第1回PFI推進委員会 議事概要

日時 平成11年10月8日(金)10:40~11:45
場所 内閣総理大臣官邸大客間
出席者 飯田委員、奥野委員、小幡委員、高橋委員、西野委員、原委員、樋口委員、前田委員、山内委員、有岡専門委員、植田専門委員、廣實専門委員、藤井専門委員、光多専門委員、美原専門委員、宮脇専門委員、矢野専門委員、山下専門委員
小渕内閣総理大臣、古川官房副長官、竹島内閣内政審議室長、白須内政審議室民間資金等活用事業推進室長

議事概要

委員長互選

委員の互選により樋口委員が委員長に選出された。

小渕内閣総理大臣挨拶

今後、中長期的に投資余力の減少が見込まれ、また、国・地方公共団体の財政が非常に厳しい状況にある。こうした中、PFI事業を推進することは非常に重要である。現にPFIに対する各方面の関心、期待は非常な高まりを見せていると承知している。今後、PFI法に基づき基本方針を策定し、これにのっとって、国、地方公共団体等がPFI事業を進めていくが、早速、本委員会において基本方針についての調査審議をお願いしたい。

樋口委員長挨拶

PFIの推進については、大きな関心をもってきた。本委員会で委員長として調査審議に参画することに重責を感じるとともに新しい社会への変革を目指した仕事であると考える。
私としても、PFIの実現に向けた条件を整えるため、できるだけ早期に、基本方針についての調査審議を進めていきたい。

委員長代理の指名

樋口委員長が委員長代理として西野委員を指名した。

経緯の説明

事務当局から、資料2に基づきPFIに関するこれまでの経緯について説明した。

委員会議事規則の決定

「民間資金等活用事業推進委員会議事規則(案)」(資料3)を案のとおり決定した。

民間事業者等の提出意見の取扱いについての決定

「民間事業者等の提出意見の取扱いについて」(資料4)を案のとおり決定した。

部会の設置

委員会に、事業推進部会、評価基準部会の2部会を設置した(資料5)。また、委員長が、各部会に属する委員・専門委員を指名した。さらに、事業推進部会の部会長として西野委員を、評価基準部会の部会長として山内委員を指名した(委員会途中配布資料)。

今後の進め方について

基本方針についての今後の検討の進め方について、資料6に基づき事務当局から説明した。説明の概要は次のとおり。

  • 本日、第1回委員会を開催しているが、今後の進め方については、次のようでいかがか。なお、インターネットを利用して一般からの意見を募集することとしたらどうかと考えている。当面の基本方針の検討は両部会の検討内容に関わることから総合的に合同部会で検討を進めていただくことが適当かと考える。第1回の合同部会では、基本方針を含めPFI推進に係る全般的な意見交換をしていただき、第2回の合同部会で意見の中間的な整理をしていただいてはどうかというふうに考えている。できれば、第1回合同部会を来週中に、第2回合同部会を再来週にも開いていただければと考えている。基本方針を策定する際には、関係行政機関の協議と委員会への付議の双方が必要であるので、合同部会の意見の中間整理と各省庁の御意見を伺って、基本方針の原案的なものを作成させていただくのがよいかと考える。その後、11月にも委員会を開催していただき、合同部会の意見の中間整理を部会長に報告していただき、その報告を踏まえて基本方針案の御審議をいただきたい。基本方針案の付議は、11月末か12月の始めに、委員会においてさせていただきたいと考えている。できれば、年内に基本方針の正式な決定、公表が可能になるようにご審議を進めていただければと考えている。

意見交換

今後の進め方等について、各委員から次のような発言があった。

  • 民間事業者にどの程度のインセンティブを与えられるかということと、公共性の確保の兼ね合いが重要である。公共性を考えるあまり、民間事業者に対するインセンティブを狭くしすぎると、結局何も出てこないということになりかねない。そうならないよう、基本方針等を審議する当委員会の役割は重要である。考え方をきちんとすれば、PFIは非常に有効な仕組みと認識している。
  • 昭和30年~60年代の社会資本整備は比較的合理的であったが、ここ15年ほどはばらまき等の批判が強い。一方、80年代の円高は製造業等に大きな影響を与え雇用が喪失したが、結局のところ公共事業によって景気等を維持しておりそれなりの役目を果たした。この委員会が組織されて、21世紀の日本のためにどういう社会資本を整備すべきかを議論する環境ができたことは大変に有意義である。
  • PFIは自治体で盛んに検討されているが、その規模、環境等は千差万別であり、これらの意見を十分に吸収して、基本方針にいかしていただければと思う。
  • 法はできたが、事業はこれからであり、委員会で十分な基本方針を固めないといけない。
  • PFIという言葉がわかりにくく、行政、民間事業者はある程度知ろうとしているが、一般の国民、住民はPFIとは何だかわからない。PFIが従来型とどう違い、どうメリットがあるのか、国民への浸透が必要である。
  • 自治体のPFIというのが実際はかなり数が多くなってくると思う。地方自治法の仕組み、地方交付税、補助金、税制など、国が関わる部分について、この委員会できちんとしておくことが必要である。
  • 基本方針はPFIの骨格を決めることなので、短期間で決めるという制約はあるが、広がりをもつものになるように決めていきたい。
  • PFIは、一般の国民、住民にはわかりにくいが、3セクや民活との違い、行財政改革、透明性の向上、規制緩和等今日の行政の主要テーマとの関わりでの位置づけ等について簡単明瞭に表現することが重要である。それにより理解をいただける。
  • PFIはそれほど難しいものではない。契約の関係等で多少の違和感がある程度である。事例としては、プロジェクト・ファイナンスを用いないようなものから始まるのかなという印象である。
  • 地方公共団体も勉強しており、程度の差はあるが、理解している。しっかりした基本方針を定めることが必要である。
  • 公が今やっていることには公正性と効率性の両方がある。公正性を考えたとき、地方財政が厳しいからともかく民間の発案があればどんどんやらせるというのではなく、公は一体何をするのか、どこまで行政でみなければいけないのかという点、公正性と効率性について基本方針で検討していただきたい。
  • PFIを国民の中へ浸透させるときには、評価の透明性を上げていくことが重要であり、基本方針の中に盛り込んでいただきたい。
  • 契約の仕方については、官民の役割分担の見直しがなかなか難しい。単に文言を決めるだけでなく、契約を守ろうとする関係者の意識の徹底が重要なので、息の長い取組が必要である。
  • PFIの仕組みと、入札をはじめとする現行の制度がうまくかみ合うかどうかという心配がある。基本方針は短期間で決めないといけないようだが、具体例のないところで問題を全て解決するのは無理。基本方針策定後も、いろいろな意見を聞いて、問題解決のためのフォローアップを息長く続けたい。
  • 日本の社会資本整備の手法は、公共、三セク、特殊法人と多様である。PFIは市場の原理を社会資本整備に導入するところが一番大きいインパクトになると思う。社会資本とは、もともと市場では失敗したので公がやる分野であるので、いろいろな問題点がでてくると思う。
  • PFIはいろいろな難しい点がでてきて長い目でみる必要があるが、一方ではある程度スピードが問われている。基本方針を年内に策定するのはよいと考えるが、必要に応じて見直すことが重要である。日本では三セクとか特殊法人とかいろいろな経験があるので、その経験を生かし、その中に契約の問題とかリスク管理の問題とかの新しい要素をうまく組み込んでいけばいいと思う。

以上

(速報のため事後修正の可能性があります)

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内閣総理大臣官房内政審議室民間資金等活用事業推進室
TEL 03-3502-7319、03-3502-7346