第2回PFI推進委員会 議事概要

日時 平成11年11月16日(火)13:00~15:10
場所 総理府3階特別会議室
出席者 樋口委員長、西野委員、奥野委員、小幡委員、高橋委員、前田委員、有岡専門委員、植田専門委員、鵜崎専門委員、廣實専門委員、藤井専門委員、光多専門委員、美原専門委員、矢野専門委員、山下専門委員
事務当局 竹島内閣内政審議室長、白須民間資金等活用事業推進室長、佐久間参事官、古谷企画官、清水企画官

議事概要

基本方針について

西野部会長より、去る10月13日及び19日に開催された合同部会における基本方針についての論点のポイントの紹介があった後、事務当局より資料1に基づき補足説明があった。次に、資料2「基本方針(案)」について事務当局より説明後、同資料に関して意見交換を行った。なお、資料2については審議途中にあることから基本方針策定までの間非公表の取扱いとなった。意見の概要は次のとおり。

  • この基本方針は地方自治体にはガイドラインとなるもので、いろいろな解釈がなされると考えられるので、意味内容を確認しておきたいが、一1(2)の「公共施設等の整備の中長期的方針と整合性」というのは、PFI事業の対象を小さく狭めるという趣旨ではなく、事業継続困難なときも公共が引き取って行うに値する事業、住民、国民にとって必需的なものを特定事業の対象とする意味であること、三2(1)(ハ)「リスクを最もよく管理することができる」というのは、国が、多くのプロジェクトを持っていることでリスクをプールできるとか、納税者にリスクを分散できるということではなく、特定のPFI事業についてリスクを最もよく管理できる者にリスクを配分するという意味であること、でよろしいか。
  • 前文第二の「行政関与のあり方」について、「関与」というと言葉の意味としては狭くなるので、大きな意味であれば「関わり」という表現の方がよい。
    一1(2)の「中長期的方針と整合性」の個所は確かに限定的に解釈されるおそれがあるので言葉使いを検討してはどうか。
    二1(5)の「公共サービスの水準を示す」という個所は、サービスに関するPFIということを考えるとサービス水準をあまり細かく示してしまう場合に民間の創意工夫の発揮を阻害するおそれもあり得るので、書き方を工夫した方がよいのではないか。
    三2の「協定等は公開する」とあるが、請求されたら開示するというような意味で使っているのか。広く知らせるということなら公表でいいのではないか。
  • 公共サービスを、民間の経営資源を利用して、効率的に提供する、そして公平性と透明性を確保して実施するということを書き込むとよいのではないか。
    基本方針は5年10年を見据えて策定されるものなので、一1(1)の「早期に着手し」という表現は、全般に共通することというよりむしろ早期の段階に言うべき調整事項になるので、それが最初に来るのは理解しにくいのではないか。
    一1(2)の「中長期的方針と整合性」という個所はもっと柔軟な表現がよいのではないか。
    一2(4)の「順次詳細化」という表現は実施方針が細切れに出てくるようなイメージがある。そういうことではないと思うので、(2)の記述と合わせ表現してはどうか。
    一3(1)で、単に当面の選定の基準とすると言い切ってしまうと、ケースを狭めすぎるのではないか。
    (6)の「適切な時期に公表する」とあるが、時期は可及的速やかにということではないのか。
    三2(1)(イ)の「支出負担額の減額その他」とあるが、他にもいろいろあると思うので、ワンオブゼムとして例記する方がいいのではないか。
    四1(2)について、税金がイコールフッティングの方向にいくことが担保されないと、PFIはなかなか進まないのでは。
    本推進委員会の役割と機能については、法律にも書いてあるが明記しておくべきではないか。また、基本方針には細かいところは書けないので、ガイドラインをつくるとよいと思うが、その点もふれておいてはどうか。
  • 国のあり方を示す基本方針と実際のPFI事業を行う地方公共団体の実務との間にギャップがあるので、実務的なガイドラインが必要ではないか。
    例えばVFMについては、地方交付税交付金、国税、地方税は自治体の問題だが、どうすべきかが分かるように、また特定事業の選定の際と民間事業者の選定の際のVFMの一貫性と継続性などについて地方公共団体が明確に理解できるような記述を検討願えないか。
    四1については、政府としての方向性を明確に書くのではないか。四は規制緩和の観点からも前向きな表現を考えていただきたい。
  • 地方公共団体が見たときに誤解しかねないと思うこととして、一1(1)は、VFMを高めることがPFIの根本と思っていたのに、独立採算制の事業がPFI事業として高く評価されると解釈されかねないこと、一3(5)の特定事業の選定を行ったとき又は行わないときという記述は、実施方針、特定事業の選定、公募要綱の位置付けがはっきりしていないと分かりにくいということがある。
  • ある程度抽象化させないとうまくいかないし、ある程度具体的に書かないとわかりにくいこととなる。三2(1)(イ)について、具体的に書けば、事業の形態によって狂いが出てくる可能性があり、ガイドラインか何かで埋めるのかなといった感じがする。
    三2(3)については、簡潔によくまとまっているが、実務との間を何かで補わざるを得ないので、ガイドラインのようなもので補充する方がいいのではないか。
  • 基本方針案では、民間資金をどう活用できるかという視点に立って、全体が構成されていないという印象があり、四1(3)に「民間資金の活用の促進を図る」といったことを入れては。民間資金を活用できるような形での法制上の配慮、環境の整備ということが求められるのだから、入れるとその点がはっきりしてくると思う。
    また、PFIという考え方あるいは事業方式が、基本方針が出ることによって逆に狭められる、抑制されるということがないようにしていただきたい。一1(1)の独立採算型の記述は、読み方によってネガティブな印象を抱いてしまう。1(2)の「中長期的方針と整合性」の個所は、民間の発意ということで、現在地方公共団体が考えていないプロジェクトが出てきたときに、そのまま読むと抑制的な印象を与えてしまうのではないかと思われるので、再検討してほしい。
  • 一1(1)のなお書きは、独立採算型を特に推奨するように読める。サービス購入型も重要であり、むしろ消してもらう方がいいのではないか。
    前文の後段に「収益性を確保するとともに」とあり、民間事業者の収益性のことを言っていると思われるが、誤解されるおそれがあるので、これも抹消した方が良い。
    PFI事業が行われている期間中、民間事業者の法的、経済的地位が安定的に確保されるということが大切なので四の柱書きに「民間事業者の法的、経済的な地位が事業期間中安定的に確保されることが必要であるとの観点に立ち」を入れては。
    応募するために巨額のコストがかかるということが、競争を阻害したり、参入障壁を高くしたりすることになるのではと考えられ、上位落選者の入札コストの一部の補償を検討しては。
  • 独立採算型の記述については、もう少し柔らかい表現にすれば、誤解は避けれるのではないか。
    一3(1)の「事業期間を通じた公的財政負担」とあるが、相変わらず建設費用の延べ払い的ニュアンスが念頭にある者もいるので、「建設費用のみならず維持管理、運用等を」といった言葉を足すことでより明解になるのではないか。
    (2)の部分はVFMの算定基盤になるところと思うが、VFMは国民全体の視点から計ってはと思うし、もう少しイコールフッティングをとるということを書いた方がいいのではないか。
    三3は第三セクターのことを含めて書いてあると思うが、第三セクターであっても一般の民間事業者と同じ責任分担等の下にあると分かる方がいいのではないか。
  • 基本方針そのものには、PSCとかVFMの計算基準は書けないと思うが、できるだけ実施方針あるいは要綱で公共側としてのPSCをどのように考えているかが記されていないと、事業化検討をやるだけやって、最後に「VFMがないので」では困る。一3(2)に「実施方針などでそれについて明確にする。」というようなことを加えては。
    基本方針の策定後、委員会で何をするのかということが明確でないので、基本方針の公表の際に、今後どうするのかを発表できるようにしておいてはどうか。

○次回の民間資金等活用事業推進委員会について 12月1日(水)9:30から、総理府3階特別会議室にて開催予定。

以上

(速報のため事後修正の可能性があります)

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内閣総理大臣官房内政審議室民間資金等活用事業推進室
TEL03-3502-7319、03-3502-7346