その後、沖縄県において鋭意準備を進められた結果、去る7月12日に稲嶺沖縄県知事から沖縄振興開発特別措置法11条1項に基づく工業等開発地区及び同法18条の5第1項の規定に基づく観光振興地域の指定申請が中川沖縄開発庁長官に提出されまして、7月14日に、先ほどごあいさつにもございましたように、長官から当審議会に諮問が行われた経緯がございます。このため7月28日、先週でございますが、総合部会が開催されまして調査審議が行われましたので、その結果につきまして、恐れ入りますが、亀谷総合部会長から御報告をいただきたいと存じます。よろしくお願いをいたします。
○亀谷委員 部会長の亀谷でございます。まず、総合部会の調査審議の経過について申し上げたいと存じます。後ほど事務局から内容の御説明をいただきますが、去る7月12日、沖縄県知事から沖縄開発庁長官に申請が行われました豊見城地区への工業等開発地区の追加指定及び宜野湾西海岸地域への観光振興地域の追加指定につきましては、同月14日、沖縄開発庁長官から沖縄振興開発審議会に諮問が行われたところであります。
本件に関しましては、従前より審議会におきます調査審議を機動的に行うため、沖縄振興開発審議会規則第3条第2項の規定によりまして当総合部会にあらかじめ付託をされていることから、去る7月28日に第39回総合部会を開催いたしました。総合部会におきましては事務局から説明を聴取いたし、鋭意調査審議を行った結果、総合部会の結論といたしましては、お手元の資料4にありますように「工業等開発地区及び観光振興地域の指定につきましては妥当と認められるので、諮問のとおり承認することが適当である。」との結論に達したわけであります。審議会総会におかれましても、今回の指定につきましては原案のとおり承認していただくよう期待をいたしておるところであります。以上のとおり御報告を申し上げます。
○川村会長 ありがとうございました。それでは、まず工業等開発地区の指定についてでありますが、長官の諮問の内容について事務局から御説明をいただき、合わせて国の対応状況につきまして説明をいただき、調査審議を行いたいと存じます。では、お願いいたします。
○竹林企画課長 それでは、恐縮でございますが、資料5及び資料6に基づきまして御説明申し上げます。
まず資料5でございますけれども、大臣から審議会会長あてへの諮問でございます。「工業等開発地区の指定について」ということで、平成12年7月12日付の沖縄県知事の申請に基づき下記のとおり指定したいので審議会の意見を求めるということで、島尻郡豊見城村の指定ということでございます。
その次のページは、県知事から沖縄開発庁長官への指定申請がなされた公文書の鏡文の写しでございます。このような形で指定申請がされて、審議会の方への諮問が行われたというものでございます。
次に資料6の方で、実際の内容につきまして御説明を申し上げます。まず資料6-1でございます。これは工業等開発地区制度の概要でございますけれども、法律に基づきまして工業等の開発を図るために必要とされる政令で定める要件を備えている地区を指定するということになっており、政令での要件はここに掲げていますような工業用地、労働力の確保の容易性、工業用水の確保の容易性、輸送施設の整備の容易性等が挙げられてございます。手続的には沖縄開発庁長官が指定するわけでございますが、県知事の方で関係市町村長の意見を聴取した上で申請が出されます。今回は、豊見城村の意見を聞かれた上で知事からの申請をいただいております。開発庁長官におきましては審議会への諮問及び関係行政機関の長への協議を行うということになってございまして、その諮問の関係が本日の審議でございます。また、関係行政機関の長への協議につきましては既に同時並行的に手続を行っておりまして、すべての関係行政機関から異議のない旨の連絡をいただいているところでございます。
この地域に指定されますとどのような優遇措置が法令上用意されているかということを下の方にまとめてございますけれども、基本的には税制上の優遇措置がございまして、国税につきましては、課税の特例ということで、減価償却の特例ないしは法人税の投資税額控除等が行われることになっております。地方税につきましても、事業税、不動産所得税、固定資産税等を課税免除した場合にはその補てんがなされる、あるいは、特別土地保有税の非課税等がなされるという形の税の優遇措置がございます。また、その他といたしましても公庫の融資制度等の資金の確保が行われる、このような制度でございます。6-2でございますけれども、この制度自体は昭和47年に沖縄振興開発特別措置法が施行された当時から制度としてございまして、48年の段階で審議会におかれまして先ほどの政令要件に基づいて更に少し細かい形で基準をつくっていただいております。今回もこの基準に沿った形で県知事の方から申請が出されているというものでございまして、立地条件につきましては次の3条件を満たすものであることということで、まずは(1)で土地の容易性あるいは施設の整備が容易であること、水の確保等々の部分、それから(2)で農林漁業関係(3)大気汚染、自然環境の保全文化財の保護等への配慮、このようなものが要件として掲げられてございます。
2番目としまして開発熟度ということで、先ほどの税制上の優遇措置を受けられるような形の企業立地が予定されていること。
3番目の要件として地区の一体性ということで、用地上の一体性、施設利用上の一体性、土地利用上の一体性等が挙げられてございます。
次のページの6-3、6-4が、今回の指定申請がありました豊見城村がその要件の該当性がどうなっているかを整理したもので、今回この指定申請がなされますのは臨空港ということで豊見城村の地先の開発事業ということで埋立て事業が行われておりまして、まさにそこの地域の完成に向けて地域指定をしようというものでございます。そういう意味で、資料6-4の後ろに航空写真を付けさせていただいてございますが、これは糸満の工業団地の方からながめているものでございまして、奥の方には那覇空港が見えます。そこの手前の埋立て造成のところが今回の地先の部分の埋立て事業でございます。
そういうことで、まず最初に立地条件の(1)でございますけれども、豊見城村におきましては臨空港型産業の新規立地のためのものといたしまして現在この地先の開発事業が進められております。これは平成9年から始められまして13年度から分譲をしていきたいということで聞いております。その部分といたしましては臨空港型産業用地といたしまして35.9ヘクタール、都市開発関連用地としまして25.02 ヘクタール、合わせて60.92 ヘクタールが確保されるということでございます。
(2)の主要道路、港湾施設とのアクセスの関係でございますが、沖縄自動車道那覇インターまで8キロ等容易にアクセスできる状況でございます。また、今後も那覇空港自動車道の西原~豊見城間の工事着工等、道路交通環境は一層良好になることが見込まれるということでございます。
(3)の工業用水の確保の部分でございますけれども、これにつきましても日量2,500 立米という形で供給可能で十分に確保できる見込みでございます。
労働力の確保につきましても、11年度の新規求職件数は約3万6,800 件という形で相当な求人数を要しております。
工場立地適地調査等の参酌ということで、平成10年3月で調査簿に登載されて工場適地ということで認められております。
(6)(7)につきましてもそれぞれの配慮をしているという状況にございます。
次のページで開発熟度のところでございますが、今、申し上げたような形で現在はまだ埋立て作業中でございまして、全体が完成するのは13年度までの計画になってございますけれども、もう既に埋め立てられているところにつきましては13年度から分譲を始めるということで今回の指定申請という形になっているわけでございます。それで、企業立地の見込みといたしましてもアンケート調査は平成6年に行われたのが実績としてありまして、そこでは約30社ということでございますが、直近では今年の3月現在で豊見城村の方には企業立地の相談が約20社ほどあるとお伺いしております。
次に地区の一体性のところでございますが、用地上の一体性は60ヘクタールが確保され、施設利用上の一体性につきましては、今後の予定といたしまして光ファイバーの整備あるいは電線類の地中化なども予定されているという形でございます。それから、土地利用計画上の一体性につきましても、今後、土地計画法上の工業専用地域あるいは準工業地域に指定される見込みになっております。このような形でございまして、今回の地域指定につきましては要件該当性があると事務局の方では理解しております。
それから、参考資料としまして写真の次の6-5のところでございます。過去指定されているところの地域が11市町村ございますけれども、それに今回豊見城村が指定されまして12市町村になるということでございます。過去指定されていますのが昭和50年10月に4地区、60年3月に7地区ということで、今回は15年ぶりに新たに地区指定するということでございます。
その後の6-7から10ページまではこの関係の沖振法の法律、政令等の参照条文を付けさせていただいておりますが、時間の関係で省略をさせていただきたいと思います。豊見城村の指定地域、工業等開発地区の指定につきましての検討資料は以上でございます。
なお、合わせまして6-11と6-12をごらんいただきたいと思います。行政の透明性の確保の観点から法律政令で基本的には規定されている内容の細目の基準につきまして大臣決定用の案をつくってございます。昨年12月に観光振興地域及び情報通信産業振興地域の新たな指定をした際にもこのような形で地域指定の基準案をつくってございますが、審議会で昭和48年の段階でつくられた要領に基づきまして、それを政令の要件の順番等々に置き換える形でつくらせていただいておりまして、行政といたしましては、このような基準に基づいて今後の地域指定についての運用を行っていきたいと考えているところでございます。説明は以上でございます。
○川村会長 ただいまの事務局からの説明につきまして、何か御質問なり御意見なりがございます向きはどうぞお願いをいたします。
(質疑等なし)
○川村会長 それでは、当面ないようでございますので、次に観光振興地域の方に説明を移らせていただきます。まず、この諮問の内容につきまして事務局から御説明をいただいて、合わせて国の対応状況についての説明もいただいて、調査審議を行いたいと思います。事務局、お願いいたします。○竹林企画課長 それでは、続きまして観光振興地域の指定につきまして資料7と資料8に基づきまして御説明申し上げます。
まず資料7でございますけれども、これらにつきましては先ほどの資料5と同じようなものでございますが、観光振興地域の指定につきまして7月14日付で大臣から審議会会長あてへの諮問文でございます。指定の地域は宜野湾市の西海岸地域ということで、まだ埋立ての部分がありますので地番等につきましては海浜地の地先というような形で書かせていただいてございます。
次のページが県知事から大臣あてへの指定申請書の鏡でございます。内容的には同様のものでございます。
次に内容につきましては資料8に基づきまして御説明申し上げます。
まず資料8-1でございますけれども、これは観光振興地域制度の概要ということで、昨年の12月に8地区指定していただきましたので簡単に御説明申し上げたいと存じます。この観光振興地域制度につきましては、観光の振興を図るため観光関連施設の整備を特に促進することが必要とされている政令で定める要件を備えている地域ということで、地域としての一体性、観光資源の存在、土地の確保の容易性、観光関連施設の整備の見込み等が政令で定められてございます。それで、その観光関連施設というのはここで掲げてございますけれども、スポーツ、レクリエーション施設、教養文化施設、休養施設、集会施設、販売施設、宿泊施設等々でございます。
指定申請の手続でございますが、沖縄開発庁長官が指定するわけてございますけれども、手続は先ほどの工業等開発地区と同様の手続でございます。県知事が関係市町村、この場合は宜野湾市でございますけれども、そこの意見を聴取した上で申請を出してきていただいております。それで、開発庁長官におきましては審議会の議を経るとともに関係行政機関の長に協議するということになってございまして、関係行政機関の長への協議は同時並行的に進めさせていただいておりまして、すべての関係行政機関から異議のない旨の回答をいただいているところでございます。
この地域指定をいたしますと税制上等々の優遇措置はございますが、税制上の優遇措置ということにつきましては、国税の方では課税の特例ということで、法人税の投資税額の控除の関係が手当されることになります。これ以外に地方税につきましては事業税、不動産取得税、固定資産税等で不均一課税ないしは課税免除した場合には手当てをすること。それから、特別土地保有税の非課税等がございます。
これ以外には、資金の確保ということで公庫の融資制度等の活用、それから公共施設の整備につきましての配慮規定等がございます。
次に8-2、8-3、8-4のところでございますが、これは昨年12月に今後、観光振興地域を指定する際に法律、政令に基づきまして具体にどういうふうな基準で指定していくかということを行政の透明性の観点から作成させていただいて対外的にオープンにしているものでございます。8-2の1でございますが、優れた自然の風景地、文化財等の観光資源を有する地域であるということでどのようなものがあるか具体的に書いております。
それから次に8-3にいっていただきたいと思いますが、真ん中より下ほどに大きい2番目の要件といたしまして、自然的社会的条件から見て一体として観光関連施設の整備を図ることが適当と認められる地域であることということで、自然的条件社会的条件についての記述をしてございます。
それから8-4でございますけれども、3番目の要件といたしまして観光関連施設の用に供する土地の確保が容易であること。4番目といたしまして、相当数の観光関連施設の整備が確実と見込まれる地域であること。5番目といたしまして、観光の拠点としてふさわしいものであること。それ以外に6、7ということで自然環境の保全、農林水産業への配慮等を行うというような形で指定の基準を作成してございます。
今回申請の宜野湾市の西海岸地域でございますが、位置図とその絵をその次のページに載せさせていただいています。8-5は、宜野湾市全体の地図でございますけれども、西海岸地域のいわゆるコンベンションセンター等々が含まれるところのエリア一体を指定するものでございます。
次のページの、8-6はそこの拡大図でございまして、カラーでつくってございますが、黄色部分が既存の施設、青色部分が現在整備中、赤色部分が今後整備の確実な見込みがあるというような形でございます。そして、黒でくくっている全体としてのエリアを観光振興地域に指定したいということで今回申請をいただきました。
その次のページに写真を付けさせていただいてございますが、上の方はコンベンションセンターが見えるところ、下の方もコンベンションセンターの方からこれは沖電の塔が見える方に向かって写真を撮っているところでございます。それで、58号線のバイパスもできていると、そのような状況でございます。
そういう関係もございまして、次の8-7でございます。今回の宜野湾西海岸地域の概要ということで、先ほどの要件との関係で総括表を整理させていただいておりますけれども、まず観光資源の存在につきましては風景地等といたしまして海浜公園、コンベンションセンター、宜野湾市の森の川、貝塚等がございます。
それから地域との一体性といたしまして、自然的条件といたしまして、西海岸に位置する4つの連接した字及び一部海浜地の地先埋立地として構成されておりまして、施設内道路を含め道路整備は十分図られておりまして地域内の移動は容易に行えるということでございます。また、社会的条件としましても、総合保養地域整備法での重点整備地域の中にございます。
3番目の用地確保の容易性でございますけれども、農振法等の各種土地利用規制の対象外となっておりまして、土地の取得は容易に行える状況にございます。
それから施設整備の確実性のところでございます。現在、進行中のものないしは今後予定のものということでここに幾つか主なものを挙げさせていただいておりますが、このようなものの整備が図られていくということでございます。
そういうことで、拠点への発展性の5番目でございますけれども、もう既にコンベンションセンターと海浜公園も整備される、あるいはリゾートホテルもあるということで立地してございますけれども、更なる整備が行われていくということで、今後新規大型コンベンション誘致が期待されるとともに海洋性レクリエーション施設の拡充、新設やショッピング施設等の整備が図られること、更に58号宜野湾バイパスが供用開始されたことからアーバンリゾート型の観光、スポーツ、コンベンションの拠点として更なる発展が確実な地域であるというようなことで要件該当性があると判断しているところでございます。
あとは参考といたしまして、8-8、8-9が昨年の12月17日に指定した8地域の参考でございます。その後には、沖振法や政令の関係条文を付けさせていただいております。説明は以上でございます。
○川村会長 それでは、これまでの事務局の説明に対し、何か御質問なり御意見がありましたらどうぞ委員の各位におかれては遠慮なくおっしゃっていただいて結構でございます。金城委員、何かございますか。
○金城委員 私は総合部会で検討しましたので、先ほど部会長からの報告のとおりでございます。
(質疑等なし)
○川村会長 それでは、特に御意見が出ないようでございます。先ほども総合部会で検討したからというような御意見もございましたが、それでは、まとめと進行も図るのが私の仕事でございますので、更に進めさせていただきます。先ほど来、工業等開発地区及び観光振興地域の地域指定について御相談申し上げたわけでございますが、部会報告等を踏まえまして、当審議会としても本件について長官への答申の取りまとめをいたしたいと存じます。今回、工業等開発地区につきましては豊見城地区を追加指定すること、及び観光振興地域につきましては宜野湾西海岸地域を追加指定することについては別に異論がないようでございますので、会長の私から中川沖縄開発庁長官に対しまして、当審議会への諮問の工業等開発地区の指定及び観光振興地域の指定については当審議会としては異議はないということで答申をしたいと存じますが、それでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○川村会長 ありがとうございました。それでは、答申の提出につきましては私に御一任願いたいと存じますが、よろしゅうございましょうか。(「異議なし」と声あり)
○川村会長 ありがとうございました。それでは、中川沖縄開発庁長官には本日答申を提出いたしたいと思います。それでは、続きまして、その他といたしまして現在鋭意御検討を進めていただいております専門委員会の調査審議状況につきまして、専門委員会の座長代理をされている大城委員から御説明をお願いいたします。
○大城委員 それでは、清成座長が海外出張中でございますので、替わりまして私の方から御報告させていただきたいと思います。
平成11年3月25日に開催された第37回沖縄振興開発審議会におきまして、これまでの沖縄振興開発計画に基づいて実施されてきた諸施策等の現状と課題について調査審議することが決定され、具体的な調査審議の方法及び検討事項については同審議会総合部会に付託されたところであります。
これを受けて、昨年9月30日、総合部会は今後の調査審議の進め方を決定するとともに、総合部会の下に専門委員を構成員とする専門委員会を設置し、専門委員会においてはおおむね1年程度かけて調査審議を進め、沖縄開発庁が行う検討作業の成果をも踏まえ、調査審議の中間報告を総合部会に報告することとされたところであります。このような中で、専門委員会においては昨年10月以来、先ほど説明されました資料9にありますように、これまで6回にわたって沖縄の社会経済状況、所得及び経済構造、人口及び雇用、産業振興、社会資本の整備、人材育成、国際交流拠点の形成等について調査審議を進めてきたところであります。
これまでの専門委員会で委員から出された主な意見を少し御紹介いたしますと、ポスト3次振計については地域振興策をめぐる内外の環境が大きく変化していることを踏まえ、従来の発想を超える努力が必要であり、国境を越えた競争、協調というグローバルな視点から検討すべきではないか。
返還跡地の計画的利用も含め、基地問題が沖縄の発展にとって阻害となっている部分も整理して振興策を検討すべきではないか。
所得及び経済構造関連については、沖縄の経済の財政依存度が高い状況を改善し、成長のエンジンを内蔵させていくため、沖縄の生産の場、特に産業の面をビジネスネットワーク、産業ネットワークを通じて発展させる方向を検討していくべきではないか。
人口及び雇用関連については、若年者の失業者が多いことからこの問題を解消する方策を検討する必要があるが、若年者を県外に押し出していくよりも、若年者を中心に起業する人材の発掘、育成を促進するなど、域内に滞留する若年労働者を顕在化する政策が望まれているのではないか。
リーディング産業である観光・リゾート産業関連については、シンガポール、香港等、沖縄のライバルが増加しており、今後、世界の中で競争していくためには沖縄に行きたい、どうしても沖縄でなければならないという条件をつくっていく必要があり、長期滞在が可能となるような整備を進めていくべきではないか。
産業振興関連については、人材育成がキーワードであり、各層、各分野における人材の育成と人材の確保が沖縄の発展、市町村の活性化、企業の繁栄につながることから、人材育成を重点施策に位置付け、企業家精神を持った人材を輩出する仕組みづくりを行うことが必要ではないか。
人材育成関連については、低学年からの英語教育やパソコン教室等、沖縄独自型教育システムを導入し、英語とパソコンが日本一となるような取り組みが必要ではないか。
社会資本の整備関連については、社会資本の整備と環境面の調和を図る必要があり、リサイクル等の技術開発を沖縄で行うことにより、東南アジアを含め他の諸国への技術移転を可能とするようなアプローチが必要ではないか。
国際交流拠点の形成関連については、アジア・太平洋地域の経済・社会状況を分析し、その中で沖縄の位置付けを明確にしていく必要がある。具体的には、現在、日本の南の交流拠点となっている福岡の機能の弱い部分を沖縄が補完していくことから始めるのが現実的な対応ではないか。
こういった多くの意見をいただいております。
専門委員会におきましては、これまでの議論の結果を踏まえまして、現在、事務局において中間報告のたたき台の案を作成いただいておりまして、その案に基づいて9月に開催を予定しております第7回専門委員会で議論をしたいと考えております。その議論を踏まえまして、10月には第8回専門委員会を開催して中間報告を決定し、同じ日に開催する総合部会と専門委員会の合同委員会に報告したいと考えております。
また、この総合部会との合同委員会において、今後の調査審議の進め方について総合部会としての方針を決定していただき、それを受け、合同委員会終了後専門委員会を再開し、今後の調査審議の進め方について検討することとしております。
その後の見込みといたしましては状況の変化もあり、確定的には申し上げられませんが、できれば、今後の振興開発の在り方、基本方向等について5、6回程度専門委員会において調査審議を行い、来年5月ごろには専門委員会としての最終報告を決定し、総合部会に報告をさせていただきたいと考えております。以上でございます。
○川村会長 大城委員、ありがとうございました。それでは、総合部会との合同委員会のことも今、触れられておりますので、亀谷総合部会長から御発言がございます。どうぞ、お願いをいたします。
○亀谷委員 ただいま大城座長代理より御発言がありましたように、専門委員会におかれましては、10月に第8回専門委員会を開催いたしまして中間報告を決定し、同日開催される予定の総合部会と専門委員会の合同委員会で報告をされるとのことであります。
総合部会といたしましては、この専門委員会との合同委員会におきまして、今後の調査審議の進め方についての方針を決定いたし、それに基づきまして合同委員会終了後、専門委員会を再開していただき、今後の調査審議の進め方について検討していただきたいと考えているところであります。
その後の見込みといたしましては、状況の変化もあり、確定的には申し上げられませんが、大城座長代理の御発言のように今後の振興開発の在り方、基本方向等につきまして専門委員会において調査審議をいただき、できれば来年5月ごろには専門委員会としての最終報告を御決定いただいた上で総合部会に御報告をいただきたいと考えておるところであります。
なお、総合部会におきましては、専門委員会としての最終報告を受けまして本審議会に御報告をさせていただきたいと考えております。以上であります。
○川村会長 ありがとうございました。以上の今お2方の御説明につきまして、何か御質問なりあるいは御意見がございましたら、それぞれ委員さんからおっしゃっていただいて結構でございます。
○尚委員 先ほど大城委員の御発言の中で、沖縄が南に開かれた交流拠点として福岡のサポート的な役割という御発言がございましたけれども、もうサミットが成功裏に終わりまして世界の沖縄になったと私は思うのですが、この機を逸することなく沖縄の地域特性というものはしっかり生かして、例えば日本で唯一の亜熱帯地域であるということは南に開かれた地理的条件としては最高の条件だと思いますし、もう一つは沖縄が世界的に長寿地域であるということ、こういう世界に類を見ない形の特性を生かして、むしろ沖縄がもっと積極的なイニシアティブをとれるような地域にしていただけないものかということを感じましたので申し上げたいと思います。
○川村会長 大城委員、何か御感想はございますか。これは実はサミットの前だったというのならば結構でございますが。
○大城委員 今、御紹介いたしましたのは一つの意見でございまして、21世紀の国土のグランドデザインの中でも沖縄はアジア・太平洋地域のクロスロードというふうに位置づけてございますので、今後の専門委員会の議論でもこの点についてはもっと詰めた議論が行われるのではないかと思っております。
○川村会長 ありがとうございました。それでは、せっかくの機会でございますので、沖縄県からも牧野副知事から御発言がございましたらお願いをいたします。
○牧野副知事 こんにちは。今日は、稲嶺知事の代理で出席させていただいております副知事の牧野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、去る7月21、22、23日の3日間にわたって行われました九州・沖縄サミット首脳会合が無事終了することができましたことを御報告するとともに、皆さんにお礼を申し上げたいと思います。私どもは県民とともにその開催を待ち望む一方、国際会議のホスト県として重責を感じていただけに、首脳会合が支障なく運営されて無事終了しましたことをうれしく思っております。開催に際しまして、支援をいただきました関係各省庁並びに関係者の皆様に対して、この場を借りて改めて心からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
さて、本日は去る7月12日付で地域指定の申請をさせていただきました工業等開発地区と観光振興地域の地域指定につきまして、先ほどの御審議の上諮問どおり了承する旨の答申をお決めいただきましたことに対しまして改めて感謝申し上げたいと思います。現在、沖縄県におきましては国の諸々の支援策や県独自の優遇措置等により、コールセン夕ーを中心とする情報関連企業の集積が進みつつあります。また、入域観光客も比較的順調に推移しております。特に、特別自由貿易地域につきましては本県では初めてのケースとなりますけれども、医療用の半導体製造工場が立地するとともに、国の支援を受けて整備しました賃貸工場におきましても企業の立地が進むなど、所定の成果が見えつつあります。県としましては、今後ともこれらの制度を活用して企業誘致を進めていくとともに、引き続き立地環境の整備に全力で取り組み、情報通信産業の集積、観光リゾート産業の新たな展開並びに加工交易型産業の振興を図り、21世紀の中核産業を育てていきたいと思っております。
一方、第3次沖縄振興開発計画もあと2年弱で終了することとなりますけれども、県としましても総点検作業を行い、それに対する沖縄県振興開発審議会からの意見書の建議もいただいております。本県の振興開発につきましては、これまでも特段の御配慮の下に推進されてきましたけれども、依然として財政依存、それから基地依存の経済構造が続いており、自立型の経済社会の形成を目指すためには引き続き政府の御支援をいただきながら諸施策を強力に展開する必要があると考えております。
なお、サミットに関連しましてはその間、首脳と県民との触れ合いが実現したこと、また世界の目が沖縄へ集中する中で、沖縄のありのままの姿を世界へ発信することができたことなど、大変意義深いものがありました。今後は、サミット開催によって得た経験を将来につなげていくためにも、県民の主体性を発揮しつつ、21世紀に向けた沖縄の振興発展や国際化の展望を切り開いていきたいと私どもは考えております。そのためにも、新しい時代にふさわしい沖縄振興新法の制定と新たな沖縄振興計画の策定がますます重要になってくるものと私は思っております。県としましては、県民が夢と希望と誇りを持てるような強力な沖縄づくりに向けて全力を尽くしていきたいと思っておりますので、川村会長を始め委員の皆様並びに沖縄開発庁、関係各省庁の皆様におかれましても、本県の振興開発のために今後とも特段の御配慮、御支援を賜りますよう心からお願い申し上げたいと存じます。本日はどうもありがとうごさいました。
○川村会長 ありがとうございました。県の御意向もわかりまして、何かその辺で更にこれだけは言っておきたいということがございましたらどうぞ。
○赤嶺委員 いろいろな国の御配慮に大変感謝申し上げたいと思います。実は、この間サミットが終わりましたときに県警本部長が沖婦連の事務所までわざわざお見えになって、非常に御礼を申されておりました。沖縄の人たちはとても温かくてみんなが感じ入っておったと。それで、一番御安心なさったのは県警本部長さんじゃないですかと言いましたら、さすがに涙ぐんでおられるようでございました。私たちも本当にほっといたしました。
いろいろな沖縄に対する御配慮を考えましても今、私が感じておりますことは、どういうふうな分野でもどんな仕事でも、まずこれは人材の育成が大事だなということを痛切に感じております。この人材の育成でございますが、私たち沖縄県婦人連合会は約4万の会員ですけれども、毎年6月上旬に指導者研修会というのを持っております。それに参加する人たちは250 名くらいになりますが、今後はその研修会を通していわゆる子どもを産み育てる女性の立場からどのように我々は人材育成、子育てに関わっていくかということの学習を続けていきたいと思います。そのことが根底を成して沖縄の振興開発の人材も生まれてくるのではないかということを今、先生方の御説明を承って痛切に感じております。頑張ります。どうもありがとうございました。
○川村会長 今まで女性委員の元気のいい御発言がございましたが、何も男女共同参画がこのビルの上の方にありますからそれで言うわけではございませんが、男性委員でこれぞ言っておきたいということがございましたら遠慮なくどうぞ。松本委員、いかがでございますか。
○松本委員 特別にはございませんが、せっかくでございますので一言お話させていただきたいと思います。
先ほどから沖縄サミットの件でいろいろ御発言がございましたけれども、このサミットを沖縄で開催させていただいた。私ども沖縄県民に本当に計り知れないぐらい大きなチゃンスを与えていただいた。心から感謝申し上げたいと思います。あとは、サミット後にこの経験をどうやって生かして沖縄の観光振興あるいは経済振興に結び付けていくか、まさしく我々の智恵が試される時期を迎えているのではないかと思っております。
せっかくいろいろサミットで培ったノウハウ等がございますので、例えば通訳ボランティア等、サミットの時期に国際的なマナーの問題とか語学の問題、いろいろ訓練を受けた人たちがたくさんいるわけでございますけれども、そういう人たちはせっかくこういう機会があってある程度育ったわけでございますので、できればこういう人たちを今後とも、今すぐそういうたくさんの人たちが沖縄で活用できる場はございませんけれども、将来に向けてせっかく育ったものを更に育てて維持していくというんでしょうか、そういうことは是非ともお願いしたいと思っているところでございます。
それから、先ほど長官からのお話もございましたとおり、要するに政府としても今後国際会議等を積極的に支援していくという御発言がございましたけれども、私どもが常に感じておりますのは、求人求職、人材のミスマッチというのでしょうか、これは常に悩まされ続けているところでございます。ですから、例えば国際会議が頻繁に開かれる、あるいはIT関連産業が立地するというふうな状況になりますと、人材のミスマッチは常に私どもが直面しているわけですね。更に、急激にそういうミスマッチというのは出てくると思うんです。ですから、先ほど大城先生からの御報告もございましたが、人材の育成というのは本当に焦眉の急だと思います。急にたくさんの需要に見合った人材が育成できるとは思いませんが、いずれにしても一日も早くそれに手をつけて十分な人材の供給ができるような体制を整えていくというのもまた非常に重要なことではないかと思っているところでございます。以上でございます。
○川村会長 ありがとうございました。ほかに何かどうぞ。
○伊波委員 琉球大学の伊波でございます。大学に籍を置いている者としまして、今の若い世代、つまり子どもの世代ですね。20年後とか30年後のことを考えた場合、私たちがどういう環境を残していけるのかということがすごく気になるんです。それで、今回循環型社会形成推進法もできまして、国としても今後その方向に力を入れていくITと環境が2つの柱になるのだということを新聞などで伝え聞いておりまして、大変心強く思っております。それで、沖縄の振興開発に関しましても、やはりこれまでどちらかといいますと環境保全よりも開発の方が大事だというふうな形で進められてきたところがあるように思います。ですけれども、これからはやはり環境の保全あってこその開発だと、両方が両立していけるような方向でなければ、環境を犠牲にしての開発はあり得ないということで進めていただきたいと考えているわけです。
それに関連しまして、では具体的にどのようなことがプロジェクトとして考えられるかといいました場合、これは沖縄が復帰するとき、30年近く前になりますけれども、そのときにも沖縄だけが国鉄の恩恵を受けていない地域であるということで鉄軌道の導入というのが検討されたわけですが、その当時としてはやはりモータリゼーションの振興ということが背景にあり、国鉄も非常に難しい問題を抱えている時期だということもありまして、やはりかなり盛り上がったのですけれども、海洋博後にそのまま消えていったような経過がございます。それで今、時代が変わりまして環境保全の観点からもCO2 の排出抑制、日本として地球温暖化現象を止めるためにも、日本はCO2 を6%排出削減という目標を立てております。それはヨーロッパの方が大変進んでいるんですが、CO2 の排出を削減するための一つの手段として鉄軌道というか、電車が見直されているという状況がございます。そこで、是非沖縄にも鉄軌道の導入を御検討いただきたいと考えているんです。
それは、1つには大人の数だけ車を持たなければいけない。例えて言いますと、私の家族は4人家族でございますが、子どもたちも成人いたしまして今、車が4台あるような状況なんです。車が1台、2台というのは豊かさの象徴で車を是非持ちたいと考えるのですけれども、車が1家庭に4台というのは決して豊かではありません。むしろ家計も貧困になりますし、いろいろな出費が大変大きいです。それから、社会全体としても社会資本が貧しいということで社会の貧困を象徴しているものだと思います。その結果、うちはまだ4台を持てるからいいんですけれども、1台すら持つのも非常に困難であるという低所得者の家庭だとか、あるいは障害者が車を運転するとか、それで移動しなければどうしようもない社会というのは障害を持っている、あるいは子どもとか老人に対して大変厳しい社会だと思います。そういった観点からも、近ごろはバリアフリーというよりもユニバーサルデザインというふうにして社会福祉の観点からも鉄道が見直されるようになっておりますので、是非沖縄にもそういう環境の観点から、それから高齢者あるいは障害者という福祉の観点からも鉄軌道の導入を検討していただきたいと考えております。
ひとつそういう市民団体運動が起こりまして、南部の糸満の平和記念公園から北部の海洋博記念公園まで鉄道を通そうではないか。そのことによって北部地域が一つの住宅地域として北部振興にもなるのではないかという議論も出ております。それで、次の振興開発計画には是非それを入れていただきたいということで今、議員の方々にも賛同いただいて運動を進めているところでございます。私はこんなところで発言するのはとも思ったんですけれども、せっかくの機会ですので発言させていただきました。よろしくお願いいたします。
○川村会長 ありがとうございました。今の御意見で触発された方がいらっしゃいましたら、どうぞ御遠慮なく。
○伊良皆委員 県議会の伊良皆高吉でございます。今、伊波委員の方から発言がありました鉄道の件についてでありますが、つい先日沖縄県議会の方でもこの鉄道を是非実現しようという議員連盟ができまして、私はその議長という立場で会長に任命されたわけでありますが、今、伊波委員の言われたようにいろいろな面から沖縄の自立できるような状況をつくっていくために大事なことは第1に沖縄の県土の利用を高めることだ、県土利用の効率を上げていくことが一番大事であります。
それから、まちづくりのバランスある状況をどのようにしてつくり出すかということと同時に、現在時間的なロスや経済的なロスを何とかもっと前向きに、沖縄の建設のために、あるいは発展のために向けるべきだということなどが大きな理由となりまして超党派で議員連盟ができたわけでありますが、今後議会におきましても、また沖縄県各地域でもそういった運動が起こっているようでありますので、県民運動としてこれを高めていこうという機運でございますので、どうぞ本審議会においても御検討をいただけましたらと思う次第です。ありがとうございました。
○川村会長 それでは、その辺で御意見の方はよろしゅうございましょうか。なお言っておけばよかったと途中で思い直された方はどうぞ、いつでも手を挙げていただいて結構でございますが。
○金城委員 この沖縄振興開発審議会は沖縄の地域の振興ということでいろいろな施策が展開されると思うのですけれども、これまで1次、2次、3次振計を振り返りまして沖縄のいわゆる自立化、経済の自立化を自らできるようなエンジンを内蔵する経済構造を構築するというのが21世紀プランにもうたわれているのですが、今までの振興開発の手法で果たして沖縄の振興でそういうものが得られるだろうかというふうな疑念がございます。
例えば情報産業につきましては、東京と沖縄でどれぐらいの差があるかということで、私は10分の1と申し上げたのですが、清成先生は100 分の1程度しかなく、アジアとか東南アジア、東アジアの情報産業の熟度というのはずっと日本よりも高いんだということです。その中で情報産業振興をするということで沖縄の経済構造の自立化を目指すようなエンジンを内蔵する経済構造をつくっていくというのは大変なことだと思います。
一地域の振興という形では到底無理ではないかという話があります。それで、振興開発事業の内容によりましては、沖縄開発庁が国がやる沖縄地域の振興開発というふうな形の位置づけではなくて、日本全国民が利用、享受できるような地域あるいは産業というふうなものの考え方で設定していかないと、ポスト3次振計の我々の目標である成長のエンジンを内蔵するような経済構造をつくるのはなかなか難しいのではないかという議論がございますので、今後の検討の中でそういうことも日本の中で沖縄の地域がどういうふうな役割を果たすか、そして、その地域でその事業そのものは日本全国民が活用し、利用するんだというふうな拠点形成を是非やっていただきたいと思います。
そういうことで、まず地域振興と同時に沖縄の地域を日本の一つの国の施策としてアジアに開けた地域、あるいはアジアに開けた政策というふうな形の事業を展開するのでなければ、あの地域で自立化を目指すのは大変難しいだろうと思いますので、是非今回審議するときはそういうところにも広げて検討していただきたいとお願いしたいと思います。
○川村会長 ありがとうございました。何かほかにございますか。
それでは、今までの御意見を承って、審議会の会長というのはつくづく議事整理だけしていて自分の意見は言えない大変あわれなものだなと思いましたので、ごく手短に私個人の意見を申し上げておきます。別にそれは総合部会を拘束するものでもなければ、大城先生がおっしゃっていた専門委員会を拘束するものでもございません。
この度のサミットが終わりまして、先ほどパソコンと英語を日本一というような言葉が出てきましたが、やはり中心はITの問題だったと思います。そうすると、そのITはもう皆さんも御存じのとおり国境も越えますし、もちろん地域も越えてしまいますし、ある意味ではグローバルな動きを本来機能としては持ってインターネットで結んでいくわけでございます。と同時に、インターネットというのは今、文部省の審議会でも私はちょっとやらされている問題がありまして、たまたまソフトのコンテンツといういわば内容の問題は大変感性に絡んだコンテンツをつくらないと、実際にインターネットは機能しないという問題もあることは皆さん御存じだと思います。そういう点では沖縄の方の人材養成というんですか、沖縄の方の感性というのはすばらしいものがあるので、その辺は新しい沖縄のリーディング産業になるのではないかなと私は密かに思っております。その辺は一つの期待でございます。
と同時に、21世紀の考え方というのは、一つの方向は完全にグローバリズムといいますか、地球的観点ということでございますし、もう一つのベクトルは少し難しい話かもしれませんがパトリオティズムといいますか、パトリオットというのはコンサイス辞典で引くと愛国者という言葉になってしまうのですけれども、あのもともとの意味は郷土心といいますか、ふるさとのうぶすなの神みたいなものを信奉することなのです。そういう新しい地域圏主義と申しますか、そういう2つのベクトルが21世紀では課題になるであろうということでございます。たまたま8月になりますと、昭和40年8月19日に佐藤栄作総理のお供をして沖縄返還に私も行った何十年か前のことを思い出すわけでございますが、そんな意味でよくここまで沖縄もきたなという感じを深くしていますし、同時にこれからの問題というのはこの辺で少しディメンションを変えた方がいいかなというのが私の私見でございます。つまらぬことを申し上げましたが、そんなことを申し上げて一委員としての務めみたいなことを果たさせていただきます。
この後、事務局から何かございましたらどうぞお願いをいたします。
○竹林企画課長 それでは、事務的な御報告でございますけれども、現在この審議会の設置根拠は時限法であります沖縄振興開発特別措置法で決められておりまして、第52条でこの審議会が設置、第53条で審議会の組織が規定されております。中央省庁改革のための整備に関する法律というのがございまして、この法律によりまして行政改革の中での審議会の整理合理化の動きといたしまして、国のいろいろな審議会が全部見直しをされているわけでございますが、沖縄振興開発審議会につきましても委員の構成につきまして変更があるということでございます。
いわゆる省庁再編のが実施される、来年の1月6日から、現在沖縄開発庁にこの審議会は置かれてございますが、それは内閣府に置かれるものという形に変わります。それから、第53条の改正部分でございますが、現在は第53条第1項で1号から6号まで掲げられている中で、第1号の関係行政機関の職員、関係省庁の事務次官の方々が13名以内となっておりますが、この関係行政機関の職員13名以内というのは削除されることになります。それで、その代わりに学識経験のある者、現在11名以内でございますけれども、これが14名以内ということで3人の枠が広がりまして、差し引きトータル10名の減ということで、来年の1月6日以降からは20名以内の審議会の構成という形に変わることになっております。
そのような動きがございまして、現在の委員の皆様の任期も平成11年3月にスタートしておりますので13年3月までではございますが、来年の1月、組織が変わるということで、またそこで任命の発令変えがありますので、この機会を借りて御報告させていただきます。以上でございます。
○川村会長 ありがとうございました。それでは、大体本日の議題はおおむねここまでいったわけでございますが、これまでの案件でも結構でございますし、その他沖縄の振興開発に関しまして、これだけは最後に是非という問題がございましたら念のため御発言の機会を持ちたいと思いますが、何かございましょうか。
(発言等なし)
○川村会長 それでは、御意見は以上で一応出尽くしたと考えさせていただきまして、以上をもちまして第39回の沖縄振興開発審議会を終わらせていただきたいと存じます。なお、本日の調査審議に関する記者の発表についてでございますが、事務局に御一任を願えましょうか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○川村会長 それでは、本日の審議会はこれをもって終わりにいたします。ありがとうございました。