第42回沖縄振興開発審議会議事録

議事次第

○日時: 平成13年11月27日(火)13:30~14:30
○場所: 合同庁舎4号館第4特別会議室
  1  開会
  2  議事
   (1)  工業等開発地区の指定について
   (2)  沖縄振興新法の検討状況等について
   (3)  新大学院大学構想について
  3  閉会

配布資料

   資料1  沖縄振興開発審議会委員名簿
   資料2  「工業等開発地区の指定について(諮問)」
   資料3  「工業等開発地区指定関係資料」
   資料4  沖縄振興新法の検討の基本方向について
   資料5  平成14年度沖縄振興関係税制改正要望
   資料6  平成14年度内閣府沖縄担当部局予算概算要求・要望
   資料7  平成14年度沖縄振興の重点施策案
   資料8  平成13年度補正予算事項
   資料9  産業・雇用緊急特別対策の取組状況について
   資料10  沖縄における新大学院大学構想の骨子

沖縄振興開発審議会委員名簿

  1.沖縄県知事  稲嶺 惠一

  2.沖縄県議会議長  伊良皆 高吉

  3.沖縄県の市町村長を代表する者
   那覇市長(市長会会長)  翁長 雄志 
   嘉手納町長(町村会会長)   宮城 篤実

  4.沖縄県の市町村議会の議長を代表する者 (2名)
   那覇市議会議長(市議会議長会会長)   我那覇 生隆
   中城村議会議長(町村議会議長会会長)    呉屋 哲夫

  5.学識経験のある者(14名以内)
   沖縄県婦人連合会会長   赤嶺 千壽
   琉球大学教授   伊波 美智子
   琉球大学教授   大城 常夫
   財団法人沖縄協会理事   亀谷 禮次
   沖縄県経済農業協同組合連合会代表理事会長   儀間 義勝
   法政大学総長・理事長   清成 忠男
   社団法人沖縄県工業連合会会長   金城 名輝
   (株)キャンディッド・コミュニケーションズ代表取締役   残間 里江子
   (株)ニッセイ基礎研究所主任研究員    白石 真澄
   放送大学沖縄学習センター所長    尚  弘 子
   オムロン(株)代表取締役会長    立石 信雄
   (社)沖縄県銀行協会会長   仲吉 朝信
   JSAT(株)取締役会長   森本 哲夫

出席者

  ○審議会委員
    清成忠男会長、稲嶺惠一委員、伊良皆高吉委員、宮城篤実委員、大城常夫委員、亀谷禮次委員、金城名輝委員、儀間良勝委員、残間里江子委員、白石真澄委員、尚弘子委員、森本哲夫委員

  ○内閣府
    尾身沖縄及び北方特命大臣、仲村副大臣、襲田内閣府審議官、武田沖縄振興局長、山本官房審議官、吉田沖縄総合事務局長、渡辺参事官(中長期計画担当)

議事

○中長期計画参事官 大変お待たせいたしました。定刻になりましたので、ただいまから第42回沖縄振興開発審議会を開催いたします。
 それでは清成会長、よろしくお願いいたします。

○清成会長 本日は尾身大臣、それから仲村内閣府副大臣にも御出席いただいております。 議事に入ります前に、まず大臣にごあいさつを賜りたいと存じます。どうぞお願いします。

○尾身大臣 沖縄・北方担当の尾身幸次でございます。大変お忙しい中を沖縄振興開発審議会に御出席をいただき、ありがとうございました。清成会長を始め、委員の皆様には日ごろより沖縄の振興につきまして格段の御支援、御協力を賜っておりまして心から感謝を申し上げる次第でございます。
 本日の諮問事項でございます工業等開発地区の指定申請は、去る10月19日に稲嶺沖縄県知事から小泉内閣総理大臣あてに提出されたものでございます。この諮問事項は金武町を新たに工業等開発地区に指定し、工場の立地及び振興を図ろうとするものでございまして、本日の審議会におきまして御了承いただきますよう、調査審議のほどをよろしくお願い申し上げます。
 さて、沖縄振興特別措置法及び第3次沖縄振興計画の来年3月の期限切れを控えまして、去る8月3日の当審議会におきまして、今後の沖縄の振興につきまして内閣総理大臣に対しまして貴重な御意見を賜りました。これを受けまして、政府といたしましては沖縄県とも十分相談をしながら、去る8月末に沖縄振興新法の検討の基本方向を取りまとめ、現在その実現に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。概要につきましては後ほど説明をさせますが、今後来年の通常国会における新法の制定及びそれに基づきます新たな計画の策定へと進んでまいりますので、皆様には引き続き御支援、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
 最近の沖縄の経済事情につきましては、同時多発テロの発生以後、修学旅行を中心としてキャンセルが相次ぐなど、大変大きな影響が観光に出ておりますし、また全体としての景気低迷の中で9.4%という非常に高い失業率であるなど、厳しい状況が続いているわけでございます。私どもこれに対しまして、観光産業に対する融資の問題や、あるいは沖縄観光に対する大型のキャンペーン等を実現をするとともに、補正予算あるいは調整費を最大限に活用いたしまして、中小企業の円滑化や新しい事業の創設を目指す研究開発の推進など、全力を尽くしているころでございます。
 特に、先日の補正予算におきましては緊急保養地域対策として3,500億円の予算が補正予算で付きましたが、これについては比率的には格段の配慮をいたしまして沖縄に70億円を使えるということになった次第でございます。
 また、大学院大学の問題につきましてはつい先日、アメリカ、アジア、ヨーロッパに調査団を派遣をいたしまして、そのレポートの取りまとめを今しているところでございまして、私自身も来年の初めにアメリカを中心とする各国の大学を回りまして実情を調査し、どういう内容にするか、またどういうところと連携をするか、どういう人材を引き抜くというか、獲得をするかということについて、私自身が各地を回りまして見てまいりたい。そして、本当の意味の理想的な大学院大学を設立したいと今、準備をしているところでございます。
 近況報告は以上のとおりでございますが、今後とも委員の皆様におかれましては引き続き沖縄振興への御理解と御協力を賜りますよう心からお願いを申し上げましてごあいさつにさせていただきます。本日は本当にありがとうございます。

○清成座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、事務局から新たに任命されました委員の御紹介と本日の配布資料の確認の説明をお願いいたします。

○中長期計画参事官 まず初めに、新たに任命された委員の御紹介をさせていただきます。
 沖縄県の市町村の議会の議長を代表する者であります委員2名のうち、亀島前那覇市議会議長に代わりまして市議会議長会会長に選出されました我那覇生隆那覇市議会議長が新たな委員として就任されております。我那覇委員につきましては、9月28日付で内閣総理大臣から任命がなされております。本日、お手元に辞令を差し上げてございますので、よろしく御査収のほどをお願いいたします。我那覇委員を御紹介いたします。
 それでは、お手元にお配りしております資料の御説明をさせていただきたいと思います。資料は10種類ございまして、それぞれナンバーを振ってございます。
 資料1は、委員名簿でございます。
 資料2が、本日の諮問事項でございます。
 資料3が、この諮問に関連いたします資料でございます。
 資料4が、沖縄振興新法の検討の基本方向でございます。
 資料5が、平成14年度税制改正要望。
 資料6が、平成14年度の内閣府の沖縄担当部局の予算概算要求要望でございます。
 資料7が、平成14年度の沖縄振興の重点施策(案)。
 資料8が、平成13年度補正予算事項。
 資料9が、産業・雇用緊急特別対策の取り組み状況。
 資料10が、沖縄における新大学院大学構想の骨子でございます。
 御確認していただきたいと思います。よろしいでしょうか。以上でございます。

○清成座長 それでは、本日の議題といたしまして、諮問事項であります工業等開発地区についての調査審議に入りたいと思います。
 本件につきましては、10月19日稲嶺沖縄県知事から沖縄振興開発特別措置法第11条第1項の規定に基づく工業等開発地区の指定申請が小泉内閣総理大臣に提出され、11月21日に総理大臣から本審議会に諮問されたところでございます。
 それでは、まずこの諮問の内容につきまして事務局から説明いただきたいと思います。

○中長期計画参事官 資料の2の2ページをお開き願いたいと思いますが、金武町の工業等開発地区の指定につきまして、稲嶺県知事から平成13年10月19日付で内閣総理大臣小泉純一郎あて指定申請が出されております。
 前のページに戻っていただきまして1ページでございますが、内閣総理大臣から審議会に対しましてこの指定をしたいので審議会の意見を求めてございます。
 資料の3をお開き願いたいと思います。指定の関係の資料でございますが、1ページをお開き願います。工業等開発地区制度の概要でございますが、工業等の発展を図るために必要とされる政令で定める要件を備えている地区ということで、要件につきましては政令で定められておりますが、工場用地等労働力の確保の容易性、工業用水の確保の可能性、輸送施設の整備の容易性というのが要件となっております。これにつきまして、沖縄県知事の申請に基づきまして関係行政機関の長に協議し、かつ沖縄振興開発審議会の議を経て内閣総理大臣が指定をするものでございます。指定をされますと、優遇措置といたしまして国税、地方税につきましてそこに記載のとおりの優遇措置等があるわけでございます。 次に、2ページをお開き願いたいと思います。工業等開発地区の指定につきましての指定の基準でございます。1から、工業用地等あるいは労働力の確保の容易性等につきまして、それぞれ基準を定めてございます。
 4ページをお開き願いたいと思います。この指定のそれぞれの要件につきまして、金武町におきます状況が述べられてございます。(1)の工業用地等の確保からそれぞれにつきまして金武町の状況が書いてございますが、この中で特に1の(1)でございますが、工業用地等の確保ということで、これにつきましては平成12年3月に工場立地法第2条の規定に基づく工場適地といたしまして工場立地調査部に金武I.C.地区が記載をされております。また、合わせまして町中央部の金武地区に沖縄電力の火力発電所用地がございまして、これに56ヘクタールが確保され、関連企業の立地が可能となっているものでございます。このほか、労働力の確保、工業等の水の確保等につきまして、それぞれ要件に合致すると考えているところでございます。これにつきましては4ページから6ページにかけてございますが、説明は省略させていただきたいと思います。
 7ページでございます。これまでの既存の指定地区が青色で塗られているところでございます。工業等開発地区につきましては基本的に市町村区域全域が指定をされておりまして、これまでに12の市町村が指定をされております。それで、今回カキ色でございます金武町、北部の市町村でございますが、ここに工業等開発地区を指定するというものでございます。
 8ページを見ていただきますと、これまでに昭和50年から平成12年の豊見城まで12地区が指定をされております。それで、今回は13番目ということでございます。
 9ページ以降は、関連する沖縄振興開発特別措置法あるいは施行令の該当の部分を抜粋をしてございます。これまでに、関係行政機関の長との協議につきましてはすべて終了をしております。この審議会の御了承をいただきますと、今後速やかに指定の手続きをとってまいりたいと考えております。予定といたしましては、12月の上旬にも指定の告示をしていきたいと考えているものでございます。よろしくお願いいたします。

○清成座長 ありがとうございました。
 それでは、従来から工業等開発地区の指定に関する審議会の調査審議は当審議会運営規則第3条第2項に基づきまして総合部会に付託するということになっております。このため、本件につきましても総合部会において調査審議が済んでおりますので、その結果につきまして亀谷部会長から御報告をお願いいたします。

○亀谷部会長 それでは、総合部会の調査審議の経過につきまして申し上げます。
 去る10月19日、稲嶺沖縄県知事から小泉内閣総理大臣に申請が行われました金武地区への工業等開発地区の追加指定については11月21日、内閣総理大臣から沖縄振興開発審議会に対し、諮問が行われました。本件は沖縄振興開発審議会運営規則第3条第2項の規定により、当総合部会に付託をされ、調査審議を行いました結果、同地区は工業用地、工業用水等や労働力の確保及び輸送施設の整備が容易である上、工業等開発地区に指定することにより、県経済の均衡ある発展等に資するものと考えられることから、諮問のとおり承認することが適当であるとの結論に達しました。
 以上のとおり、御報告を申し上げます。

○清成座長 どうもありがとうございました。
 それでは、この件につきまして御質問御意見がございましたら、どうぞ御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。
 ございませんようですので、それでは今回工業等開発地区につきまして金武地区の追加指定をするということについて、特に御異論はないように思います。当審議会といたしましては、総合部会の報告に基づきまして諮問のとおり了承したいということにしたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○清成座長 どうもありがとうございます。それでは、そのように決定することにいたします。
 ここで、今日は知事が御出席されておりますので、知事から一言ごあいさつをちょうだいしたいと思います。

○稲嶺知事 稲嶺でございます。本日の審議に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。 去る10月19日付で申請をさせていただきました工業等開発地区の地区指定につきましては、本審議会で真剣な御審議の上、ただいま諮問どおり了承する旨の答申をお決めいただきましたことに対し、深く感謝を申し上げたいと思います。
 現在、本県においては情報通信関連企業の集積が進みつつあり、特別自由貿易地域においても加工交易型産業の企業誘致を重点的に取り組んでいるところであります。また、国の支援を受けて企業立地の受け皿施設として、同地域単位に整備した6棟の賃貸工場すべてに企業の入居が決定するなど、一定の成果が見えつつあります。県としましては、今後ともさらなる誘客対策に取り組むとともに、工業等開発地区等の制度を活用した企業誘致や立地環境の一層の充実に全力で取り組み、観光・リゾート産業の新たな展開、情報通信産業の集積並びに加工交易型産業の振興を図り、21世紀の中核産業を育てていきたいと思っております。
 ところで、順調な伸びを見せていた観光・リゾート産業については9月以降の急激な観光客の落ち込みなど、楽観を許さない状況が続いております。これに対して、国際会議や政府関係会議を本県で開催する等、国を挙げての支援策をとっていただくとともに、県としましても「だいじょうぶさ~沖縄」誘客キャンペーンに取り組むなど、最大限の対応を行っております。この場をお借りしまして、関係機関並びに関係各位に対し、深く感謝申し上げます。
 更に、沖縄振興新法や制度上の検討も山場を迎える中、新たな沖縄振興にとって重要な時期になっております。今後は県民の主体的な取り組みが重要であることは当然のこととして、政府におかれましても具体的な施策の推進とともに引き続き沖縄振興開発審議会の場において、新しい時代にふさわしい沖縄振興の方向について提案していただくことが必要だと考えております。
 尾身担当大臣におかれましては緊急の観光客対策や大学院大学の検討と、多くの課題に精力的に取り組んでいただいておりますが、また本日、特に観光関連事業者向けの緊急特別融資制度について更に枠を広げるという大変ありがたい方向に進んでおられることに対し、心から御礼を申し上げたいと思っております。
 また、清成会長を始め委員の皆様並びに内閣府沖縄担当部局関係省庁の皆様におかれまして、今後とも沖縄の振興について特段の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げましてあいさつに代えさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

○清成座長 それでは次の議事に入りますが、次は審議会への説明事項でございます。まず最初に、沖縄振興新法の検討状況につきまして山本官房審議官から説明をお願いします。

○官房審議官 それでは、沖縄振興新法の検討状況と最近の沖縄関係の主な事項につきまして御報告、御説明を簡単に申し上げたいと思います。
 まず沖縄振興新法の検討でございますが、平成14年の通常国会への法案提出に向けまして、現在鋭意検討を進めておる状況でございます。その概要につきましては、資料4の2ページ以降にまとめてございます。簡単に御説明をしますので、お目通しいただきたいと思います。
 法律案の仮称といたしまして沖縄振興特別措置法ということで、現行の沖縄振興開発特別措置法の「開発」という文字を抜いてございます。もはや「開発」という文字は要らないであろうということで、とりあえず仮称でございますがこうしております。
 それから、総則部分では目的のほかに理念といったものを自立型経済を目指してといったような理念を盛り込もうという方向で検討をいたしております。星印でちょっと網かけになっておりますところが、現在の法律に比べましていわば新規事項というものを入れておるものでございます。それから、沖縄振興計画につきましては知事が案を作成をして総理大臣が決定する。そうしまして、この計画の中では圏域別の振興に関する事項も定めようというものでございます。
 次に産業振興でございますが、まず観光の振興につきまして、知事がいわばアクションプランとも言うべき計画を策定することにしたい。それから、現在の観光振興地域を更に拡充するために地域の指定要件を緩和をしたい。それから、沖縄本島路線にかかります航空機燃料税の軽減措置を延長する。それから沖縄型特定免税店制度、これは現在空港ターミナルで出店をいたしておりますが、これを空港外においても設置ができるように拡充をしたいというものでございます。その他、エコツーリズム等の措置を講じてもらいたい。
 それから3ページでございますが、情報通信産業でございます。これは近年、数年でコールセンター等40社4,000人といった立地を見ておるところでございますが、更に拡充をしていきたいということで、先ほどと同様、知事が計画をつくる。そうしまして、情報通信産業振興地域の関連業務の対象を拡充をしていく。それから、特に特定情報中枢機能振興地区ということでデータセンター等、牽引力となる中枢機能集積を促進したいということで、より手厚い税の特例制度を講じたいというものでございます。
 それから、次の産業の総合的な振興でございますが、これは先ほど御審議いただきました工業等開発地区を更に発展をさせまして、製造業以外の産業も取り込んで対象にしていこうというものでございます。
 4番の項目は中小企業の発展ということで、健康食品でございますとか伝統工芸品等の沖縄特有の重要な産業を支援していこうというものでございます。
 5番目はいわゆる金融特区というものでございまして、地元からの御要請に沿いまして金融業を集積するということで特段の税制上の措置等を講じようとするものでございます。エネルギーの安定供給、農林漁業の振興、それから1枚めくっていただきまして職業の安定、人材の育成といったものにつきましても、それぞれ計画等を定めて措置を講じていこうというものでございます。
 5番目が魅力ある地域特性ということで文化、高等教育機関の充実、環境調和型エネルギーの形成、離島関係の医療福祉、同じく離島関係の教育等々につきまして振興を図っていこうとするものでございます。
 その次は、現在のいろいろな国の国庫補助負担率をいわゆる高率で行っておるわけでございますが、これも今後とも継続措置を講じていきたいというものでございます。
 その次は、駐留軍用地跡地の利用促進ということでございます。これは平成11年の普天間施設の閣議決定に基づきまして新法に盛り込もうとするものでございまして、跡地利用にかかります国、県、市町村の連携、大規模駐留軍用地跡地の利用促進、寄附金支給、これは平成7年に議員立法で返還特措法というもので3年支給を定めておりますが、これにつきまして特殊なケースについて特例措置を講じようとするものでございます。10年の時限立法を考えておるところでございます。以上が、振興新法の概要でございます。
 資料5は今、御説明しましたものの中から税制改正要望を抽出して資料化したものでございますので、またごらんいただければと思います。
 資料6は、来年度予算の概算要求でございます。沖縄関係はトータルで3,500億円余ということでございまして、公共事業等が前年度同額の要望となっておりますので、伸び率全体では1.4ポイントの増ということでございます。
 資料7は沖縄振興の重点施策(案)ということで今、御説明いたしました予算でございますとか税制、その他の法律事項というものをそれぞれの分野ごとにまとめまして資料化したものでございますので、またごらんをいただければと思います。
 それから資料8でございますが、これはこの臨時国会におきまして現在の厳しい経済状況等を踏まえまして補正予算が取りまとめられました。そのうち、沖縄関係予算といたしまして32億1,100万円が計上されたものでございます。内容はごらんいただきますように、1つは公庫の出資金等でベンチャー企業のための出資金等を始めとする16億円、それから沖縄産学官共同研究の促進ということで4億円、これに地元の方で2億円更に負担をしていただきまして計6億円の共同研究を行いたいとするものでございます。
 それから、高等学校を中心としました校内LANの情報化促進ということで10億円を措置をいたしております。
 これが補正予算でございまして、これに続きまして昨日の閣議におきまして第2次補正予算を組んでいきたいということで、これから第2次の補正予算に向けまして今、示されておりますのが公共事業関係で1兆5,000億、それからその他の公共投資関係で1兆円、計2兆5,000億円の国費を中心に第2次の補正予算を組むということになっているところでございます。私ども沖縄関係におきましても、積極的にこれに対応をしていきたいということで今、準備を進めつつあるところでございます。
 資料9でございますけれども、これは先ほど来大臣のごあいさつの中にもございました。現在の厳しい観光、雇用、そういう状況を踏まえまして補正予算、それから沖縄関係の調整費等を活用しまして関係省庁、沖縄県連携しまして産業雇用緊急特別対策ということで取りまとめまして、現在これに取り組んでおるところでございます。内容は、1つは観光振興緊急対策ということで観光リゾートの大キャンペーンの展開、これは新聞とかテレビスポット、新聞は既に平とみさんに出ていただきまして、1ページそのまま使いました広告が出ておりますので、ごらんいただいた委員の先生方もおられると思いますが、引き続きまして12月にはまたテレビスポットでございますとか、そういったものもやっていきたい。そして、安全な沖縄を訴えていきたいと考えておるところでございます。
 それから、観光事業者等のために資金調達の円滑化ということで、ここに書いてございますような特別融資制度をスタートしておりまして、また明日からはこれから漏れておりました大手ホテル等も対象としたものを実施したいということでございます。
 それから、少しはしょりまして恐縮でございますが、3ページの(5)で臨時に就学旅行生を確保するということで、1月から3月までの間に沖縄へ就学旅行に来られた就学生に1人当たり2,000円を助成をしようというものでございます。
 その次の枠は産業振興特別対策ということで中小企業金融の円滑化、先ほどのベンチャー企業等も含めます。あるいは産学官共同研究、それから経済産業省でもオールジャパンの施策でございますが164億の枠がございます。このうちから、できるだけ多くのものを沖縄でも確保したいと考えております。
 それから雇用創出、人材育成でございますが、この中でも先ほど大臣のあいさつにもございましたが、特別交付金の70億円の確保というものができましたので、これを積極的にそれぞれの地域で生かしていただきたいと考えておるところでございます。
 以上、概括、主な事項を御説明しましたが、観光客が現時点で22万人強キャンセルがトータルで出ておるところでございます。特に就学旅行を中心にキャンセルが出ております。しかしながら、お陰様で最近ようやくこのキャンセルの状況も沈静化の兆しを見せてきておるところでございます。しかしながら、依然としてまだ厳しい状況でございますので、気を引き締めまして県とも連携をとりながらしっかりと対応策を講じていきたいと考えているところでございます。以上でございます。

○清成座長 どうもありがとうございました。御質問等は後ほど一括してちょうだいすることにいたしまして、引き続きまして沖縄における新大学院大学構想について武田沖縄振興局長から説明をお願いいたします。

○沖縄振興局長 大学院大学につきましては、先ほど大臣のごあいさつにもございましたものですから、私の方から事務的な進捗状況等につきまして簡単に御説明をさせていただきます。
 資料の10で、「沖縄における新大学院大学構想の骨子」ということでございます。ここにも書いてございますが、大学改革及び沖縄の新たな発展ということを目指しまして、新しい発想を持った国際性のある世界最高水準の大学院大学を沖縄に設置することを目指すということでございます。この大学院大学をアメリカやアジアなど、諸大学の大学とも連携をとりながら、アジアの知的中核体にしていくという考えで進めていきたいという考えでございます。
 骨子としましては、この骨子をベースに議論がスタートしておりますが、その後、議論の中で深められた部分も含めまして御説明をしたいと思います。
 まず設置形態としましては、非公務員型の新しい大学法人形態とするということでございます。
 それで、国際的運営ということで教授陣及び学生は半数を目途と言っておりますが、半数以上諸外国から受け入れ、講義、会議等は英語で行う。
 教育・研究内容でございますが、IT中心といいますか、むしろITを含むという位置付けでバイオ等、今後具体的な分野について有望なものを検討していきたいということでございます。
 それから、大学を中心とした知的中核体を形成するために産学連携も推進をしたいということでございます。事業規模等はそこに書いてあるとおりでございます。
 この検討でございますが、次のページをごらんいただきますと、沖縄新大学院大学構想検討会というものを立ち上げまして、8月31日に設置、第1回会合を行っております。その主な検討内容でございますが、2に書いてございますように、新しい大学院大学の理念であるとか研究・教育内容の在り方、あるいは国際的な運営の在り方、施設整備、立地環境、その他、新大学院大学に関する幅広い検討を行うということでございます。
 それから検討会の委員でございますが、その次のページに別紙で付いてございますが、有馬参議院議員、東京大学元学長ほか、沖縄県知事を始めとする有識者の皆様方により構成をさせていただいております。また、座長の指名による若手有識者によるワーキンググループは今後設置をしたいというふうに考えておるところでございます。事務につきましては、文部科学省の協力を得て内閣府で処理するということでございます。
 具体的な検討会の開催状況でございますが、最後の4ページに付けてございますように、第1回は8月31日に開催をされまして、議事内容としてはフリートーキングが行われた。それから、第2回は10月3日に開催をされまして、議事内容としましてはフェルミ国立加速器研究所の葉主任研究員からのヒアリング、それから第1回の議事概要を踏まえたさまざまな意見交換を行ったところでございます。
 それから、先ほど大臣のお話もございましたが、海外の大学研究機関の状況についての調査を行っておりまして、11月6日から18日にかけまして、そこにございますように米国のカリフォルニア大サンディエゴ校、MIT、スタンフォード大学等11機関、それからヨーロッパではヨーロッパ分子生物学研究所、ケンブリッジ大学等4機関、アジアではシンガポール大学、香港科技大学等3機関を視察をいたしました。海外の世界最高水準の大学研究機関や、最高水準を目指した新設大学の先進事例を調べますとともに、新大学院大学が実現した際の連携の可能性などについて調査を行ったところでございます。
 なお、第3回の検討会は11月30日に開催を予定をしております。議事内容はただいまの海外調査の報告、またそれを踏まえた意見交換ということを考えております。
 なお、付け加えますと、平成14年度予算で沖縄における新しい大学院大学の在り方に関する調査ということで、約1億円の調査費を要求をいたしております。本年度の基本的な検討を踏まえて、より詳細な調査検討を行うということを予定しておるところでございます。
 以上、新大学院大学に関する私の方からの説明を終わらせていただきます。

○清成座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの2つの件につきまして御質問、御意見がございましたらどうぞ御自由に御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○森本委員 来年から新法ができ、直ちにそれに沿った形の予算要求がある。片や、新しい大学院大学の創設があるということで、本当に沖縄としてはある意味で画期的な新しい時代へ向けて動き出すという感を強くするわけですが、先ほど御説明がございましたように、14年度の情報通信に関してでございますが、新たなリーディング産業として期待される、そうした産業分野の発展のためにインキュベート機能の集積を図りたいという趣旨の御説明がございましたが、一点この情報通信産業振興地域制度と、それから特定情報中枢機能振興地区という、この2つの制度があるようでありますが、この違いは一体何なのか。あるいは、新しく生まれる特定地域というのは沖縄全県の中でどのくらいの箇所を指定をされようとしているのか。ちょっとこれだけではイメージがわかないものですから、是非御説明をお願い申し上げたい。
 こういう質問をいたしますのは、実はこのアジアの近隣諸国は大変今ITに、しかもそれをある意味でこういうふうな特定地区というものをベースにしながら国全体としての発展を図るという方式をどこの国もとっているということでございまして、実はせんだって約二十数人の産業人を連れて中国の科学技術の開発という状態を見てまいりましたが、中国ではITあるいはバイオ、こういう科学技術の振興のために広い全土でありますが、53地域を御案内でございますが、特定地区として指定をして、そのエリアにはさまざまな税制優遇、例えば3年間は無税にして、その次の3年間は税額を半減にする。そして、外資であろうが国内産業であろうが、あらゆる入居のために企業が発展していくための便宜をする。
 取り分け人材の供与、その53のエリアというのは例えば有名なのは北京の中関村、それから西安の内陸の方にも開発を是非やりたいというので、ここはインドのバンガロールに負けないソフトの基地開発をしたい。輸送の問題もあるものですから、このちょうど2か所を見てまいったのでありますが、産官学の連携ぶりというのはまさに日本の産業人が驚嘆すべき状態で、学生が休学をして社長をやって、大学の同じ校内なんですが、既にもう上場できて大成功した企業が2つもある。もちろん教授も社長になっているというような事態もあって、企業がまた大学の中の研究所を自由に使わせてもらう。あるいは図書館等のデータベースをフルに活用できる。本当に学問と、それから産業との橋渡しというのが中国の体制であるがゆえに特別な措置をとっているんだろうと思うのでありますが、大変な熱の入れ方でありまして、一緒に行った大学の先生も本当にこのままでは日本が負けてしまうという危機感を募らせておられるわけです。
 いずれにしてもそうしたホットな状態が、これは台湾もしかり、韓国もしかり、マレーシア、シンガポール、みんなそうなのでありますが、是非ひとつこの特定振興地域というのはそうした似た制度に、日本ではほかにはなかなかないようでございますから、この沖縄を開発を拠点に、バネにして日本全体のITの展開を図るという形にならないものだろうかと大変期待を抱いているものですから、今のことについて御説明願えればありがたいと思います。

○官房審議官 今、森本委員からお話がございましたが、インキュベート施設につきましては当初予算でも今、要求しておりますし、また先ほどちょっと申し上げました第2次補正予算でもひとつ大いに力を入れてインキュベート施設の整備に努力していきたいというふうに考えております。
 それから情報関係のいわゆる振興地域でございますが、現行法で平成10年に情報通信産業振興地域制度というものを導入しております。これが23の市町村を指定をしておりまして、いわゆる法人税関係の投資税額控除を始めとしまして、固定資産税の減免に対する減少補填措置でございますとか、そういった税制上の措置等を講じておるものでございます。そういうことで、ここ数年先ほどちょっと申し上げましたけれども、コールセンターを中心に四十数社、雇用人数で約4,000人の増加を見ておるところでございます。
 それで、今回更に情報通信中枢機能集積特別地域ということで、その全体の情報通信地域の中でも特定の地域に絞りまして、そこにデータセンターでございますとか、あるいはインターネット・エクスチェンジ機能だとか、そういった関連情報産業も呼んでこられるようなより高次の機能を持った産業を集積をしていこう。それを更にねらっていきたいということで、次の新法ではこの新しい制度を是非実現したいと考えておるところでございまして、今の制度に更に税制上の優遇措置を付加したいという具合に考えておるところでございまして、今、沖縄関係でいいますと特別自由貿易制度というのがございますが、ここで設けておりますような手厚い税制上の措置を検討していきたいということで今、作業をしておるところでございます。
 したがいまして、仮にこれが実現しまして地域指定という段取りになりました場合には、そういう意味からやはり少数の特定された地域を指定していくということにおのずとなっていくだろうと思います。それを核にして、更に沖縄全体の情報産業をバックアップしていきたいという考えでございます。

○清成座長 森本委員、よろしゅうございますか。

○森本委員 是非インセンティブが働くような地域の振興の在り方という、従前のタイプにないものを積極的に採用していくという決断が必要だろう。非常に抵抗の多いことも多々あると思うんですが、本当にこの沖縄県の、しかも特定の市町村であるわけなので、それは1国2制度をつくろうというわけでは決してないんだろうと思うんです。今、御指摘のあった自由貿易制度でも既にできている。
 しかし、それがやっとだという程度ではなくて、さっき申しました地区の場合はアメリカにどんどん渡っている頭脳、留学生を呼び戻しているわけですね。そのために、ほかの大学の教授とはちょっと違う待遇をするとか、つまりもう中国は差別があってもいい、あるいは特定のところが前へ進まなければ全体が栄えていかないぞということで、そういう例外をどんどんつくって優遇を図り、それをバネにして全体の均てんを図るという本当に大きな方針転換で、このままいけば今の国家の体制もどこまでいくのかなと思われるぐらい思い切った特定のエリアの発展のためのさまざまな措置がございますので、この辺のことも御研究いただいて、せっかく特定情報通信機能振興地区という名前にふさわしいものに是非お願いできたらと思っております。よろしくお願いいたします。

○清成座長 ほかに御意見ございませんでしょうか。

○宮城委員 今のIT産業に関わる部分ですが、町村会の宮城です。政府としての制度の強化、そして一層の推進というのは大変結構なことでありますが、問題はこの地域の中にこの情報通信関連産業がこれから更に根付いていき、発展していく可能性は何なのか。もちろん企業が入るということは大事です。
 しかし、企業が入ってくるということは何なのか。これは、彼らは稼ぎ回るということを端的に言っているわけです。その原因に、1つは人件費の安さというものに大きく着目しているとすると、将来かなりこれはつまづいてくるのではないかと思うわけです。私は、雇用関係の問題で地元からの状況を見てみますと、現在IT関連産業に従事している、特に底辺の若い人たちの報酬は極めて低い。それだけにほとんど若い人たちは冷めてこの問題を見ているのではないか。
 そうすると、ただいま非常にいいお話がありまして、人材をほかからも持ってくるためには、それだけに企業が人件費をもう少し高くしろと言ってもこれは無理なんです。人件費は更に若い人たちにも魅力のあるような状況のものを加算させながら、それでもなおかつ企業として沖縄に根付いていけるような状況づくりが大事だろうと思うんです。そのためには、どうしても遠隔地でありますから情報通信関連は特別な差異はないと言っても、やはり沖縄まで進出していくための魅力づくりはそれなりに高速通信回線であるとか、企業にとってこれだけでもすぐ沖縄へ飛び付いていきたいというふうなものをもう少し政府の方で仕掛けていかなければならない。
 そのために政府としてやるべき仕事、あるいは沖縄県としてやるべき仕事、更に末端で言えば私ども市町村の中でどうしても人材の育成であるとか、底辺の拡大をするとか、そういう意味で教育を更に徹底させる努力、それぞれの分担で役割が果たせるような状況づくりを是非お願いしたいと思いますが、現在これからの状況はどうなんでしょうか。人件費関係で調査等をおやりになったことはあるのでしょうか。

○官房審議官 宮城委員の御質問でございますが、確かにコールセンター等、先ほど申し上げましたようにここ数年多くの情報関係の企業が立地していただいております。そういう立地された企業の皆様方から、なぜ沖縄に立地をしたのかというお話をお伺いしますと、いろいろ理由があるようでございますが、委員はちょっとおっしゃいました人件費の若干コストの問題というのも触れておられます。そのコストの問題とともに、沖縄の若い人は定着率が非常に高いということも御指摘をいただいております。そういう意味で研修をしてきちんとやっていただくと、長く安定してやっていただけるといったようなことも経験談としてお話がございました。
 ただ、コスト的にも若干、もちろんそういう賃金水準がトータルでも九十何%ですから、若手のコールセンターなどのレベルも本土に比べれば、企業サイドからすれば少しコストが安くなるという要因はあるようでございます。
 それで、私どもとしましてそういうコールセンターというのはいわば情報産業の最初の進出でございますので、これを今、宮城委員がおっしゃいましたように更により多様で高次な、いろいろなもっとレベルの高い、そういった情報産業もより多く集積をさせていく努力が必要であろうということで、人材育成の面での努力でございますとか、例えば高等専門学校の新設でございますとか、そういったことも含めまして、人材の育成の問題でございますとか、先ほどの情報産業振興地域制度の更に拡充をしまして、より多くの企業に来ていただくといったような措置もとるというようなことで努力もし、あるいは基本的には光ファイバー網とかのいろいろな全国展開のそういった沖縄での展開もより有利に展開できるように、これからいろいろ県とも相談をして取り組んでいきたいということで、総合力で是非おっしゃいましたように、よりレベルの高い、より高次な多様な情報産業の展開に努めていきたいと考えております。
 こういう情勢でございますので、厳しい環境ではあろうと思いますけれども、それぞれの立場で努力していきたいと思っております。

○大城委員 3次振計の後半から、政府は産業の振興のためにかなり努力をなさってきております。特に特別自由貿易地域の設定あるいは観光振興地域あるいは情報通信産業地域の指定をしてきているわけでございます。今回、今日説明していただきました沖縄振興特別措置法あるいは平成14年度の沖縄振興関係、税制改正要望の中にも産業振興についてはかなり力を入れていることがわかります。
 それで、ちょっとお聞きしたいのは、特に沖縄の産業の中心とした、リーディングセッターとしての観光の振興について前の地域指定をして、その優遇措置をするということになっておりました。それで、今回この地域指定の要件の緩和をするということをここにうたっております。私がお聞きしたいのは、地域指定の緩和と同時に前は優遇措置の対象としての観光関連施設からホテルを除いておりました。観光振興のためにはやはり宿泊施設についても要件を緩和するといいますか、対象にするということが沖縄の観光振興にとっては大事ではないかと思いますけれども、今回この産業振興の中で観光振興の計画をおつくりになって指定の緩和をするということなんですが、税制改正の中で優遇措置の対象としての宿泊施設はお入れになるんでしょうか。その辺をもし議論なさっておりましたらお聞かせください。

○官房審議官 観光関係につきましては、今お尋ねの税の特例制度につきましてはおっしゃいますように宿泊施設は現在対象に入っておりません。離島にあります旅館につきましては離島の特例がございますが、本島の方については特例が現行ではございません。これにつきましては新しい税制改正要望の中で、今9地域の観光振興地域があるんですが、これをもう少し柔軟に指定できるようにひとつ要件の緩和をしたいということと合わせまして、その観光振興地域の中でそういうホテルを整備すべき地域について、そこのそういうホテル等の立地の促進のための措置についても今、検討をしているところでございます。
 リーディング産業ということで、入り込み観光客数も昭和40年代後半の復帰直後の50万前後から、ちょうど10倍の450万人に達したところでございます。更に力を入れてまいりたいと考えておるところでございます。

○清成座長 予定された時間がきておりますが、大臣から何か御意見がございましたらお願いします。

○尾身大臣 先ほどから中国の話等々を伺っておりますが、日本全体として産業の空洞化という問題が大変大きな課題でございまして、これにどう対応していくか。そして、この高い生活水準を更に伸ばしていくかというのが大きな課題になっていると思います。それで、私はこれに対して余り近道はないのでございますが、科学技術を発展させて頭脳で勝負をするような国にならなければならないということで今、科学技術担当でございますから、その点については全力で国全体の科学技術水準を上げていく。少なくとも世界のいろいろな意味でトップ水準になるように努力をしているところでございます。
 そこで、そういうことを考えて今度は沖縄の担当の目で沖縄を見ますと、いわゆる2次産業が育っていないという従来からの経済構造がございまして、そこをどうやって突き抜けて発展をさせていくかというのが、実は日夜私の頭の中でいつもいつも考えているところでございまして、大学院大学をつくるという構想を出しておりますが、その大学院大学をつくるのと同時に産業の方もITや何かも含めまして技術的な水準を相当高度なものにしていくには、大学だけがあっても片手落ちみたいなことになっておりまして、そこをどういう分野で世界最高水準に産業も持ち込むかということが実は私自身の大きなテーマでございまして、先ほどの情報通信振興地域といいますか、特区といいますか、そういう問題や、あるいは金融特区の問題も含めまして、どういうところで世界最高を目指すかという、そのことについて頭を大変悩ませているところでございます。
 これは日本全体でもそうなんですけれども、特に沖縄という地区を見たときにその点の今、模索をしていて、ありとあらゆる方の御意見も伺いながら、しかしその意見をちょっとオーバーライドした格好で発展をしていかなければならない。これをどこに見出すかということについて、実は大変思い悩んでいるところでございます。
 しかし、だんだんと体制も整えてまいりますから、そういう中でいろいろな方の意見を聞きながら、本当の意味の沖縄が自立経済としての力をつけるような道を是非実現をしていきたいと考えております。

○清成座長 どうもありがとうございました。予定された時間が来ておりますので、それでは閉会に当たりまして仲村副大臣からごあいさつをお願いいたします。

○仲村副大臣 締めのごあいさつを申し上げます。内閣副大臣の仲村正治であります。
 本日は委員の先生方には御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。本日、答申をいただきましたことにつきましては、金武町を新しく県内で13番目の工業振興地域に指定をしていただくということでございますが、私たちといたしましては早急に手続きを進めまして、この地域が沖縄の産業振興に供する地域として整備が図られるようにしていきたいと考えているところでございます。
 また、先ほど沖縄振興新法についての説明もいたしたところでございますが、御承知のように平成14年度の新年度からこの法律が適用されるように法律制定に向けての作業を進めているところでございますので、どうか今後とも御指導、御鞭撻をよろしくお願いを申し上げたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

○清成座長 どうも大変ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして第42回の沖縄振興開発審議会を終了させていただきたいと思います。本日は大変ありがとうございました。